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私は、貴方の優しさに甘え過ぎていたのでしょう。に。
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出発してから2日。
予定通り順調に進んでいる私達は、今日は森の中での野宿となる。
テントを張り、寝床の準備をすれば、セシリー。とノア団長に呼ばれた。
「はい、なんでしょう?ノア団長。」
呼ばれて行けば、第1騎士団の人が毒蛇に咬まれたらしい。
毒消しのポーションは飲んだが、念の為治癒を、とのことだ。
なるほど。今回治癒特化の魔術師がいないと思っていたが、私の役目なのかと気付く。
ノア団長は、周囲を確認して来ると言って何処かに行った。
その背を見送り、咬まれた箇所を確認すれば、服の上からとは言え、結構な深さがあるように見えた。
「じゃあ、治癒していきますね。」
「あぁ、すまない。」
そう言って、足に手をかざす。
ボォゥと淡い光が傷の箇所を包めば、しばらくして傷が塞がる。
完全になくなったのを確認すると、光魔術を毒消しの効果に変える。
光は大きくなり、彼を包む。
十数秒ほどして、光がなくなった。
「すみません、ポーションを飲んだとは聞きましたが、消すのは早い方がいいかと毒消しの治癒もしました。」
「助かった、ありがとう。」
咬まれた箇所が痺れ始めたからヤバイと思ってた。
そう言って彼はあげていた裾を元に戻す。
「いえ。森は危険ですから。」
「そうだな。久しぶりすぎて油断していたよ。」
手間かけたな。と言う彼に、首を振れば、アレクサンダー団長が私を呼ぶ声が聞こえる。
一緒にいた彼に軽く頭を下げ、その場を離れれば、彼が手を振ってくれているのが見えた。
「セシリア、忙しい時にすまない。…夕食当番お願いできるか?」
「はい。えっと、材料は…。」
「あぁ、ここにあるのを使ってくれ。」
「え?何ですかコレ。初めて見ました。」
「セシリアもか。何でも王子の好物らしくて、さっきレオン団長が持ってきたんだ。」
何と言うことだ……。
あと一日待ってくれなかったのかと、あのナルシストを見れば、何か変なポーズを決めていた。
それを見なかったことにし、手元の食材に視線をうつす。
何かの肉だろうことはわかるが、どう調理したら分からない。
さて、どうしようか。と頭を悩ませていれば、ノア団長が現れた。
「どうしたのぉ?セシリー?」
「ノア団長!良いところに!」
この肉が何かわからず、どうしたら良いですか?と言う私に、その手元にある肉を見たノア団長は、ワニ肉じゃーん!珍しいねぇ。と言った。
「…え?ワニ?」
「うん、そうだよぉ。」
「ワニって…ワニ?」
「ん?うん、あの川にいるワニねぇ。」
低脂肪低カロリーで高たんぱく質だしぃ、コラーゲンも多いんだよー。と謎の肉知識を披露するノア団長だが、私はそれどころじゃない。
……ワニって、食べれるのか…。
その私の心情を察したかのように、ノア団長が、まぁ、この国ではあまり見かけないよねぇ。と言う。
それから、調理はノア団長に任せ、私はスープを担当する。
イキイキとワニ肉を調理するノア団長の手元を見れば、なにやらお洒落な料理に変化していた。
ノア団長が料理が得意なことは知ってはいたが、ここまでとは驚きだ。
「へぇ、ノア団長は凄いね。」
「ニコル王子!」
「でしょー?僕は天才だからねぇ。」
「ふふっ、そうだね。」
匂いにつられたのか、ニコル王子が登場し、ノア団長を褒めれば、どこから現れたのか、レオン団長が来る。
「何⁉︎俺より凄い奴がいるとは!よしっ!勝負だノア!ははっ!この俺の素晴らしさに平伏すことになるだろうがな!」
「今調理中なので無理ですー。他当たってくださーい。」
「ふっ、俺に負けるのが分かって勝負を投げたか…。やはり俺は強い男!レオン・フィリベルト!さすがは俺!」
ハハッ!見たかお前ら!
そう言って目の前にいるナルシストは、今すぐ気付いて欲しい。
我慢ができなくなってきたノア団長の、闇の魔力をためている左手に。
なんだかんだと色々あった2日目の野宿を終え、綺麗な青空が広がる中、私達は森を出発した。
時刻は9時過ぎ。
後3時間ほどで着くらしいとのことで、私の沈んでいた気分も少し高まるのが分かった。
「南の別荘地なんて久しぶりねぇ。」
私の斜め前を走っていたイリヤ副団長が、遠くに見える海を見ながらポツリと呟いた。
「イリヤ副団長は行かれたことがあるんですか?」
「えぇ。3年ほど前にね。その時は海にも入れたわよぉ。」
「え?海!行きたいです!」
「ふふっ、そうね。時間があったら行きましょう。」
別荘地に滞在するのはあまり長くなく、5日間の予定だ。
それまでに行けるだろうか?
