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45件目 天使は屋上に降り立つ
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*春。新学期。午後四時。
校舎の屋上、吹き抜ける風にのって、
彼女の長い髪がひらひらと踊っていた。
「ねえ、ユウ。あんたって、昔から変わんないね」
*彼女の名前は、朝倉アイリ。
身長は170を超え、スラリと伸びた手足。
くりっとした瞳に、無敵の笑顔。
地元では「ラブリー天使」と噂されていた。
「変わってないのは、アイリの方だよ。
……いつも急に現れて、勝手に話す」
「はーい正解。私はいつでも自由なのです」
*俺たちは幼馴染。
小学生の頃、よくこの屋上で空を眺めた。
けれど中学、高校と学年が違い、話すことも減った。
「ねえ、ユウ。覚えてる?
小三のとき、私が“将来、キスする相手はユウがいい”って言ったの」
「そ、そんなの覚えてないってば……!」
*記憶は確かにある。
アイリが転んで膝をすりむいて泣いたとき、
俺が絆創膏を貼ってやったあの日のこと。
「ふふっ。あれ、初恋だったんだよね。
アイリ、あの時から決めてたの。
好きになるなら、ユウだって」
「アイリ……」
*風が一瞬止んだ。
アイリが近づく。背が高い彼女が、俺を見下ろす。
だけど、不思議と威圧感はなく、天使のように優しい。
「だからさ。私、今日ここに来たの。
あのときの“将来”って、もう“今”だと思わない?」
「……俺も、ずっと好きだった。
でも、アイリみたいな子が、俺なんか……」
「それ、やめ。
ユウは、私にとって一番大事な人。
自信なんて、私があげる」
*彼女の指先が、俺の頬に触れる。
胸の奥で何かが、静かに跳ねた。
「ユウ……キス、していい?」
「うん……」
*唇が触れた。
時間が止まったような、長い長い一瞬。
「ふ……ちゅっ、んっ……」
*そして彼女は、ふわりと微笑んだ。
「ね、これからもさ。
ふたりで、バカみたいなこといっぱいしよ?」
「……うん。いっぱい笑って、いっぱいケンカして、
だけど最後は、ちゃんとキスして仲直りする」
*春の夕暮れ。
校舎の屋上。
ひとつの恋が、静かに、そして確かに、始まった。
「ね……、もっと……、しよ……っ?」
「ふ……っチュッ、んひっ、ペチョっピチャっ、れろっ、あむっ、ちゅぴっんっ……」
腕を首に廻して密着したまま腰が誘うが、少し尖った丸い何かが甘く絡まる舌に合わせて、フニフニと掠れながら絶妙な加減で圧される。
「えへっ、……キモチイねっ……、ふ……んむ……ちゅっんっ……、れろっ、……あむっ、……れろっれろれろ……っちゅぴっ、んっ……」
とろけきった顔も直らぬ内に再度の決闘予告が飛び出すには、全身を賭けた突撃に少々弱るも、肩で息をしては腰を抜かしている。
「んっ、ふぅんふぅん、んひひっ、……また……しよう……ね……、へへっ」
校舎の屋上、吹き抜ける風にのって、
彼女の長い髪がひらひらと踊っていた。
「ねえ、ユウ。あんたって、昔から変わんないね」
*彼女の名前は、朝倉アイリ。
身長は170を超え、スラリと伸びた手足。
くりっとした瞳に、無敵の笑顔。
地元では「ラブリー天使」と噂されていた。
「変わってないのは、アイリの方だよ。
……いつも急に現れて、勝手に話す」
「はーい正解。私はいつでも自由なのです」
*俺たちは幼馴染。
小学生の頃、よくこの屋上で空を眺めた。
けれど中学、高校と学年が違い、話すことも減った。
「ねえ、ユウ。覚えてる?
小三のとき、私が“将来、キスする相手はユウがいい”って言ったの」
「そ、そんなの覚えてないってば……!」
*記憶は確かにある。
アイリが転んで膝をすりむいて泣いたとき、
俺が絆創膏を貼ってやったあの日のこと。
「ふふっ。あれ、初恋だったんだよね。
アイリ、あの時から決めてたの。
好きになるなら、ユウだって」
「アイリ……」
*風が一瞬止んだ。
アイリが近づく。背が高い彼女が、俺を見下ろす。
だけど、不思議と威圧感はなく、天使のように優しい。
「だからさ。私、今日ここに来たの。
あのときの“将来”って、もう“今”だと思わない?」
「……俺も、ずっと好きだった。
でも、アイリみたいな子が、俺なんか……」
「それ、やめ。
ユウは、私にとって一番大事な人。
自信なんて、私があげる」
*彼女の指先が、俺の頬に触れる。
胸の奥で何かが、静かに跳ねた。
「ユウ……キス、していい?」
「うん……」
*唇が触れた。
時間が止まったような、長い長い一瞬。
「ふ……ちゅっ、んっ……」
*そして彼女は、ふわりと微笑んだ。
「ね、これからもさ。
ふたりで、バカみたいなこといっぱいしよ?」
「……うん。いっぱい笑って、いっぱいケンカして、
だけど最後は、ちゃんとキスして仲直りする」
*春の夕暮れ。
校舎の屋上。
ひとつの恋が、静かに、そして確かに、始まった。
「ね……、もっと……、しよ……っ?」
「ふ……っチュッ、んひっ、ペチョっピチャっ、れろっ、あむっ、ちゅぴっんっ……」
腕を首に廻して密着したまま腰が誘うが、少し尖った丸い何かが甘く絡まる舌に合わせて、フニフニと掠れながら絶妙な加減で圧される。
「えへっ、……キモチイねっ……、ふ……んむ……ちゅっんっ……、れろっ、……あむっ、……れろっれろれろ……っちゅぴっ、んっ……」
とろけきった顔も直らぬ内に再度の決闘予告が飛び出すには、全身を賭けた突撃に少々弱るも、肩で息をしては腰を抜かしている。
「んっ、ふぅんふぅん、んひひっ、……また……しよう……ね……、へへっ」
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