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 巻き込まれたくなくって学園に行かなかったのに、ルーカスさまのキラキラお願い攻撃に堪えきれず返事をしてしまった自分が情けなかった。

 「すみません、王子が我儘をいったみたいですね」

 「ははは、正直怖いですよ」

 「そうですよね、散々夢で怖い思いしているんですから、大丈夫ですよ。
 護衛は至る所に学生として入っています」

 「わかりました」

 キース様の言葉に励まされて、教室に入るといきなり突き飛ばされたのだ。

 それも思いっきり突き飛ばすので尻もちついてしまったではないか!!!!

 「この人が私を虐めていた人です!!!!」

 本当に勘弁してくれ!!!!!

 「……、あなたは一体どなたですか?」

 キース様の手を借り起き上がると、私を突き飛ばした少女に聞いた。

 「ひどいわ!
 いくら私が王子さまと仲がいいからって、いじめることないじゃないですか!!!!」

 「何故私がルーカスさまと仲がいいからとあなたを虐めなければならないのでしょうか?」

 「そんなんだから、王子さまに冷たくされるのよ!!!
 私の方が婚約者に相応しいんだから!!!」

 「……話の腰を折るようで悪いんだが……」

 「キース様ならいくらでも折って大丈夫ですよ」

 こいつ馬鹿か!!!!

 媚を売るようにキースにしなだれる姿は気持ちが悪かった。

 正直関わりたくない人種だ。

 「アリス嬢は、王子の婚約者じゃないですよ」

 「……そんなはずないわ!
 ゲームの設定はそうなっているはずよ!!!」

 「設定、ゲームですか?
 一体何の話をしているんだい?」

 「それに、君の言い分は通らないよ、アリス嬢は昨日まで学園を休んでいたんだ、それを俺たちが何度も行って学園に復帰するまでになったんだよ」

 ルーカスさまの話を聞き焦りだした少女は何も告げずに走り出して行ったのだ。

 「あれはいったい何だってのでしょうか?」

 「わからない、でも今言った言葉がヒントになるなら、もしかしたらアリス嬢の夢の中にヒントが隠れているかもしれないな」

 「私の夢ですか?」

 ゲームと言っていた。

 夢の中で何かをやっているシーンがある。

 夢の子はスチールがどうとか言っていたはずだ。

 ……待って……今の子……

 「あの子は……私が夢で見ている中に出てきたかもしれない……」

 「本当なのかい」

 「はい、あの子の他にもう一人いてその子がやっているものにたいしてどうとか言っているのですが、その子も夢中でそれをやっているので一人でしゃべっている感じです」

 「ならもしかしたら、別の世界から来た可能性があるわけだな」

 「そうかもしれません」

 「今彼女は教会預かりなんだ」

 「……聖属性を持っているのですか?」

 「いや、変な衣装で現れたので、教会で預かってもらっているんだ」

 もしあの夢が私の前世の夢なら私とあの子はお友達だったはずなのですが、なんででしょうはっきり言って嫌いなんです!!!!!

 怒りさえ沸き上がるんです。

 「とにかく少しは過ごしやすくなるといいのだが」

 キース様はため息を付き私を席までエスコートしてくれました。

 キース様は本当に優しいです。

 
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