5 / 9
第三話 イノセント 1
しおりを挟む
リエの武力介入で拘束された剛力派の過半数が、収容エリアに投獄されてから数週間、割と何事もなく教練を受けていた。
教務室でのワークモードを活用した座学教務、実技や基礎能力の底上げを目的にした実技教務など、忙しい日々が続いている。
実家から飛び出して駅の近くにある公園などで、あてのない状況で資金が尽きかけた、そんなところへ組織のスカウトがあった。
あれから気づかぬうちに人体改造されては、ランク戦で死闘を繰り広げれば、あれもこれも悠の別人格が行っている。
黒田悠そして裁牙狂といった二重人格保有者として、その様な認知はまだ無いにしても、黒田悠個人としても不備はあった。
それもあってか、悠は座学教務に専念して狂は実技を担当しながら、無理なく自身にあった分野に特化する方法を選んだ。
悠も狂も根本的に足りない要素が多く、現状における何もかも全てが課題となるが、引きこもり生活も長くかなり険しい。
その割には剛力との死闘を繰り広げたが、精神崩壊と体力も持久力も影響して、実技はまだしも座学教務はやや半端気味だった。
繊細にして神経過敏も影響する状況では、やはりZ席こそであるとはいえ、目線や陰口は悠にとって地味にも強烈に響いた。
狂が構うなと謂ってくれるのは有り難いし、自分でも分かっているはずが、10年も久しい集団生活にも抵抗感があった。
いくら狂がいるとはいえ、精神崩壊を起こしながら、親の怒り任せな八つ当たりやパワハラなど、その限りを尽くされてきた。
社会環境でも左もある事なら、尋常な出来事でさえ何もかもが苦痛で、弱体化のデバフやステータス異常のままでは堪らない。
また、これまでの一般常識が洗脳教育や、羞恥プレイに匹敵するものであるなら、ろくな幾多ができなくても仕方ない。
社会環境でもうつや謎の疲労感に潰れながら、家に帰れば八つ当たりやハラスメント尽くしが、ノリノリで待っている。
更に剛力との激闘で大き過ぎる負担から、数日の間に昏睡したまま成績も最下位で、それまでの殆どが自力なものではない。
三十数年もあって未だに足が立たないのは、繊細過ぎる生まれついたような自身の弱さに、生きた環境も多分に影響したか。
あらゆる弱体化要素につけ石を載せては、笑い者にしたり陰で攻撃したり、なんの臆面もなく未だに人の精神を踏みにじる。
この様な仕組みや環境は新時代の今、2500年代のこのときにとっては、それのほうが遥かにイレギュラーにして無駄とも謂える。
しかし、座学担当の割にワークモードを使いこなせないし、段々と作業ペースが落ち込んでから、どれだけ経っただろうか。
家を飛び出してからトータル的にはそれ程ではないが、実家などで長年デバフや洗脳に漬け込まれた、その成果もあると見える。
更には悠自身が自分を信用していない上に、教務にすらついていけていないのは、基の土台が全く無いままに生きてきた影響か。
ハラスメントの限りを尽くして洗脳され続ければ、健常に生きることは許されないし、生きても死んでも赦されない。
なら既に死んでいるか生死も判然としないゾンビか、基本的な権利すら棄てたくなるほどの状態に、悠の精神は崩壊しきっている。
そんな状態で座学教務もこなせないまま、講習業務が半ばに差し掛かるあたりで、組織にとっての初警報が鳴り響く。
悠にその音は地獄だったが、何かと思えば謎の生命体が暴れているのか、その処理を戦闘員でこなさなければならない。
当然にして教室内の人員のみで、その全員が戦闘現場初参加で全くの素人集団だったが、教官女の作戦説明と指揮はある。
急いで戦闘用の真新しいスーツを装着して、それぞれAからZの専用武器も装備すると、ヘリに載せられて扉が閉まる。
オートロックの扉を見送って対角に目を移すと、Aランクにしてときの金髪ツインテール、リエ様が腕と足を組んで外を観ている。
