1 / 44
えっ?ここは何処?
しおりを挟む
.........うぃっくしゅん!!
可愛くない自分のくしゃみで目が覚めた。朝靄に包まれ視界があまり良く無いが、庭園のような場所に何故か倒れていたようだ。
「寒っ!ってここは何処!?」
自分の姿を良く見てみると、裸足で見たことの無い薄紫色のドレスを着ている。他には何も身につけていなかった。
(何で外で寝てるの?・・・あれっ?よく見たらこのドレス見たことあるかも?)
胸元の薄紫色から裾先の紫色まで艶やかなグランデーションになるようにレースがつけられており、一目で高価なドレスとわかる。
どこで見たか思い出せず、首を傾げたがとりあえずそのことを考えるのは後にした。
確か昨日は、荷物を整理していつ追放処分になってもいいように片付けていた。
卒業式の舞踏会が終わって、婚約破棄の正式な通達をジレジレしながら待っていた。5日たっても、お父様は王宮から帰って来ず、自宅謹慎を言い渡されたまま何も進展が無かった。
(ゲームでは、舞踏会で追放処分or修道院行きが言い渡されて速攻連れ去られたけど…。現実はそうは行かなかった。連れ去られたのは、私じゃなくてヒロインと攻略対象者たちの方だった。皆、今どこにいるのかしら?)
物思いに耽っていた時、うなじに痛みを感じて首の後ろに手を当てた直後、意識が真っ暗になったのだった。
で、気づいたらここにいた・・・どっどういうこと‼ここは何処なの?!
周りを見回したら遊歩道があった。辿っていけば誰かに会えるかもしれない。私はゆっくり進んでみることにした。
しばらく進んでも人の気配がしない。仄かに嗅いだことのある薔薇の香りがするって思ったら、裸足で薔薇の茎を踏んでしまった。
(痛っ!)言葉もなく蹲る。
薔薇の棘は地味に痛い。ハンカチもなく傷口を抑える物がない。
(このドレス破いて包帯代わりにしようかしら?でも新しいドレスのようだし、よく思い出せないけど特別なドレスだった気がする・・・)
足は痛いし、自分の状況も分からず心細くて泣きたくなる。仕方が無いので、朝靄がはれるまで待つことにした。
(もしかして、私、寝てる間に追放処分とされたのかしら?それにしても着の身着のまま、裸足は酷いわ)
不安な気持ちがネガティブな考えを加速させていく(王子がキレて強行手段に出たのかしら?でも、お父様も陛下も許すはずがないし・・・)
鬱々とする気分とは逆に、朝日が徐々に朝靄を晴らしていく。遠くで人の声が微かに聞こえてきた。(誰かいるみたい!行ってみよう!)
足の裏の痛みでふらつく足を引きずりながら、ゆっくりと歩いていった。
辿り着いたのは大きな建物の近くだった。
複数のメイド達が、朝の仕事に追われているようだった。
「あの、少しよろしくて?」
不審者に思われないかな?と少し心配しながら、遠慮がちに声をかけてみる。
すると、私の姿を見たメイドが泡を吹いて倒れた!
「えっ?だっ大丈夫?」
私の声を聞いた別のメイドも倒れた!
その様子を見た若いメイドが悲鳴をあげて叫んだ。「きゃーあああ!ゆっ幽霊っ助けてー‼」
叫びながら、何処かに走り去っていく。
あまりの状況に呆然とする。幽霊って私のこと?ええっ?私生きてますけど・・・、、、?
ここはいったい何処ですか?!
可愛くない自分のくしゃみで目が覚めた。朝靄に包まれ視界があまり良く無いが、庭園のような場所に何故か倒れていたようだ。
「寒っ!ってここは何処!?」
自分の姿を良く見てみると、裸足で見たことの無い薄紫色のドレスを着ている。他には何も身につけていなかった。
(何で外で寝てるの?・・・あれっ?よく見たらこのドレス見たことあるかも?)
