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冒険者編

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 あっという間に王都についてしまった気がするのは俺だけだろうか……

 もう少し時間がかかると思っていたのにあっけなく着いてしまった。

 そんな時すごい勢いでこちらにやってくる一団がいた。

 砂埃を立てながら来る一団に周りは恐れをなし遠巻きに見ている。

 気付いた時にはかなり至近距離にいたため逃げ遅れてしまったのだがいきなり抱きしめてきたのだ。

 「心配したんだぞ!」

 「怪我してない?
 お腹すいてない?」

 それは過保護な俺の両親だった。

 ハグしたまま離してもらえず、しまいには顔中にキスしてくる始末。

 どうやったらここまで過保護になれるんだってぐらい過保護だ。

 「大丈夫ですから離して下さい」

 「ヤダ!
 まだ逃げ出すだろ!」

 家の両親っていったい……

 かなり目立っているがそれ以上目立ちたくないのでいったん王都にある別荘に行くことにした。

 勿論他のメンバーも一緒です。

 別荘に着くとお風呂に入りさっぱりしてから両親に会いに行くとすでにそこは宴会場と化していた。

 「……バードこれはいったい」

 「冒険者をしていた時のレオン様のことが知りたいとおっしゃいまして、ならお酒を飲みながらと言うことになり今に至ります」

 「ただ単に俺にかっこつけて飲みたかっただけじゃないか!」

 「そうなりますね」

 「で、俺にあの中に入れって言うなら断るぞ!」

 「部屋に帰られても大丈夫ですよ、ただ今夜は部屋に何重にも結界を張り巡らせたほうがよろしいかと思いますよ」

 「なんでだ?」

 「ダニエルさまの目が獲物を狙うものになっておりますので用心に越したことわありません」

 「……わかった、今夜から結界を張って寝るよ」

 俺は身震いし部屋に戻った。

 親子なんだから勘弁してもらいたい。

 部屋にもう一度お風呂に入り出てくるとそこには目が完全にいっちゃっているお父様がいたのだ。

 「どうしたんですか?」

 「レオンが待っても来ないから迎えに来たけど、お風呂に入ってたのか?」

 「行きましたけど、すでに出来上がっているところには入りづらかったので疲れたので寝ようかと……」

 「ジャー俺と寝よ?」

 「でもいいのですか、まだ宴会は続いていますよね?」

 「いいの、レオンがいないのに話聞いてってつまらないでしょ?」

 「わかりました、今バードを呼びますね寝間着を持ってきてもらいましょ」

 「んっ、わかったお風呂入ってくるからまっててね」

 俺はバードを呼びどうすればいいか助けを求めたが帰ってきた返答はあっけなかった。

 「後でノア様とダニエルさまの側近をよこしますのでそれまで御無事でいて下さい」

 マジかマジなのか、助けが来るまでお父様の相手決定なのか!
 
 悪夢再びとなったのは言うまでもない。


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