【完結】騎士団長に言い寄られて困っています

1

   今日晴れて騎士団に入団したハルは、周りから浮きまくっていた。

   騎士団の入団条件は15歳以上勝ち抜き戦で上位10番目までに入ることだ。もちろん筆記試験も始めに受けて受かればトーナメントに出場することが出来るのだが、ハルは屈強な男の中でも女性と見間違うほどに綺麗なのだ。

   騎士団は顔で取ってるんじゃないかと言うぐらいイケメン率が高く、その中でも群を抜いているのが団長である。

   「まじイケメン揃いだよな」

   「君だってそうだろ」

   入団してすぐに意気投合した貴族の出で伯爵家の三男だと言うジルは気さくでユーモア溢れる青年だ。

   「ハルは騎士服よりドレスが似合いそうだよな」

   「こんなデカイ女いるかよ！」

   それがいるんです。

   この世界は女性が少なく男性が多い、ごく稀に子を成せる身体を持つふたなりの男性器も女性器も持って生まれてくる子がいる。

   その子たちの特徴は兎に角綺麗なのだそうだ。

  「ハル以上にデカイと言えば王妃はふたなりで綺麗だがかなりの体格だったぞ」

   「そうなのか、知らなかった」

   その日は少し？の練習と自己紹介だけで解散となった。

   ハルは同室となったジルと一緒に夕飯までの時間をゆったりと過ごした。