「またやったらアンタもコロスから……」
リエのクールに華奢ながらもドスの利いた一言が、主に狂と剛力にこれでもかと響くのか、二人揃って冷や汗をかく様に黙る。
例のリエ様武力介入時の悠イジメの件で、どちらかといえば一方的にやられていたが、リエ的にトラブルの対処が面倒だからか。
何者と戦うのか誰一人としてよくわからない状態で、いくら作戦や準備があるとはいえ、初の実践なのだから空気も緊迫する。
その割にはすましたまま外を観ているリエは、さすがAランクだけに風格が違って見えて、小さな体躯のどこに自信があるのか。
「私だって怖いわよ。……でも、やるしか無いでしょ……。」
何を汲み取ったか判然としないが、ポーカーフェイスが様になるのもリエの一部で、スペック面でも一流並みに思わせる。
いよいよ実践投入の刻が間近に迫って、謎の生命体との戦いに誰もが戦慄を覚えて、今にも吠えそうな剛力も例外ではない。
先の警報と同時に女の高い声で、オペーレーターがイノセントといっていたが、それを事前にある程度知っていても自信は何処か。
ヘリを何機かに分けて作戦ポイントに到着したと見えて、一同がそれを視ると余計に対処に困っては、余計に恐怖を覚えた。
手持ちの武器でどうにかなるのかと、一瞬程度謎だったとして問題無く、狙撃や長距離砲撃がいれば対処に困らないだろう。
要は長距離からの射撃でコアとなるものが有るなら、それを破壊すればいいだけで、それがキマるまで客員で立ち回ればいい。
必要なら主にビーム出力のチャージ完了まで、時間を稼ぎながらバフやデバフの活用、または機能的にダメージをとればいい。
一同は飛び降りながら武器をパージさせて、スーツの各部に装着させながら空中戦に移行して、各自散開して様子を見る。
ちなみに悠は作戦ポイントについた時点で、事前に極めた通りに狂と入れ替わって、リエは射撃担当だからヘリでスタンバイ。
グネグネしては紺にどす黒い割に、蒼白く紫炎の如く燃えている様にも見えたが、リエは目を細めながら愕然としていた。
他の一同も核やコアの在り処が判然としないどころか、どこにも見当たらないとなると、対処がより複雑になって困難を極める。
新設組織にして歴史もなくベテラン兵もいない、新人呑みの素人編成では、経験による知識もなければ教務も充分ではない。
そんな状況で弱点もわからなければ、デバフスキルも宛になるかわからないだけに、とにかく弱点を探るしか無い。
何かが飛んでくれば避けて距離をおいて、触手の様に素早く伸びれば掴まる者が在れば、即座に狂が断ち切って開放する。
そこで閃く狂は各員の専用武器を見て、形態を変えることは出来るのかと気になって、「ガン」というと奇跡的に変形した。
7本ある内の振り回していた一本が、射撃形態に変形してより立ち回りやすくなったが、ダメージを取れるかは疑問だった。
数十分経って状況が改善しないどころか、逆に被害が拡がっていってジリ貧極まっては、出撃した意味が殆ど無いといっていい。
無意識に剛力が各パーツを全て前面に展開してガード、それを見て『パージ』の逆だと、またしても閃きが行動に出る。
武器パーツを『分離』して各部に装着可能で、コントロールも可能ならもっと色々出来るし、『収束』も出来るのではないか。
この段階で狂は四つの要素、『ソード』・『ガン』・『パージ』・『フルパック』を、閃き呑みでコントロールし始めた。
二度の閃きに教官女はどちらにも感嘆を示したが、剛力は『Zのヤツに先を越された』と思ったか、徐々に癇癪が表面化する。
『パージ』で推進力による機動性の強化、立ち回りに小型のモノを使用して、ダメ取りに七種の剣を一つに戻す『フルパック』。
全て狂の発想力による我流戦術で、他者と比べても歴然としてハッキリと認知させるには充分で、誰もがその戦いを観たがった。
特に射撃待機要員はすべてがゴーグル越しに、圧巻の戦いを魅せつけられては息を呑ませて、当然リエの眼にも映っていた。
