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飢えたケモノはただひたすらに待ち続ける
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「遅いな、いっちゃん」
大和は日が暮れても帰ってこない樹を心配し、屋敷の前で樹の帰りを待ち続けた。
何度画面を見たところで、一向に樹からの返信が来たという通知はこない。マナーモードにしてはいないのだから、返信が来れば音が鳴る。そんなこと頭ではわかっていても何度も携帯の画面を確認せずにはいられなかった。
もう迎えに行ってしまおうかと何度も思ったが、その度に大和は思いとどまった。
今日で最後のチャンスなのだ。
かわいいかわいいいっちゃんが、樹が幸せになる本当に最後のチャンス。
一度俺と契りを交わしてしまえば、二度と樹と勇樹が結ばれることなどない。
そして、俺の歯止めももう効かなくなってしまう。
ずっとずっと手に入れたかったものが手に入るんだと思ったらもうそれは理性でさえも俺のことを抑えられはしない。
俺は獣に成り下がる。ただひたすらに樹を求め続ける。
だから、だからどうか、俺がヒトであるうちに幸せになってほしい。
暗い画面を見つめながら大和は説に願った。
樹はもう諦めた気でいるのかも知れないが、大和には樹が勇樹のことを諦められていないことなんて気付いていた。
何年一緒にいると思っているんだ。
大和が初めて樹の発情期に遭遇した時、大和が何を思ったのか樹は知らないのだろう。
「ああ、食べてしまいたい」
ぐちゃぐちゃにして食べてしまえば、誰も樹のことを欲さない――自分だけのものにできるってそう思った。
だから、知っている。
何かを欲する目を、気持ちを、身体を――全てを大和は知っている。
そしてそれを我慢することがどれだけつらいかってことも。
「ただ……いま」
「いっちゃん!」
ぼそぼそとつぶやくような声が耳に入った途端、大和はその声の主が樹であることが瞬時に分かった。
大和は携帯とにらめっこし続け、もうとうに冷えていた体で樹を抱きしめる。
自分よりも温かい樹から体温を奪ってしまうことなんて気にせず、ただ樹が自分のもとに帰ってきてくれた、その事実がとても嬉しかった。
「…………ん。……………………ん」
「いっちゃん? ごめん、よく聞こえなかった」
「…………めん」
「え?」
「ごめん」
「ど、どうしたの、いっちゃん」
「ごめん」
「ねえ、いっちゃん!」
初めは途切れ途切れに。
だが回数が増すごとに確かに大和の耳に残る『ごめん』という謝罪を表す言葉。
大和は腕の中にある樹の顔を無理やり上に向けた。
『ごめん』と言い続ける樹の目は大和のことなど見てはいなかった。
ただ、見えない何かに懺悔しているような、そんな虚空をただひたすらに見つめる目だった。
何度揺さぶってもその目は樹を見ることはない。
ただひたすらに『ごめん』と言葉を吐くばかり。
大和は樹の手の中にある荷物を奪い取った。持っていたというよりも指に引っかかっていたのではないかと思えるほどに簡単にそれはとることが出来た。そして門の中に投げ込むと同時に叫んだ。
「中村さん!」
「はい」
「それ、よろしく」
「かしこまりました」
投げたのは邪魔だからという理由よりもいち早く樹から離れた場所に置きたいという気持ちの方が大きかったそれは大和の思いが通じたかのように男の手によってどこかに運ばれていった。
そして大和はやはり動かない樹の背中と膝に手を入れ、身体の前に抱えた。
昔、一度だけしなやかな身体の樹に身を任せてもらいたいと思ったことがある。
それは男として、アルファとして信頼してもらいたいという気持ちだったのか、樹を独占しているところを誰かに見せつけたいという気持ちだったのか確かにあったはずのその感情は今ではもうすっかり忘れてしまった。
どこからか物音はするのに一度も誰ともすれ違うことなく長い廊下を抜け、部屋の戸を足でスライドさせ、ベッドに下す。
運んでいる間も、下した今も樹が発する言葉は変わらない。
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん」
ただそれだけを発し続ける。
「いっちゃん、大丈夫だからね」
大和は震えている樹を抱きしめ、樹の手を自分の頭に乗せた。
幼いころ、毛先がクルクルっと丸まっている大和の髪をなでるのが好きだといった樹にここにいる存在が誰なのかを認識させるために。
「やま……と?」
「いっちゃん!」
ようやく樹が違う言葉を口にしたのは、屋敷中から一切の物音がしなくなってからのことだった。
「よかった……」
「大和、ごめんな」
「いっちゃん、謝んなくていいんだよ」
初めは分からなかった謝罪の理由も抱きしめた時にはすべてわかってしまった。
樹の絹のような肌には触れただけで分かるほどに誰かに求められた跡――樹が大和以外を選んだことの証明がくっきりと残っていた。
それは仕方のないことだと、当然のことなのだと大和は自分に言い聞かせた。
もともと金城家のルールは卒業するまでに相手を見つけることだ。卒業式も例外ではない。
だから樹は何も悪くないのだ。
樹は約束の通り、自分で番を見つけたに過ぎない。
だから、謝る理由も本当はない。
何度も頭の中で反芻しながら、口では大丈夫だと繰り返す。
樹に言い聞かせるように。
自分に言い聞かせるように。
何度も何度も繰り返す。
それは樹が『ごめん』と繰り返し続けたように。
「なぁ……大和。俺は、お前と番にはなれないんだ」
「そっか……。勇樹と、幸せに……ね」
この言葉を聞いた時、俺は悲しみよりも憎しみよりも、他のどんな感情よりも先に歓喜の感情がやってきた。それは感情の表面のわずか1cmにも満たないほどで、それを取り除いてしまえばきっと樹の目に入れるには汚れすぎてしまったものしか残らない。
それでも大和はわずかに表面にあるその感情だけを掬い取って樹に向けた。
「ごめんな」
「いいんだ。いっちゃんさえ幸せになってくれれば、それで俺は……」
「ごめん」
「いっちゃん?」
樹の様子がおかしいと樹の顔を覗き込んだ大和は謝罪の言葉は自分だけが幸せになることに対しての言葉ではないことを悟った。
樹の顔はこれから幸せになる人のそれではない、真逆の顔をしていた。
全てを、考えることすら放棄してしまったような、何度か訪れた父の勤める病院でたまに目にするようなそんな顔だった。
「いっちゃん! ねえ、いっちゃん」
大和は再び口を開くことをやめた樹を何度も揺さぶった。
「いっちゃん! 何で、何でだよ」
まるでお菓子を我慢できない駄々っ子のように大和は樹にすがるように抱き着いた。
「いっちゃん、いっちゃん、いっちゃん、いっちゃん」
温かいものを頭に感じ、上を見上げるとそこには無理やり口角をあげる樹の笑顔があった。
そんなのいっちゃんじゃない!って言ってやりたかったがそれは樹のせめてもの顔なのだと、大和は必至でそのオトが外に出ないように唇をかみしめた。
「捨てられたんだ」
「え?」
「ああ、少し違うか。あいつは俺を番だとは思っていない」
「……」
大和は耳を疑った。
番になったはずのアルファがオメガを捨てるなんて、勇樹が樹のことを捨てるなんてそんなことありえないと思っていた。それでも大和には樹の言葉を疑うことはできなかった。
「夢、だって思い込んでいる。いや、思い込もうとしていた。そんなあいつに番であることを強要することなんて……できるはずない…………」
「じゃあ、じゃあ! いっちゃんはどうなるのさ! オメガは、アルファに捨てられたオメガは……」
「わかっているさ。だから、ここを去ろうと思うんだ」
「!?」
「俺はアルファに捨てられた金城家の恥知らずだ」
「いっちゃん!」
「だから、ごめん。俺は……もうここには、いられない」
一度目は勇樹のために自分の感情を捨てた。そして今度は家のために自分を捨てるという。
なぜここまで人のことを考えられるのか、人のことしか考えられないのか大和には理解ができなかった。
そしてそれと同時に大和の中で長い時間をかけて大きくなりすぎた一つの感情は、もう大和には抑えきれなくなった。
「……それ、は……ばれなければ、いいんだよね」
「え?」
「捨てられたって、勇樹と番になったってばれなければいいんだよね」
「そう……だけど」
「だったら、俺の番のふりをすればいい」
「……そしたら、そしたらお前は!」
「いいよ、俺は番なんていらない。いっちゃんが幸せならそれでいいんだ」
「……」
「ねえ、いっちゃん。幸せになってよ」
お気に入りのお菓子のように、自分以外の誰にも見えない場所に隠してしまえばきっと誰も欲さない。