あまり行くことがない水の世界。
私にとっては人生で2度目の海。
初めて行った時は、ノア団長と、…シャロン様も一緒だった。
あの時は楽しかったな……、と先頭の近いところを走る、その後ろ姿を見つめた。
予定通り順調に進んでいる私達は、今日は森の中での野宿となる。
テントを張り、寝床の準備をすれば、セシリー。とノア団長に呼ばれた。
「はい、なんでしょう?ノア団長。」
呼ばれて行けば、第1騎士団の人が毒蛇に咬まれたらしい。
毒消しのポーションは飲んだが、念の為治癒を、とのことだ。
なるほど。今回治癒特化の魔術師がいないと思っていたが、私の役目なのかと気付く。
ノア団長は、周囲を確認して来ると言って何処かに行った。
その背を見送り、咬まれた箇所を確認すれば、服の上からとは言え、結構な深さがあるように見えた。
「じゃあ、治癒していきますね。」
「あぁ、すまない。」
そう言って、足に手をかざす。
ボォゥと淡い光が傷の箇所を包めば、しばらくして傷が塞がる。
完全になくなったのを確認すると、光魔術を毒消しの効果に変える。
光は大きくなり、彼を包む。
十数秒ほどして、光がなくなった。
「すみません、ポーションを飲んだとは聞きましたが、消すのは早い方がいいかと毒消しの治癒もしました。」
「助かった、ありがとう。」
咬まれた箇所が痺れ始めたからヤバイと思ってた。
そう言って彼はあげていた裾を元に戻す。
「いえ。森は危険ですから。」
「そうだな。久しぶりすぎて油断していたよ。」
手間かけたな。と言う彼に、首を振れば、アレクサンダー団長が私を呼ぶ声が聞こえる。
一緒にいた彼に軽く頭を下げ、その場を離れれば、彼が手を振ってくれているのが見えた。
「セシリア、忙しい時にすまない。…夕食当番お願いできるか?」
「はい。えっと、材料は…。」
「あぁ、ここにあるのを使ってくれ。」
「え?何ですかコレ。初めて見ました。」
「セシリアもか。何でも王子の好物らしくて、さっきレオン団長が持ってきたんだ。」
何と言うことだ……。
あと一日待ってくれなかったのかと、あのナルシストを見れば、何か変なポーズを決めていた。
それを見なかったことにし、手元の食材に視線をうつす。
何かの肉だろうことはわかるが、どう調理したら分からない。
さて、どうしようか。と頭を悩ませていれば、ノア団長が現れた。
「どうしたのぉ?セシリー?」
「ノア団長!良いところに!」
この肉が何かわからず、どうしたら良いですか?と言う私に、その手元にある肉を見たノア団長は、ワニ肉じゃーん!珍しいねぇ。と言った。
「…え?ワニ?」
「うん、そうだよぉ。」
「ワニって…ワニ?」
「ん?うん、あの川にいるワニねぇ。」
低脂肪低カロリーで高たんぱく質だしぃ、コラーゲンも多いんだよー。と謎の肉知識を披露するノア団長だが、私はそれどころじゃない。
……ワニって、食べれるのか…。
その私の心情を察したかのように、ノア団長が、まぁ、この国ではあまり見かけないよねぇ。と言う。
それから、調理はノア団長に任せ、私はスープを担当する。
イキイキとワニ肉を調理するノア団長の手元を見れば、なにやらお洒落な料理に変化していた。
ノア団長が料理が得意なことは知ってはいたが、ここまでとは驚きだ。
「へぇ、ノア団長は凄いね。」
「ニコル王子!」
「でしょー?僕は天才だからねぇ。」
「ふふっ、そうだね。」
匂いにつられたのか、ニコル王子が登場し、ノア団長を褒めれば、どこから現れたのか、レオン団長が来る。
「何⁉︎俺より凄い奴がいるとは!よしっ!勝負だノア!ははっ!この俺の素晴らしさに平伏すことになるだろうがな!」
「今調理中なので無理ですー。他当たってくださーい。」
「ふっ、俺に負けるのが分かって勝負を投げたか…。やはり俺は強い男!レオン・フィリベルト!さすがは俺!」
ハハッ!見たかお前ら!
そう言って目の前にいるナルシストは、今すぐ気付いて欲しい。
我慢ができなくなってきたノア団長の、闇の魔力をためている左手に。
なんだかんだと色々あった2日目の野宿を終え、綺麗な青空が広がる中、私達は森を出発した。
時刻は9時過ぎ。
後3時間ほどで着くらしいとのことで、私の沈んでいた気分も少し高まるのが分かった。
「南の別荘地なんて久しぶりねぇ。」
私の斜め前を走っていたイリヤ副団長が、遠くに見える海を見ながらポツリと呟いた。
「イリヤ副団長は行かれたことがあるんですか?」
「えぇ。3年ほど前にね。その時は海にも入れたわよぉ。」
「え?海!行きたいです!」
「ふふっ、そうね。時間があったら行きましょう。」
別荘地に滞在するのはあまり長くなく、5日間の予定だ。
それまでに行けるだろうか?
あまり行くことがない水の世界。
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