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1st season 第四章
076 守護の神殿
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うん、やばい。
ボランティアとか宗教に一所懸命になる人の気持ち、ちょっとわかったな。
武装作るのもハマるけど、善い事をしてると思うと、ふつふつと全能感が湧いてくる。
『今なら俺、なんでも出来るぜ!』
的な。
そして全能感はあるんだけど、実際は全能じゃ無いのが悲しいところ・・・。
構想一ヶ月、建造半年。
『神殿作ってたらラブホが出来た件』
フェラーリ・レッドのパルテノン神殿に、水と光の魔道具大量投入でイリュージョン。
王都から取り寄せたステンドグラスをシコシコ削って、カラースポットライトとか作った。
祭壇とベッド入れ替えたら間違いなく高級ラブホだ。
スロットマシーンに替えたらラスベガスでもイケる。
っていうか赤の塗料死ぬほど高かった・・・。
いいのかな?これ?
「いやぁ~、完全に想像を超えて来ましたねぇ~カインさん」
「・・・派手すぎ・・・ですよね?」
「いやいやこの世界には無いセンス、私は好きですよ!これはもう絶対みんな羨ましがりますっ!」
「あっ、あの、宜しいでしょうか?ホルジス神様」
「ふむ。この街の領主さんかな?始めまして~」
「はっ。この街を治めさせて頂いているエイブル・フォン・クルスタットと申します。ホルジス神様に拝謁の栄誉、感激の極みでありますっ!」
「クルスタットさんですね。あまり堅苦しくし無いでいいですよ~」
「クルスタット様が全面支援して下さいましたので、街の一番良い場所を確保できたんですよ」
「いやいや、それはありがとう。クルスタットさん、感謝します」
「勿体無いお言葉!神殿と街の存続に、身命掛けて打ち込んで参ります!」
「いやぁ~、カインさん、真面目な人が多そうな街ですね~」
「ええ、住みやすくていい所ですよ。屋台の多い広場ですから、お供えも楽しんで下さい」
「それはそれは。あ、何はともあれ例の魔族さん、コンタクトしましたよ」
「!」
「結論から言うと、スタンピードは意図的なものでは無かったようです。大規模長距離転移魔法が理論上組み上がったので、失敗しても問題にならなそうなダンジョン同士で実験してみたところが、溢れ出しちゃってアタフタして逃げた・・・という感じですね」
「はた迷惑な奴ですね~。でも悪い人?悪い魔?では無さそうですね」
「ええ。特に空間魔法は色々とインフラを破壊しかねないですから、今後も研究はしていいけど、実験の前に相談するよう約束してもらいました」
「それは良かった」
「そんなわけで西のダンジョンの監視体制は解除になりました」
「これで我々も一安心ですね。ありがとうございました」
「いやぁ、これだけ立派な神殿建ててもらっちゃったのに、差し迫った危機じゃ無くてなんだか申し訳ない」
「いえいえ、ホルジス様が魔族に釘をさして下さったからこその安心です。それにこの一回だけでなく、永い年月を世界の保守に費やして頂いているわけで、この神殿も皆からのささやかなお礼ですから」
「ふむ。『今日も変わらず大地が有り、見上げればそこに空がある。我らはそれに感謝する』ですか・・・。我々の苦労をとても良くご理解頂けているようだ。気に入りましたよ!」
「で、なんですが・・・こんだけ大勢集まっちゃったんで、何か訓示?的なものをお願いできないかと・・・急ですみません」
「いやぁ、そうなりますよね。大勢の前で神託を下ろすなんって何時ぶりでしょうか。緊張しちゃうなぁ~」
ラブホのテラスから神託を下ろすホルジス様・・・なんかスマン。
「聞けっ!エルダーサの民よ!我が名はホルジス、この世界の守護を司る神なり!」
どよどよどよどよ
「今日はひとつ、真理を明かそう!我ら神の役割は、お前たち一人ひとりの幸福を叶えることでは無いっ!」
ざわざわっ ざわざわっ
「今お前たちが跪いている大地、その大地が裂けぬよう、お前たちが仰ぐ大空、その空が落ちぬよう、それを支える事こそ我らの使命!」
おおおおっ
「だが、それにはお前たちの祈りが必要だ!信仰の力が届かなくなれば、我らは空を支えられぬ!」