胸元の薄紫色から裾先の紫色まで艶やかなグランデーションになるようにレースがつけられており、一目で高価なドレスとわかる。
どこで見たか思い出せず、首を傾げたがとりあえずそのことを考えるのは後にした。
確か昨日は、荷物を整理していつ追放処分になってもいいように片付けていた。
卒業式の舞踏会が終わって、婚約破棄の正式な通達をジレジレしながら待っていた。5日たっても、お父様は王宮から帰って来ず、自宅謹慎を言い渡されたまま何も進展が無かった。
(ゲームでは、舞踏会で追放処分or修道院行きが言い渡されて速攻連れ去られたけど…。現実はそうは行かなかった。連れ去られたのは、私じゃなくてヒロインと攻略対象者たちの方だった。皆、今どこにいるのかしら?)
物思いに耽っていた時、うなじに痛みを感じて首の後ろに手を当てた直後、意識が真っ暗になったのだった。
で、気づいたらここにいた・・・どっどういうこと‼ここは何処なの?!
周りを見回したら遊歩道があった。辿っていけば誰かに会えるかもしれない。私はゆっくり進んでみることにした。
しばらく進んでも人の気配がしない。仄かに嗅いだことのある薔薇の香りがするって思ったら、裸足で薔薇の茎を踏んでしまった。
(痛っ!)言葉もなく蹲る。
薔薇の棘は地味に痛い。ハンカチもなく傷口を抑える物がない。
(このドレス破いて包帯代わりにしようかしら?でも新しいドレスのようだし、よく思い出せないけど特別なドレスだった気がする・・・)
足は痛いし、自分の状況も分からず心細くて泣きたくなる。仕方が無いので、朝靄がはれるまで待つことにした。
(もしかして、私、寝てる間に追放処分とされたのかしら?それにしても着の身着のまま、裸足は酷いわ)
不安な気持ちがネガティブな考えを加速させていく(王子がキレて強行手段に出たのかしら?でも、お父様も陛下も許すはずがないし・・・)
鬱々とする気分とは逆に、朝日が徐々に朝靄を晴らしていく。遠くで人の声が微かに聞こえてきた。(誰かいるみたい!行ってみよう!)
足の裏の痛みでふらつく足を引きずりながら、ゆっくりと歩いていった。
辿り着いたのは大きな建物の近くだった。
複数のメイド達が、朝の仕事に追われているようだった。
「あの、少しよろしくて?」
不審者に思われないかな?と少し心配しながら、遠慮がちに声をかけてみる。
すると、私の姿を見たメイドが泡を吹いて倒れた!
「えっ?だっ大丈夫?」
私の声を聞いた別のメイドも倒れた!
その様子を見た若いメイドが悲鳴をあげて叫んだ。「きゃーあああ!ゆっ幽霊っ助けてー‼」
叫びながら、何処かに走り去っていく。
あまりの状況に呆然とする。幽霊って私のこと?ええっ?私生きてますけど・・・、、、?
ここはいったい何処ですか?!
32
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
モブ令嬢、当て馬の恋を応援する
みるくコーヒー
恋愛
侯爵令嬢であるレアルチアは、7歳のある日母に連れられたお茶会で前世の記憶を取り戻し、この世界が概要だけ見た少女マンガの世界であることに気づく。元々、当て馬キャラが大好きな彼女の野望はその瞬間から始まった。必ずや私が当て馬な彼の恋を応援し成就させてみせます!!!と、彼女が暴走する裏側で当て馬キャラのジゼルはレアルチアを囲っていく。ただしアプローチには微塵も気づかれない。噛み合わない2人のすれ違いな恋物語。
悪役令嬢が行方不明!?
mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。
※初めての悪役令嬢物です。
あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
うちの大公妃は肥満専攻です!
ariya
恋愛
ルドヴィカは一度目の人生を虚しく終える時に神に願った。
神様、私を憐れむならどうか次の生は大事な方を守れるだけの知識と力を与えてください。
そして彼女は二度目の人生を現代日本で過ごす。
内科医として充実な人生を送っていたが、不慮の事故によりあえなく命を落とす。
そして目覚めた時は一度目の生の起点となった婚約破棄の場であった。
------------------------------------
※突然イメージ画像が挿絵で出ることがあります。
※ストーリー内に出しているのはなんちゃって医学です。軽く調べて、脚色を加えているので現実と異なります。調べたい方、気になる方は該当学会HPなどで調べることをおすすめします。
※※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる