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想いが叶った後は。
そいつは誰だ。
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クレハ、誰だ?その横の男。
「貴方とはもう終わりにする」
何で??と泣きそうなしゃがれた声で懇願する。
辞めてくれ、俺は、クレハが好きだ!!離れない、離れたくない!!
横に居る男が、クレハの肩を抱いて、意地悪な顔で微笑むと、クレハは俺を冷たく見下ろした。
「本当つまらない男ね、がっかりしたわよ」
去らないで。お願いだ。もう、お前以外愛せない。
取り残された側はどうすればいい?
手を伸ばした。でも、距離が開き過ぎて届かない。
「クレ…」
何でだろう。俺は泣いていた。
はっと目覚めると、それがとんでもない悪夢だった事に気が付く。涙をゴシゴシ手で拭うと、切ない感情が心を満たす。切ねぇ。どうしたんだ、何なんだよ、この夢はよ。
更にドッドッドッ、心臓が滝に打たれたように波打つ。
喉がカラカラだ。クレハは、今横に居ない。それでもこんな夢を見たときは、天使のように微笑んで「愛してる」と言って欲しい。傍に居て欲しいんだ。
万が一。千が一。百が一。その可能性が俺にとってあまりに高くて、俺は…
夢が本当になったら、俺は、俺は―…。
信じるんじゃなかったのかよと罵声する心。
でも、でもな―…。
あれから一緒に寝たけれど、クレハは最近甘えてくるようになり、可愛いと思うと同時に、不安が付きまとう。劣等感、蔑み、コンプレックス。最近幸せすぎて忘れていた、モテる彼女への色々な感情。式場が、ウェディングプランとやらの新婦さんだけへの相談みたいなものがあるらしい。彼女は朝早く去って行った。
柔らかな指使いで彼女にずっと触れていたい。
彼女だけを触っていたい。俺だけが彼女に触れる権利が欲しい。
何でかな、悲しかった。泣きそうで心が…生きた心地がしなくなるんだ。
「その案件については―…これから、私がそちらに伺わせて頂きますね」
ホテルの冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを口に含んで、喉の音を立てながら一気飲みした。
取引先からの電話で、今日一日の休みがパァになった。正直、クレハと久々にゆっくりデートしようと思って居たのに。
冷静になればなるほど、あの夢は…と信じたくない気持ちと、いつも疑ってしまう大人になりきれない自分が居て。信じるんだろ、いやいや。
信じるんだろ!!!
何と言う心の揺れ具合。
あまりの悪夢に、久しぶりに煙草でも吸おうかと思ったが、残念な事にそんな時間がない。スーツを取り出し、彼女クレハが消臭剤を掛けてくれたのだろう、嫌な臭いはしなかった。シャツを着て、ネクタイを締めると、スーツと外の気温を考えて手袋をした。
だから、
その目を疑った。
彼女が知らない男に肩を抱かれて…歩いていたのを見たときは。結婚式場から寄りによって出てくるなんて…相手の嫌がらせかよ。
―誰だよ、そいつ。
心の中の闇が、嫉妬心が、浴びるように溢れて行く。どくどく心臓は相変わらず嫌な音で泣きやがる。心が。目に涙が溜まってきた。彼女を…信じたいのに。女々しい女みたいに泣くんじゃねぇよ。俺は社会人で男だろ。
「大好きよ」
―あの言葉は…嘘だったのか??
夢の中のクレハと重ねて、何もかも信じられなくって、ポケットに入ってた煙草をぐしゃと力を込めて握りつぶす。ふざけんな、ふざけんなよと、それ以上親しそうにするクレハと知らない男から目を背けた。
それでも、ふらりとよろめく自分を「仕事だろ」って励まして、何とか仕事場に向かった。今、あの男と争えればどんだけ楽だろう。仕事放置して、クレハの身体に滅茶苦茶に刻みたい。
電話したい。
声が聴きたい。
否定してくれよ。
お願いだ。
そんな願いが次から次へよぎる。
それでも俺は、社会人だから、営業スマイルで、営業トークで…
会話を聞きながら、
彼女がまた、クレハが元に戻っただけ。と心を落ち着かせようとした。
切ない片思いを繰り返す俺は、どれだけ滑稽なのだろう。
彼女の心が分からない。
嘘だったのかよ?
「大好きよ」
思い出す優しい笑みも、
繰り返す愛の言葉も、
全部をそれでも信じろってか。
神様に縋るしかねぇよな。
情けねぇなぁ。
俺は、俺はね、それでもクレハがね、
世界中で誰よりも愛してる。
だから、よその男なんかに行くなよ!!!
「レアさん…?」
「何で…」
「そんな死にそうな顔しないで下さい」
気が付いたら、いつもの習慣で、あの花屋に来ていた。
ぎゅうっと後ろから抱きしめられて、悪い気もいい気もしない。
あの柔らかな感覚を今すぐ忘れたいのか、忘れたくないのか、分からない。
俺の心が死んでしまう。
「クレハさんのことですね??」
「何で分かったの??」
声が震える。花屋のこの子は優しい。とても優しい…。
このままじゃ、
このままじゃぁね。
俺の心が消えてしまう。
「クレハさん…最近、他の男の人と居ますよ。」
俺は何を信じたら…
「私…クレハさんなんかよりも…
ずっとずっとレアさんが好きです…!!」
自分の中の小憎たらしい感情が、あてつけに彼女を抱けと呟く。
最悪な季節、罪悪感よりも、羞恥心の欠片すらないのか、俺は。
彼女の職場だぞ。そう思いつつも止まれないんだ。
彼女を抱きしめ返した。
「貴方とはもう終わりにする」
何で??と泣きそうなしゃがれた声で懇願する。
辞めてくれ、俺は、クレハが好きだ!!離れない、離れたくない!!