・・・
「無論、幸せを願うなとは言わん。それに応える役割の神も居る。だが忘れてはならんっ!明日も陽が昇ることが、決して当たり前では無いという事を!それを忘れた時、世界は終わる!」
ざわざわっ ざわざわっ
「良いな民よ?わからぬ事があれば、このロックハウスのカインに聞け。我らはお前たちの安寧を願っている」
おおおおおおっ パチパチパチパチ
ホルジス様ぁぁぁぁぁ、予告なくぶっ込んできたぁぁぁ。
「ちょっ、ホルジス様っ!預言者役丸投げとか聞いてないんですけどっ!」
「いやっ、ほら、カインさんならね、私利私欲に走ったりしないじゃないですか?既に全部持ってるわけだし?そういう人がトップじゃないとね?信者の品格的なのって、やっぱり気になるじゃないですか?」
「ホルジス様、それはロックハウス卿をホルジス教の教皇にお命じになると?」
「ふむ。そういう事に・・・なりましたね?」
「ホルジス様ぁぁぁぁぁぁ」
「まぁまぁ、カインさん、平和に生きるための後ろ盾としてこれ以上無いじゃないですか?むしろ自分が後ろ盾?ははは、面白い土産話できちゃったなぁ~」
「しかと賜りました。このエイブル・フォン・クルスタット、全力でロックハウス教皇猊下をお支えいたしますっ!」
「あれ?あれれれ?」
「実はコレ、上からの含みもあるんですよ。ほら、対象のズレた信仰よりも、正規ルートの方が信仰力の収集効率いいじゃないですか?そうすると神界の抜本的な予算改革に効果が期待できるって事で、ひとつ、よろしくおねがいしますよ~」
「はぁ~、これは全く予想してませんでした。大丈夫なんですか?ハーレム&性奴隷持ちの教皇とか?品位的に?」
「ははは、神界なんてもっとトンデモナイですから。全然問題ないですね」
「・・・わかりました。ホルジス様にはめちゃめちゃお世話になってますから、謹んで拝命させて頂きます」
「いやぁ~良かった。これ、うちも来期予算増えちゃうなぁ~、監視スポット増やしちゃおうかなぁ~。あ、じゃ、さっそく戻って報告上げてきますね。これからは頻繁にお話出来ますんで。おみやげ、みんなでありがたくご馳走になります~」
・・・
「アンタ、今ので教皇になったの?」
ボランティアとか宗教に一所懸命になる人の気持ち、ちょっとわかったな。
武装作るのもハマるけど、善い事をしてると思うと、ふつふつと全能感が湧いてくる。
『今なら俺、なんでも出来るぜ!』
的な。
そして全能感はあるんだけど、実際は全能じゃ無いのが悲しいところ・・・。
構想一ヶ月、建造半年。
『神殿作ってたらラブホが出来た件』
フェラーリ・レッドのパルテノン神殿に、水と光の魔道具大量投入でイリュージョン。
王都から取り寄せたステンドグラスをシコシコ削って、カラースポットライトとか作った。
祭壇とベッド入れ替えたら間違いなく高級ラブホだ。
スロットマシーンに替えたらラスベガスでもイケる。
っていうか赤の塗料死ぬほど高かった・・・。
いいのかな?これ?
「いやぁ~、完全に想像を超えて来ましたねぇ~カインさん」
「・・・派手すぎ・・・ですよね?」
「いやいやこの世界には無いセンス、私は好きですよ!これはもう絶対みんな羨ましがりますっ!」
「あっ、あの、宜しいでしょうか?ホルジス神様」
「ふむ。この街の領主さんかな?始めまして~」
「はっ。この街を治めさせて頂いているエイブル・フォン・クルスタットと申します。ホルジス神様に拝謁の栄誉、感激の極みでありますっ!」
「クルスタットさんですね。あまり堅苦しくし無いでいいですよ~」
「クルスタット様が全面支援して下さいましたので、街の一番良い場所を確保できたんですよ」
「いやいや、それはありがとう。クルスタットさん、感謝します」
「勿体無いお言葉!神殿と街の存続に、身命掛けて打ち込んで参ります!」
「いやぁ~、カインさん、真面目な人が多そうな街ですね~」
「ええ、住みやすくていい所ですよ。屋台の多い広場ですから、お供えも楽しんで下さい」
「それはそれは。あ、何はともあれ例の魔族さん、コンタクトしましたよ」
「!」
「結論から言うと、スタンピードは意図的なものでは無かったようです。大規模長距離転移魔法が理論上組み上がったので、失敗しても問題にならなそうなダンジョン同士で実験してみたところが、溢れ出しちゃってアタフタして逃げた・・・という感じですね」
