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第十話 大人達の飲み会 5

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 更に翌週の週末になって深夜に俺の自宅へ、あの三神が参られては前回までと同様に、料理を並べて今回はハイボールが出る。

 毎回レンジの音に椅子を引く音や卓上の音や感覚に、怯えながらも三神の手前では気合で我慢して、酒とツマミを有り難く頂く。

 ただでさえ部屋そのものが響きやすいのに、深夜だから余計響く物を極力そっと置いては、見せかけではない気遣いが行き渡る。

 缶が開けられる音もコップに注入される音も、何もかも全てが恐怖や脅威であっても、今は萌香や奈津美さん達がいる。

 大人たちによる深夜の飲み会は、何故かこの日は絡まるよりも甘えだして、奈津美さんに至っては頭をなで始める。

 何かを察したのか一同は甘えるような声で、ツマミ料理や缶ハイボールやフルーツ酒で、甘くとろける様にツヤツヤしている。

 奈津美さんに真胡都や紫英流の、密着しながらやる息遣いや口から差し出すチョコビス、それ以外にも酒に合わせた組み合わせ。

 静かにも甘くフニフニと上半身や腰が当たって、酸味や炭酸も余計にグルグルしてきたが、この時間が何故かもったいなくなる。

 それでも容赦無く刻々と時間は過ぎ去って、別時空に在るような感覚は、過ぎればヘビーロードと化して未曾有の状況が襲う。

 特技ではないが、俺はハイボールを過度に呑んでほぼ絶対的に胃から何かを吶喊させる、そんなばってぇ事を起こす。

 今回はハイペースで呑んで仕舞ったから、『マジで◯き出す五分前』の様な、そんな状況をどうするか俺は迷った。

 それを紫英流は何も云わぬ内に俺を先導して、コッソリとお手洗いにゆっくりと、連れて行っては背後で世話をしている。

 メイドの本分ばかりで自分をもっと大事にすべきだが、この時だけはスベった俺が問題で、状況突破に紫英流へは感謝している。

 折角の用意を無駄にして仕舞ったが、もう少し落ち着いたら料理メインにゆっくりして、三神を見届けようと俺は思った。

 おれへのシーツの様な忠誠に助けられたが、こうした献身性は悪くもなく自由だが、もっと自身を大事にしなければどうか。

 ストレスに圧し潰されては労働に拘り過ぎて、他人を恨んで憎む様になるか、怒りを溜め込んで自身のコントロールに悪影響か。

 紫英流や奈津美さんに潰れられても、これまで通りに感謝して敬意を払いながら、甘く立ち上がったトップをあてて貰えるのか。

 最後のは置いておくとしても、もしそうなると誰にとっても損失であって、現状が下降するのは一切認めてはならん!

 快適にフニフニしながらのシーツアンドフリーに、ムニムニ当ててもいいから、悪化だけはすこぶるマジィ問題だと謂える。


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