何よりも甘い甘いお菓子を手に入れたケモノはもう二度と掴んだ手を離すことはない。
大和は日が暮れても帰ってこない樹を心配し、屋敷の前で樹の帰りを待ち続けた。
何度画面を見たところで、一向に樹からの返信が来たという通知はこない。マナーモードにしてはいないのだから、返信が来れば音が鳴る。そんなこと頭ではわかっていても何度も携帯の画面を確認せずにはいられなかった。
もう迎えに行ってしまおうかと何度も思ったが、その度に大和は思いとどまった。
今日で最後のチャンスなのだ。
かわいいかわいいいっちゃんが、樹が幸せになる本当に最後のチャンス。
一度俺と契りを交わしてしまえば、二度と樹と勇樹が結ばれることなどない。
そして、俺の歯止めももう効かなくなってしまう。
ずっとずっと手に入れたかったものが手に入るんだと思ったらもうそれは理性でさえも俺のことを抑えられはしない。
俺は獣に成り下がる。ただひたすらに樹を求め続ける。
だから、だからどうか、俺がヒトであるうちに幸せになってほしい。
暗い画面を見つめながら大和は説に願った。
樹はもう諦めた気でいるのかも知れないが、大和には樹が勇樹のことを諦められていないことなんて気付いていた。
何年一緒にいると思っているんだ。
大和が初めて樹の発情期に遭遇した時、大和が何を思ったのか樹は知らないのだろう。
「ああ、食べてしまいたい」
ぐちゃぐちゃにして食べてしまえば、誰も樹のことを欲さない――自分だけのものにできるってそう思った。
だから、知っている。
何かを欲する目を、気持ちを、身体を――全てを大和は知っている。
そしてそれを我慢することがどれだけつらいかってことも。
「ただ……いま」
「いっちゃん!」
ぼそぼそとつぶやくような声が耳に入った途端、大和はその声の主が樹であることが瞬時に分かった。
大和は携帯とにらめっこし続け、もうとうに冷えていた体で樹を抱きしめる。
自分よりも温かい樹から体温を奪ってしまうことなんて気にせず、ただ樹が自分のもとに帰ってきてくれた、その事実がとても嬉しかった。
「…………ん。……………………ん」
「いっちゃん? ごめん、よく聞こえなかった」
「…………めん」
「え?」
「ごめん」
「ど、どうしたの、いっちゃん」
「ごめん」
「ねえ、いっちゃん!」
初めは途切れ途切れに。
だが回数が増すごとに確かに大和の耳に残る『ごめん』という謝罪を表す言葉。
大和は腕の中にある樹の顔を無理やり上に向けた。
『ごめん』と言い続ける樹の目は大和のことなど見てはいなかった。
ただ、見えない何かに懺悔しているような、そんな虚空をただひたすらに見つめる目だった。
何度揺さぶってもその目は樹を見ることはない。
ただひたすらに『ごめん』と言葉を吐くばかり。
大和は樹の手の中にある荷物を奪い取った。持っていたというよりも指に引っかかっていたのではないかと思えるほどに簡単にそれはとることが出来た。そして門の中に投げ込むと同時に叫んだ。
「中村さん!」
「はい」
「それ、よろしく」
「かしこまりました」
投げたのは邪魔だからという理由よりもいち早く樹から離れた場所に置きたいという気持ちの方が大きかったそれは大和の思いが通じたかのように男の手によってどこかに運ばれていった。
そして大和はやはり動かない樹の背中と膝に手を入れ、身体の前に抱えた。
昔、一度だけしなやかな身体の樹に身を任せてもらいたいと思ったことがある。
それは男として、アルファとして信頼してもらいたいという気持ちだったのか、樹を独占しているところを誰かに見せつけたいという気持ちだったのか確かにあったはずのその感情は今ではもうすっかり忘れてしまった。
どこからか物音はするのに一度も誰ともすれ違うことなく長い廊下を抜け、部屋の戸を足でスライドさせ、ベッドに下す。
運んでいる間も、下した今も樹が発する言葉は変わらない。
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん」
ただそれだけを発し続ける。
「いっちゃん、大丈夫だからね」
大和は震えている樹を抱きしめ、樹の手を自分の頭に乗せた。
幼いころ、毛先がクルクルっと丸まっている大和の髪をなでるのが好きだといった樹にここにいる存在が誰なのかを認識させるために。
「やま……と?」
「いっちゃん!」