横に居る男が、クレハの肩を抱いて、意地悪な顔で微笑むと、クレハは俺を冷たく見下ろした。
「本当つまらない男ね、がっかりしたわよ」
去らないで。お願いだ。もう、お前以外愛せない。
取り残された側はどうすればいい?
手を伸ばした。でも、距離が開き過ぎて届かない。
「クレ…」
何でだろう。俺は泣いていた。
はっと目覚めると、それがとんでもない悪夢だった事に気が付く。涙をゴシゴシ手で拭うと、切ない感情が心を満たす。切ねぇ。どうしたんだ、何なんだよ、この夢はよ。
更にドッドッドッ、心臓が滝に打たれたように波打つ。
喉がカラカラだ。クレハは、今横に居ない。それでもこんな夢を見たときは、天使のように微笑んで「愛してる」と言って欲しい。傍に居て欲しいんだ。
万が一。千が一。百が一。その可能性が俺にとってあまりに高くて、俺は…
夢が本当になったら、俺は、俺は―…。
信じるんじゃなかったのかよと罵声する心。
でも、でもな―…。
あれから一緒に寝たけれど、クレハは最近甘えてくるようになり、可愛いと思うと同時に、不安が付きまとう。劣等感、蔑み、コンプレックス。最近幸せすぎて忘れていた、モテる彼女への色々な感情。式場が、ウェディングプランとやらの新婦さんだけへの相談みたいなものがあるらしい。彼女は朝早く去って行った。
柔らかな指使いで彼女にずっと触れていたい。
彼女だけを触っていたい。俺だけが彼女に触れる権利が欲しい。
何でかな、悲しかった。泣きそうで心が…生きた心地がしなくなるんだ。
「その案件については―…これから、私がそちらに伺わせて頂きますね」
ホテルの冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを口に含んで、喉の音を立てながら一気飲みした。
取引先からの電話で、今日一日の休みがパァになった。正直、クレハと久々にゆっくりデートしようと思って居たのに。
冷静になればなるほど、あの夢は…と信じたくない気持ちと、いつも疑ってしまう大人になりきれない自分が居て。信じるんだろ、いやいや。
信じるんだろ!!!
何と言う心の揺れ具合。
あまりの悪夢に、久しぶりに煙草でも吸おうかと思ったが、残念な事にそんな時間がない。スーツを取り出し、彼女クレハが消臭剤を掛けてくれたのだろう、嫌な臭いはしなかった。シャツを着て、ネクタイを締めると、スーツと外の気温を考えて手袋をした。
だから、
その目を疑った。
彼女が知らない男に肩を抱かれて…歩いていたのを見たときは。結婚式場から寄りによって出てくるなんて…相手の嫌がらせかよ。
―誰だよ、そいつ。
心の中の闇が、嫉妬心が、浴びるように溢れて行く。どくどく心臓は相変わらず嫌な音で泣きやがる。心が。目に涙が溜まってきた。彼女を…信じたいのに。女々しい女みたいに泣くんじゃねぇよ。俺は社会人で男だろ。
「大好きよ」
―あの言葉は…嘘だったのか??
夢の中のクレハと重ねて、何もかも信じられなくって、ポケットに入ってた煙草をぐしゃと力を込めて握りつぶす。ふざけんな、ふざけんなよと、それ以上親しそうにするクレハと知らない男から目を背けた。
それでも、ふらりとよろめく自分を「仕事だろ」って励まして、何とか仕事場に向かった。今、あの男と争えればどんだけ楽だろう。仕事放置して、クレハの身体に滅茶苦茶に刻みたい。
電話したい。
声が聴きたい。
否定してくれよ。
お願いだ。
そんな願いが次から次へよぎる。
それでも俺は、社会人だから、営業スマイルで、営業トークで…
会話を聞きながら、
彼女がまた、クレハが元に戻っただけ。と心を落ち着かせようとした。
切ない片思いを繰り返す俺は、どれだけ滑稽なのだろう。
彼女の心が分からない。
嘘だったのかよ?
「大好きよ」
思い出す優しい笑みも、
繰り返す愛の言葉も、
全部をそれでも信じろってか。
神様に縋るしかねぇよな。
情けねぇなぁ。
俺は、俺はね、それでもクレハがね、
世界中で誰よりも愛してる。
だから、よその男なんかに行くなよ!!!
「レアさん…?」
「何で…」
「そんな死にそうな顔しないで下さい」
気が付いたら、いつもの習慣で、あの花屋に来ていた。
ぎゅうっと後ろから抱きしめられて、悪い気もいい気もしない。
あの柔らかな感覚を今すぐ忘れたいのか、忘れたくないのか、分からない。
俺の心が死んでしまう。
「クレハさんのことですね??」
「何で分かったの??」
声が震える。花屋のこの子は優しい。とても優しい…。
このままじゃ、
このままじゃぁね。
俺の心が消えてしまう。
「クレハさん…最近、他の男の人と居ますよ。」
俺は何を信じたら…
「私…クレハさんなんかよりも…
ずっとずっとレアさんが好きです…!!」
自分の中の小憎たらしい感情が、あてつけに彼女を抱けと呟く。
最悪な季節、罪悪感よりも、羞恥心の欠片すらないのか、俺は。
彼女の職場だぞ。そう思いつつも止まれないんだ。
彼女を抱きしめ返した。
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