幸せが終わるとき。(完結)

紫苑

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きっと二度目の恋。

君の気持ちが知りたい。

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君の気持ちが知りたい。

抱きしめて、引き寄せて。俺だけを想えばいいのに。

そんな奴、見てないでさ。

ティアナさんから来たメールはとっても嬉しくて、意識しているのでは、と勘ぐってしまった。
しかし、待ち合わせ場所に来るなり「あれ、他に何人来るの?」と言われるとやはり悲しかった。


それでも、いつもは制服なのに、グレーのダッフルのショートコートの前を開けて、白いもこもこのダボっとしたニット、花柄の膝丈のスカート、黒いタイツに茶色のブーツを見て。「可愛いね」と思わず口に出して褒めてしまう。自分の為にお洒落な服を着たわけじゃないのに、何だか自分だけの為に着たような、錯覚に陥ってしまう。

厄介な事に、後ろからあいつはついてきてるし、凹みそうな頭を切り替えて、
ティアナさんの白い腕を引っ張る。みんな、ティアナさんを、見ていた。人形のような白い陶器の肌。ピンク色の桃色の唇に長いくるくるの銀髪が綺麗で、「可愛い」「綺麗」と何だか目線を浴びてる事に、彼女は気付いているのかな?

「メシア君?」
「走るよ、着いてきて」

買い物の予定を変更して、水族館へと誘導する。ヒールがそこまで高くないのも、走るのに大変じゃなくて良かった。あいつを撒いた頃には、二人で少し汗をかいてて、振り返るとティアナさんは笑った。

「びっくりしたけど、ワクワクしたよー」
「ふふ、なら良かったよ。」

ティアナさんは、周りを見て、何とも言えない顔をしていて、理由は分かっていながら、思い切り手を握った。

「…レアが嫌がるから」
「-駄目?」
「というか、レアに誤解されるのが…嫌だから」

そんな潤んだ赤いウサギのような目をして言われると、余計離したくなくなる。

「前に学校に迎えに来たけど…あんなぱっとしない奴のどこがいいの?」

気付いたら、そんなことを訊いていた。

「―レアは優しいんだよ。
前ね、私の家猫飼ってるんだけど、
お母さんがダメだって、拾ってきたら言ったの。
でもね、レアが説得してくれて、『ティアナだったら面倒見れる。優しいって信じてるから』って言ってくれたの。その猫にレアって名前つけたら、段々見る度にレアの事を、考えるようになって…
何だかんだ言いながら。レアは、いつもおやつを買ってきて、私が飼ってる猫なのに、自分の猫みたいに可愛がってて。あ、可愛いって、気が付いたら、レアの事好きになってた。たまに意地悪は言うけど、レアは可愛いし、とってもカッコイイところもあるんだよ。」

自分の中の何かが、苛立っていた。そんなの、俺が説得しても良かったし、自分だって可愛がる。
キラキラ輝く赤い目は、レアだけが映っていた。そんな気持ちが、手を離す気を完全になくさせてくれた。

「ふぅん?」
「だから、誤解されたくないから。手を…離して?」
「嫌だね。なんだかんだ言って、今は一時の年上の男に惹かれてるだけじゃん。
ー同い年の方が都合がいいよ?」

片方の手を絡めて、目線を片手で顎を持ち、こっちに強引に振り向かせた。

「―俺は、ティアナさんが好きだよ」

極上の甘い言葉を、耳元で囁く。

ティアナさんは、どんな表情をしてるんだろう。

そう、自分の方がドキドキしてしまった。
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