「はた迷惑な奴ですね~。でも悪い人?悪い魔?では無さそうですね」
「ええ。特に空間魔法は色々とインフラを破壊しかねないですから、今後も研究はしていいけど、実験の前に相談するよう約束してもらいました」
「それは良かった」
「そんなわけで西のダンジョンの監視体制は解除になりました」
「これで我々も一安心ですね。ありがとうございました」
「いやぁ、これだけ立派な神殿建ててもらっちゃったのに、差し迫った危機じゃ無くてなんだか申し訳ない」
「いえいえ、ホルジス様が魔族に釘をさして下さったからこその安心です。それにこの一回だけでなく、永い年月を世界の保守に費やして頂いているわけで、この神殿も皆からのささやかなお礼ですから」
「ふむ。『今日も変わらず大地が有り、見上げればそこに空がある。我らはそれに感謝する』ですか・・・。我々の苦労をとても良くご理解頂けているようだ。気に入りましたよ!」
「で、なんですが・・・こんだけ大勢集まっちゃったんで、何か訓示?的なものをお願いできないかと・・・急ですみません」
「いやぁ、そうなりますよね。大勢の前で神託を下ろすなんって何時ぶりでしょうか。緊張しちゃうなぁ~」
ラブホのテラスから神託を下ろすホルジス様・・・なんかスマン。
「聞けっ!エルダーサの民よ!我が名はホルジス、この世界の守護を司る神なり!」
どよどよどよどよ
「今日はひとつ、真理を明かそう!我ら神の役割は、お前たち一人ひとりの幸福を叶えることでは無いっ!」
ざわざわっ ざわざわっ
「今お前たちが跪いている大地、その大地が裂けぬよう、お前たちが仰ぐ大空、その空が落ちぬよう、それを支える事こそ我らの使命!」
おおおおっ
「だが、それにはお前たちの祈りが必要だ!信仰の力が届かなくなれば、我らは空を支えられぬ!」
・・・
「無論、幸せを願うなとは言わん。それに応える役割の神も居る。だが忘れてはならんっ!明日も陽が昇ることが、決して当たり前では無いという事を!それを忘れた時、世界は終わる!」
ざわざわっ ざわざわっ
「良いな民よ?わからぬ事があれば、このロックハウスのカインに聞け。我らはお前たちの安寧を願っている」
おおおおおおっ パチパチパチパチ
ホルジス様ぁぁぁぁぁ、予告なくぶっ込んできたぁぁぁ。
「ちょっ、ホルジス様っ!預言者役丸投げとか聞いてないんですけどっ!」
「いやっ、ほら、カインさんならね、私利私欲に走ったりしないじゃないですか?既に全部持ってるわけだし?そういう人がトップじゃないとね?信者の品格的なのって、やっぱり気になるじゃないですか?」
「ホルジス様、それはロックハウス卿をホルジス教の教皇にお命じになると?」
「ふむ。そういう事に・・・なりましたね?」
「ホルジス様ぁぁぁぁぁぁ」
「まぁまぁ、カインさん、平和に生きるための後ろ盾としてこれ以上無いじゃないですか?むしろ自分が後ろ盾?ははは、面白い土産話できちゃったなぁ~」
「しかと賜りました。このエイブル・フォン・クルスタット、全力でロックハウス教皇猊下をお支えいたしますっ!」
「あれ?あれれれ?」
「実はコレ、上からの含みもあるんですよ。ほら、対象のズレた信仰よりも、正規ルートの方が信仰力の収集効率いいじゃないですか?そうすると神界の抜本的な予算改革に効果が期待できるって事で、ひとつ、よろしくおねがいしますよ~」
「はぁ~、これは全く予想してませんでした。大丈夫なんですか?ハーレム&性奴隷持ちの教皇とか?品位的に?」
「ははは、神界なんてもっとトンデモナイですから。全然問題ないですね」
「・・・わかりました。ホルジス様にはめちゃめちゃお世話になってますから、謹んで拝命させて頂きます」
「いやぁ~良かった。これ、うちも来期予算増えちゃうなぁ~、監視スポット増やしちゃおうかなぁ~。あ、じゃ、さっそく戻って報告上げてきますね。これからは頻繁にお話出来ますんで。おみやげ、みんなでありがたくご馳走になります~」
・・・
「アンタ、今ので教皇になったの?」
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