教務室でのワークモードを活用した座学教務、実技や基礎能力の底上げを目的にした実技教務など、忙しい日々が続いている。
実家から飛び出して駅の近くにある公園などで、あてのない状況で資金が尽きかけた、そんなところへ組織のスカウトがあった。
あれから気づかぬうちに人体改造されては、ランク戦で死闘を繰り広げれば、あれもこれも悠の別人格が行っている。
黒田悠そして裁牙狂といった二重人格保有者として、その様な認知はまだ無いにしても、黒田悠個人としても不備はあった。
それもあってか、悠は座学教務に専念して狂は実技を担当しながら、無理なく自身にあった分野に特化する方法を選んだ。
悠も狂も根本的に足りない要素が多く、現状における何もかも全てが課題となるが、引きこもり生活も長くかなり険しい。
その割には剛力との死闘を繰り広げたが、精神崩壊と体力も持久力も影響して、実技はまだしも座学教務はやや半端気味だった。
繊細にして神経過敏も影響する状況では、やはりZ席こそであるとはいえ、目線や陰口は悠にとって地味にも強烈に響いた。
狂が構うなと謂ってくれるのは有り難いし、自分でも分かっているはずが、10年も久しい集団生活にも抵抗感があった。
いくら狂がいるとはいえ、精神崩壊を起こしながら、親の怒り任せな八つ当たりやパワハラなど、その限りを尽くされてきた。
社会環境でも左もある事なら、尋常な出来事でさえ何もかもが苦痛で、弱体化のデバフやステータス異常のままでは堪らない。
また、これまでの一般常識が洗脳教育や、羞恥プレイに匹敵するものであるなら、ろくな幾多ができなくても仕方ない。
社会環境でもうつや謎の疲労感に潰れながら、家に帰れば八つ当たりやハラスメント尽くしが、ノリノリで待っている。
更に剛力との激闘で大き過ぎる負担から、数日の間に昏睡したまま成績も最下位で、それまでの殆どが自力なものではない。
三十数年もあって未だに足が立たないのは、繊細過ぎる生まれついたような自身の弱さに、生きた環境も多分に影響したか。
あらゆる弱体化要素につけ石を載せては、笑い者にしたり陰で攻撃したり、なんの臆面もなく未だに人の精神を踏みにじる。
この様な仕組みや環境は新時代の今、2500年代のこのときにとっては、それのほうが遥かにイレギュラーにして無駄とも謂える。
しかし、座学担当の割にワークモードを使いこなせないし、段々と作業ペースが落ち込んでから、どれだけ経っただろうか。
家を飛び出してからトータル的にはそれ程ではないが、実家などで長年デバフや洗脳に漬け込まれた、その成果もあると見える。
更には悠自身が自分を信用していない上に、教務にすらついていけていないのは、基の土台が全く無いままに生きてきた影響か。
ハラスメントの限りを尽くして洗脳され続ければ、健常に生きることは許されないし、生きても死んでも赦されない。
なら既に死んでいるか生死も判然としないゾンビか、基本的な権利すら棄てたくなるほどの状態に、悠の精神は崩壊しきっている。
そんな状態で座学教務もこなせないまま、講習業務が半ばに差し掛かるあたりで、組織にとっての初警報が鳴り響く。
悠にその音は地獄だったが、何かと思えば謎の生命体が暴れているのか、その処理を戦闘員でこなさなければならない。
当然にして教室内の人員のみで、その全員が戦闘現場初参加で全くの素人集団だったが、教官女の作戦説明と指揮はある。
急いで戦闘用の真新しいスーツを装着して、それぞれAからZの専用武器も装備すると、ヘリに載せられて扉が閉まる。
オートロックの扉を見送って対角に目を移すと、Aランクにしてときの金髪ツインテール、リエ様が腕と足を組んで外を観ている。
「またやったらアンタもコロスから……」
リエのクールに華奢ながらもドスの利いた一言が、主に狂と剛力にこれでもかと響くのか、二人揃って冷や汗をかく様に黙る。
例のリエ様武力介入時の悠イジメの件で、どちらかといえば一方的にやられていたが、リエ的にトラブルの対処が面倒だからか。
何者と戦うのか誰一人としてよくわからない状態で、いくら作戦や準備があるとはいえ、初の実践なのだから空気も緊迫する。
その割にはすましたまま外を観ているリエは、さすがAランクだけに風格が違って見えて、小さな体躯のどこに自信があるのか。
「私だって怖いわよ。……でも、やるしか無いでしょ……。」
何を汲み取ったか判然としないが、ポーカーフェイスが様になるのもリエの一部で、スペック面でも一流並みに思わせる。
いよいよ実践投入の刻が間近に迫って、謎の生命体との戦いに誰もが戦慄を覚えて、今にも吠えそうな剛力も例外ではない。
先の警報と同時に女の高い声で、オペーレーターがイノセントといっていたが、それを事前にある程度知っていても自信は何処か。
ヘリを何機かに分けて作戦ポイントに到着したと見えて、一同がそれを視ると余計に対処に困っては、余計に恐怖を覚えた。
手持ちの武器でどうにかなるのかと、一瞬程度謎だったとして問題無く、狙撃や長距離砲撃がいれば対処に困らないだろう。
要は長距離からの射撃でコアとなるものが有るなら、それを破壊すればいいだけで、それがキマるまで客員で立ち回ればいい。
必要なら主にビーム出力のチャージ完了まで、時間を稼ぎながらバフやデバフの活用、または機能的にダメージをとればいい。
一同は飛び降りながら武器をパージさせて、スーツの各部に装着させながら空中戦に移行して、各自散開して様子を見る。
ちなみに悠は作戦ポイントについた時点で、事前に極めた通りに狂と入れ替わって、リエは射撃担当だからヘリでスタンバイ。
グネグネしては紺にどす黒い割に、蒼白く紫炎の如く燃えている様にも見えたが、リエは目を細めながら愕然としていた。
他の一同も核やコアの在り処が判然としないどころか、どこにも見当たらないとなると、対処がより複雑になって困難を極める。
新設組織にして歴史もなくベテラン兵もいない、新人呑みの素人編成では、経験による知識もなければ教務も充分ではない。
そんな状況で弱点もわからなければ、デバフスキルも宛になるかわからないだけに、とにかく弱点を探るしか無い。
何かが飛んでくれば避けて距離をおいて、触手の様に素早く伸びれば掴まる者が在れば、即座に狂が断ち切って開放する。
そこで閃く狂は各員の専用武器を見て、形態を変えることは出来るのかと気になって、「ガン」というと奇跡的に変形した。
7本ある内の振り回していた一本が、射撃形態に変形してより立ち回りやすくなったが、ダメージを取れるかは疑問だった。
数十分経って状況が改善しないどころか、逆に被害が拡がっていってジリ貧極まっては、出撃した意味が殆ど無いといっていい。
無意識に剛力が各パーツを全て前面に展開してガード、それを見て『パージ』の逆だと、またしても閃きが行動に出る。
武器パーツを『分離』して各部に装着可能で、コントロールも可能ならもっと色々出来るし、『収束』も出来るのではないか。
この段階で狂は四つの要素、『ソード』・『ガン』・『パージ』・『フルパック』を、閃き呑みでコントロールし始めた。
二度の閃きに教官女はどちらにも感嘆を示したが、剛力は『Zのヤツに先を越された』と思ったか、徐々に癇癪が表面化する。
『パージ』で推進力による機動性の強化、立ち回りに小型のモノを使用して、ダメ取りに七種の剣を一つに戻す『フルパック』。
全て狂の発想力による我流戦術で、他者と比べても歴然としてハッキリと認知させるには充分で、誰もがその戦いを観たがった。
特に射撃待機要員はすべてがゴーグル越しに、圧巻の戦いを魅せつけられては息を呑ませて、当然リエの眼にも映っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる