秘密組織で改造された二重人格の俺は全世界を破滅させることにしました

草薙銀之介

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第三話 イノセント 3

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 肩で息をしながら剛力はこれでもかと攻撃するが、闇雲に攻撃してもコアとなるモノは発見不可能で、あらゆるコストの無駄遣い。

「もういい、下がりなさい!」

 剛力相手でも容赦無しに何時までも好転しない、今の現状に限界を看たのか、リエは段々と苛立ち始めてはドスを刺す。

「ここからだろーがぁ! ウルセーぞガキィ!」

 このようではさすがのクール系天才児でも、ヘリの方へ蹴りを振り抜いて、「使えない。アンタもう邪魔。」と云い放つ。

 蹴って背を向けたまま冷めた目で剛力を刺すと、「Dランクでこの程度?」と、冷たく鋭い目つきでリエは剛力に続ける。
 
「わたくしの判断もだけど、アンタが相手を侮ったせいで街も半分近く破壊されてるのよ。黒田悠ならもう少しマシだったわね。」

 剛力の傷口をえぐる様な事を云って向き直ると、所長とインカムで通信しているのか、リエの断片的な発言だけが剛力に聞こえる。
 
「後で始末書ね、わかったわ。……剛力?ああ、アレに任せたのが間違いで……。え?報告だけで……?はい、……あとは片付けます。」

 一通り済むとリエ派の個別通信でいくつか参加表明が済むと、幾つもある内で四方のヘリから、三人の女子戦闘員が登場する。

「頼動明霞、足止めします!」

 先ずは真っ先にイノセントへ突撃する、アタッカー担当の頼動明霞はランクK、主に自衛と陽動を軸に自らが囮として立ち回る。

「後ろから援護します」

 次いで攻撃力と機動力をバフで強化する冥道威羅は、Iランクにして上手に援護射撃や、デバフも解除する中衞型サポーター。

「リエ様のためにもっ!」

 更に援護射撃や主なダメ取りを主軸にしたミドルシューター、ランクGの竜宮綾は射撃メインの立ち回りが目立つも主力キャラ。

 三位一体のリエ派三人衆の連携フォーメーションは、単独による剛力の力任せなワンパターン攻撃が、痛々しく思わせる程だった。

 次々と繰り出されるイノセントの攻撃も、全て見切った自衛力が見事に、避け切れない場合は継続力も併せて刀剣で捌く明霞。

 パージした各武器パーツを各部に装着して、推進力を繊細にコントロールしながら、触手をカットして攻撃手段を無力化。

 二基の武器パーツを剣型や銃型にフォームチェンジしたり、脚部や腰部の兵装も主に射撃、足首からの刀剣もアクロバットに使用。

 威羅は軸パーツのロッド以外は装着して、明霞と綾に一基ずつ背中に一定時間装着させて、バフを供給しながら状況を見る。

 攻めきれない場合などは各パーツを分離展開して、防御フィールドを張って回復とバフを供給、態勢を立て直しながら再度散開。

 明霞の後位からビーム兵器を主体として、メイン武装のビームライフルを軸に、腰部や肩部からも射撃する綾の援護とダメ取り。

 因みに、分離装着中にメイン射撃武装以外で、オールレンジ射出や単騎射出からの射撃も、それぞれ臨機応変に組み合わせる。

 どれもリエから情報を聞き出したり、裏の黒田悠・裁牙狂の戦闘をヒントにして、教官女の実戦を前にした訓辞からの発想。

「これは実戦だ! 教務でも模擬戦でもない! 発想を臨機応変に生かせ! 生きるか死ぬかはお前らにかかっている!」

 
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