ようやく樹が違う言葉を口にしたのは、屋敷中から一切の物音がしなくなってからのことだった。
「よかった……」
「大和、ごめんな」
「いっちゃん、謝んなくていいんだよ」
初めは分からなかった謝罪の理由も抱きしめた時にはすべてわかってしまった。
樹の絹のような肌には触れただけで分かるほどに誰かに求められた跡――樹が大和以外を選んだことの証明がくっきりと残っていた。
それは仕方のないことだと、当然のことなのだと大和は自分に言い聞かせた。
もともと金城家のルールは卒業するまでに相手を見つけることだ。卒業式も例外ではない。
だから樹は何も悪くないのだ。
樹は約束の通り、自分で番を見つけたに過ぎない。
だから、謝る理由も本当はない。
何度も頭の中で反芻しながら、口では大丈夫だと繰り返す。
樹に言い聞かせるように。
自分に言い聞かせるように。
何度も何度も繰り返す。
それは樹が『ごめん』と繰り返し続けたように。
「なぁ……大和。俺は、お前と番にはなれないんだ」
「そっか……。勇樹と、幸せに……ね」
この言葉を聞いた時、俺は悲しみよりも憎しみよりも、他のどんな感情よりも先に歓喜の感情がやってきた。それは感情の表面のわずか1cmにも満たないほどで、それを取り除いてしまえばきっと樹の目に入れるには汚れすぎてしまったものしか残らない。
それでも大和はわずかに表面にあるその感情だけを掬い取って樹に向けた。
「ごめんな」
「いいんだ。いっちゃんさえ幸せになってくれれば、それで俺は……」
「ごめん」
「いっちゃん?」
樹の様子がおかしいと樹の顔を覗き込んだ大和は謝罪の言葉は自分だけが幸せになることに対しての言葉ではないことを悟った。
樹の顔はこれから幸せになる人のそれではない、真逆の顔をしていた。
全てを、考えることすら放棄してしまったような、何度か訪れた父の勤める病院でたまに目にするようなそんな顔だった。
「いっちゃん! ねえ、いっちゃん」
大和は再び口を開くことをやめた樹を何度も揺さぶった。
「いっちゃん! 何で、何でだよ」
まるでお菓子を我慢できない駄々っ子のように大和は樹にすがるように抱き着いた。
「いっちゃん、いっちゃん、いっちゃん、いっちゃん」
温かいものを頭に感じ、上を見上げるとそこには無理やり口角をあげる樹の笑顔があった。
そんなのいっちゃんじゃない!って言ってやりたかったがそれは樹のせめてもの顔なのだと、大和は必至でそのオトが外に出ないように唇をかみしめた。
「捨てられたんだ」
「え?」
「ああ、少し違うか。あいつは俺を番だとは思っていない」
「……」
大和は耳を疑った。
番になったはずのアルファがオメガを捨てるなんて、勇樹が樹のことを捨てるなんてそんなことありえないと思っていた。それでも大和には樹の言葉を疑うことはできなかった。
「夢、だって思い込んでいる。いや、思い込もうとしていた。そんなあいつに番であることを強要することなんて……できるはずない…………」
「じゃあ、じゃあ! いっちゃんはどうなるのさ! オメガは、アルファに捨てられたオメガは……」
「わかっているさ。だから、ここを去ろうと思うんだ」
「!?」
「俺はアルファに捨てられた金城家の恥知らずだ」
「いっちゃん!」
「だから、ごめん。俺は……もうここには、いられない」
一度目は勇樹のために自分の感情を捨てた。そして今度は家のために自分を捨てるという。
なぜここまで人のことを考えられるのか、人のことしか考えられないのか大和には理解ができなかった。
そしてそれと同時に大和の中で長い時間をかけて大きくなりすぎた一つの感情は、もう大和には抑えきれなくなった。
「……それ、は……ばれなければ、いいんだよね」
「え?」
「捨てられたって、勇樹と番になったってばれなければいいんだよね」
「そう……だけど」
「だったら、俺の番のふりをすればいい」
「……そしたら、そしたらお前は!」
「いいよ、俺は番なんていらない。いっちゃんが幸せならそれでいいんだ」
「……」
「ねえ、いっちゃん。幸せになってよ」
お気に入りのお菓子のように、自分以外の誰にも見えない場所に隠してしまえばきっと誰も欲さない。
何よりも甘い甘いお菓子を手に入れたケモノはもう二度と掴んだ手を離すことはない。
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