7 / 8
第7話 アイ アム ナンバーワン②
しおりを挟む
「はい、姿勢を正して、いただきます」。
「いただきます」。よし、今日も一番に食べ終わして、おかわりも一番先だ!
ジリリリリリリリリーーーーー!
え?火災ベル?火事?みんなキョロキョロしだしたぞ。
先生「あーみんなごめん!言うの忘れてた。今日お昼頃、火災ベルの点検があるんだ。火事じゃないよ。安心して給食食べてください」。
そうか、点検か。食べ始めるのが少し遅れたけど、まあいいか、どうせ俺が一番だし。ンドゥールが頭をかかえてるところを見ようかな・・・
・・・え?
は? は? え?・・・
ンドゥールの食器に白身魚のフライと海草サラダがない。もう食べたのか?今はすんごい苦しい顔でシジミの味噌汁を飲み終わした感じだ。ということは、あと、ごはんと納豆と牛乳だけだ。まずい。ンドゥールは嫌いなもの以外はめちゃくちゃ速く食べ・・・
終わった。全部食べたよンドゥール。早速おかわりに行ったよ。今日の休みの人の分のごはんと納豆と牛乳持ってった。くっ!俺が一番のはずだったのに!そして、俺が好きなごはんと納豆と牛乳を一番におかわりするはずだったのに!よし、今日は2人休みがいるから、ごはんと納豆と牛乳はまだ1セット残っているはずだ。あっ!もうンドゥールがおかわりも食べ終わる!俺はまだだ・・・ああ・・・残りの1セットもンドゥールが持っていってしまった・・・・・・。
田中直太朗 なぜンドゥール君は今日一番で給食を食べ終わったのか、僕が説明します。まず、みんなが給食を食べ始めるその時に、火災ベルが鳴った。廊下の方から聞こえてくるから、みんなそっちの方を見る。時間にして数秒間。その数秒間にンドゥール君はこうやったんだ。
火災ベルが鳴る。
~1秒 みんな廊下の方を見る。
~2秒 ンドゥール君が自分の食器を持って静かに素早く背中を丸めて立ち上がる。
~3秒 僕の食器にンドゥール君の白身魚のフライと海草サラダを盛る。
~4秒 僕の納豆を盗る。
~5秒 (お前の大好きなのをやったから、俺の好きなのをよこせ。しかも、誰にも言うな!)的な顔で僕をものすごくにらむ。
このほんの数秒間、みんなは火災ベルの音がする廊下の方を見てるから、廊下から反対側である窓際の一番後ろの席のンドゥール君の行動は誰も気づかない。そして速水君は自分の席からンドゥール君の食器を見る。食器には白身魚のフライのフライのカス、海草サラダのドレッシングの残りがあり、いかにも食べたかのように見える。でも、僕の食器には、白身魚のフライが2枚、海草サラダは山盛りになっているが、速水君の席からは、僕の食器が見えない。しかも、速水君はンドゥール君の食器にしか集中していない。完全犯罪の完了だ。ちなみに僕は白身魚のフライと海草サラダが大好きではない。
遠目に速水君が泣きながら給食を食べているように見えるが、そんなことどうでもいい。だって僕の目の前には、2倍の量のおかずが待っているから。
「いただきます」。よし、今日も一番に食べ終わして、おかわりも一番先だ!
ジリリリリリリリリーーーーー!
え?火災ベル?火事?みんなキョロキョロしだしたぞ。
先生「あーみんなごめん!言うの忘れてた。今日お昼頃、火災ベルの点検があるんだ。火事じゃないよ。安心して給食食べてください」。
そうか、点検か。食べ始めるのが少し遅れたけど、まあいいか、どうせ俺が一番だし。ンドゥールが頭をかかえてるところを見ようかな・・・
・・・え?
は? は? え?・・・
ンドゥールの食器に白身魚のフライと海草サラダがない。もう食べたのか?今はすんごい苦しい顔でシジミの味噌汁を飲み終わした感じだ。ということは、あと、ごはんと納豆と牛乳だけだ。まずい。ンドゥールは嫌いなもの以外はめちゃくちゃ速く食べ・・・
終わった。全部食べたよンドゥール。早速おかわりに行ったよ。今日の休みの人の分のごはんと納豆と牛乳持ってった。くっ!俺が一番のはずだったのに!そして、俺が好きなごはんと納豆と牛乳を一番におかわりするはずだったのに!よし、今日は2人休みがいるから、ごはんと納豆と牛乳はまだ1セット残っているはずだ。あっ!もうンドゥールがおかわりも食べ終わる!俺はまだだ・・・ああ・・・残りの1セットもンドゥールが持っていってしまった・・・・・・。
田中直太朗 なぜンドゥール君は今日一番で給食を食べ終わったのか、僕が説明します。まず、みんなが給食を食べ始めるその時に、火災ベルが鳴った。廊下の方から聞こえてくるから、みんなそっちの方を見る。時間にして数秒間。その数秒間にンドゥール君はこうやったんだ。
火災ベルが鳴る。
~1秒 みんな廊下の方を見る。
~2秒 ンドゥール君が自分の食器を持って静かに素早く背中を丸めて立ち上がる。
~3秒 僕の食器にンドゥール君の白身魚のフライと海草サラダを盛る。
~4秒 僕の納豆を盗る。
~5秒 (お前の大好きなのをやったから、俺の好きなのをよこせ。しかも、誰にも言うな!)的な顔で僕をものすごくにらむ。
このほんの数秒間、みんなは火災ベルの音がする廊下の方を見てるから、廊下から反対側である窓際の一番後ろの席のンドゥール君の行動は誰も気づかない。そして速水君は自分の席からンドゥール君の食器を見る。食器には白身魚のフライのフライのカス、海草サラダのドレッシングの残りがあり、いかにも食べたかのように見える。でも、僕の食器には、白身魚のフライが2枚、海草サラダは山盛りになっているが、速水君の席からは、僕の食器が見えない。しかも、速水君はンドゥール君の食器にしか集中していない。完全犯罪の完了だ。ちなみに僕は白身魚のフライと海草サラダが大好きではない。
遠目に速水君が泣きながら給食を食べているように見えるが、そんなことどうでもいい。だって僕の目の前には、2倍の量のおかずが待っているから。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる