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にじゅう。
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初めてこの瞳のことで虐められたのは小学校3年生の時だった。
クラスであまり目立たつ方ではなかった私は、その日も本を読んで過ごしていた。
そんな時、クラスで鬼ごっこをしていた男の子が、私の机にぶつかって来た。
本が落ち、それをその男の子が、ゴメン。と言って拾ってくれる。
ありがとう。そう言って受け取ろうと手を伸ばせば、本を渡してくれない。
首をかしげる私をジッと見つめる瞳。
その目が、大きく見開かれた時、
____お前の目、気持ち悪い色してるな。
そう、呟くように言われた。
周りのみんなとは違う、灰色がかった瞳。
あの言葉を言った男の子は、クラスのガキ大将的な存在で、その声を拾った周りの男の子達が集まって来る。
____うわっ!本当だ!
____キモ!
____人間じゃないみたい。
____幽霊?うわぁ怖っ!
そう言って笑う彼等に、私は怖くて何も言えなかった。
その次の日から、仲の良かった友達が減っていった。
1週間もしないうちに、誰も口を聞いてくれなくなった。
それと反比例するように陰口が増えた。
物を投げられたり、転ばされたりすることも増えた。
耐えられなくなって、先生に相談した。
結果は、何も変わらなかった。
辛くなって、母に相談した。
____忙しいから後にして。
話も、聞いてもらえなかった。
私の家は多分、周りよりちょっと特殊で。
駆け落ち同然で結婚した両親は、私が生まれる少し前に父が亡くなった。
プライドが高い母は、実家を頼ることもなく一人で私を育てた。
仕事ばかりの母に、我が儘を言うことはなかった。
だけどやっぱり辛くて。
朝、母が仕事に行く前に相談した。
____貴女の目は普通じゃないものね。
そう言って、出て行った。
涙が、頬を伝った。
それから、誰にも相談することは無くなった。
現実を見ていたくなくて、本の世界に逃げた。
本の世界にいる間は、とても幸せだった。
どんな困難にも打ち勝っていく主人公や、誰からも愛される主人公。
そんな主人公に自分を重ねた。
綺麗なものしかない世界に、とても憧れた。
高校は、地元から離れたところにした。
私を知らない人たちの中で、黒のカラコンをして過ごした。
鏡を見れば、初めて見る、普通の色をした自分に安心した。
そしたら、久しぶりに友達と呼べる存在ができた。
とても嬉しかった。
とても楽しかった。
でも、
そんな日は長く続かなかった。
____あいつの目、本当はあんな色じゃないんだってよ。
____死んだ人みたいな色してるらしいぞ。
____えぇ、なにそれ怖ーい!
私のクラスの人が、夏休みに私の地元の同級生と知り合ったらしい。
その時聞いたのだと、噂で聞いた。
そのうち、また私は1人になった。
久しぶりに、本の世界に逃げた。
その頃、親からスマホを買ってもらった。
なんでも、これから帰るのがいつもより遅くなるからとのことだった。
母に、恋人が出来ていた。
それを知ったのは、体調が悪くて早めに学校から帰宅した時。
玄関を開ければ、母と見知らぬ男の人が情を交わしていた。
2人は私に気付かない。
ソッと、扉を閉めた。
夕方になり、母から今日は仕事で帰れないと連絡が来た。
家に帰れば、ここで起こっていたことを思い出し、吐いた。
スマホを持った私は、そのうち、乙女ゲームと言うのにハマりだした。
特別な自分を、信じて助けてくれる人達。
友達だと言う女の子のキャラも、良い人が多かった。
この非現実的な世界は、私の唯一の世界だった。
高校を卒業と同時に就職した。
就職先を地元から遠い場所にして、一人暮らしも始めた。
人と顔を合わせるのが嫌で、コールセンターで働き始めた。
給料が良かったのも、そこに決めた理由だった。
服装や、髪型も自由だった。
バイトの子も多く、奇抜な色した子も数人いた。
凄いな、と思った。
その頃の私は、まだカラコンをつけていた。
その子たちと接していれば、人と仲良くなるには笑顔が必要だと学んだ。
そんな生活が2年続いた。
いつのまにか、また、友達と言う存在ができた。
その子は会社でバイトに来ていた大学生だった。
歳も近いこともあり、結構すぐに仲良くなれたと思う。
懲りないな、と思った。
何度同じようなことがあっても、私は孤独に勝てないらしい。
そんなある日、彼女が泊まりに来ることが決まった。
怖かった。
まだ目のことを言っていない。
でも、隠しておくのも嫌だった。
___受け入れて欲しい。
そんな気持ちがあった。
夜。
お風呂から上がって来た彼女に、そのことを打ち明けた。
____綺麗だね。
そう言って笑ってくれた。
彼女を信じてよかった、と思った。
その子は、綺麗な黒髪黒目だったけど、人と違うってことは、特別なんだってことだよ。って言ってくれた。
嬉しくて、その日、何年か振りに泣いた。
数ヶ月後。
彼女が事故にあった。
横断歩道を渡っていた彼女に、大型のトラックが突っ込んだ。
居眠り運転だった。
彼女は、即死だったと聞いた。
この世界は、私の大事なものを奪っていった。
そんなある日。
風邪をひいた。
帰り道。
綺麗な光に包まれた私は知らない世界にいた。
始めは最悪だったけど。
私が来たところは、まるで、読んでいた小説や、していたゲームの世界だった。
出てくる人達もカラフルで綺麗な人ばかりで、朦朧としていて忘れたカラコンが無い瞳を見ても何も言わない人達だった。
____ここでは普通なんだ。
嫌われ者の私でも、こんなに優しくしてくれる人達に、安心した。
元の世界の彼女を思い出した。
あの世界から逃げ出したい私に、彼女がくれたプレゼントだと思った。
ここでなら、私は特別な存在になれるだろうか。
王都に来た。
魔力検査をした。
伝えていなかった事がバレた。
瞳が普通では無いことも知った。
____何でみんな何も言わないの?
怖かった。
目の前で払われる手が、自分の手のように感じた。
何の力も出せなかった私に背を向ける姿が、あの日の母を思い出させた。
____特別なんかじゃなかった。
現実が突き付けられた気がした。
ゼノさんが来た。
____話を良いか。
捨てられるかと思った。
だけど、
____綺麗だな。
そう言って笑う顔に、
____綺麗だね。
彼女の顔が重なった。
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初めてこの瞳のことで虐められたのは小学校3年生の時だった。
クラスであまり目立たつ方ではなかった私は、その日も本を読んで過ごしていた。
そんな時、クラスで鬼ごっこをしていた男の子が、私の机にぶつかって来た。
本が落ち、それをその男の子が、ゴメン。と言って拾ってくれる。
ありがとう。そう言って受け取ろうと手を伸ばせば、本を渡してくれない。
首をかしげる私をジッと見つめる瞳。
その目が、大きく見開かれた時、
____お前の目、気持ち悪い色してるな。
そう、呟くように言われた。
周りのみんなとは違う、灰色がかった瞳。
あの言葉を言った男の子は、クラスのガキ大将的な存在で、その声を拾った周りの男の子達が集まって来る。
____うわっ!本当だ!
____キモ!
____人間じゃないみたい。
____幽霊?うわぁ怖っ!
そう言って笑う彼等に、私は怖くて何も言えなかった。
その次の日から、仲の良かった友達が減っていった。
1週間もしないうちに、誰も口を聞いてくれなくなった。
それと反比例するように陰口が増えた。
物を投げられたり、転ばされたりすることも増えた。
耐えられなくなって、先生に相談した。
結果は、何も変わらなかった。
辛くなって、母に相談した。
____忙しいから後にして。
話も、聞いてもらえなかった。
私の家は多分、周りよりちょっと特殊で。
駆け落ち同然で結婚した両親は、私が生まれる少し前に父が亡くなった。
プライドが高い母は、実家を頼ることもなく一人で私を育てた。
仕事ばかりの母に、我が儘を言うことはなかった。
だけどやっぱり辛くて。
朝、母が仕事に行く前に相談した。
____貴女の目は普通じゃないものね。
そう言って、出て行った。
涙が、頬を伝った。
それから、誰にも相談することは無くなった。
現実を見ていたくなくて、本の世界に逃げた。
本の世界にいる間は、とても幸せだった。
どんな困難にも打ち勝っていく主人公や、誰からも愛される主人公。
そんな主人公に自分を重ねた。
綺麗なものしかない世界に、とても憧れた。
高校は、地元から離れたところにした。
私を知らない人たちの中で、黒のカラコンをして過ごした。
鏡を見れば、初めて見る、普通の色をした自分に安心した。
そしたら、久しぶりに友達と呼べる存在ができた。
とても嬉しかった。
とても楽しかった。
でも、
そんな日は長く続かなかった。
____あいつの目、本当はあんな色じゃないんだってよ。
____死んだ人みたいな色してるらしいぞ。
____えぇ、なにそれ怖ーい!
私のクラスの人が、夏休みに私の地元の同級生と知り合ったらしい。
その時聞いたのだと、噂で聞いた。
そのうち、また私は1人になった。
久しぶりに、本の世界に逃げた。
その頃、親からスマホを買ってもらった。
なんでも、これから帰るのがいつもより遅くなるからとのことだった。
母に、恋人が出来ていた。
それを知ったのは、体調が悪くて早めに学校から帰宅した時。
玄関を開ければ、母と見知らぬ男の人が情を交わしていた。
2人は私に気付かない。
ソッと、扉を閉めた。
夕方になり、母から今日は仕事で帰れないと連絡が来た。
家に帰れば、ここで起こっていたことを思い出し、吐いた。
スマホを持った私は、そのうち、乙女ゲームと言うのにハマりだした。
特別な自分を、信じて助けてくれる人達。
友達だと言う女の子のキャラも、良い人が多かった。
この非現実的な世界は、私の唯一の世界だった。
高校を卒業と同時に就職した。
就職先を地元から遠い場所にして、一人暮らしも始めた。
人と顔を合わせるのが嫌で、コールセンターで働き始めた。
給料が良かったのも、そこに決めた理由だった。
服装や、髪型も自由だった。
バイトの子も多く、奇抜な色した子も数人いた。
凄いな、と思った。
その頃の私は、まだカラコンをつけていた。
その子たちと接していれば、人と仲良くなるには笑顔が必要だと学んだ。
そんな生活が2年続いた。
いつのまにか、また、友達と言う存在ができた。
その子は会社でバイトに来ていた大学生だった。
歳も近いこともあり、結構すぐに仲良くなれたと思う。
懲りないな、と思った。
何度同じようなことがあっても、私は孤独に勝てないらしい。
そんなある日、彼女が泊まりに来ることが決まった。
怖かった。
まだ目のことを言っていない。
でも、隠しておくのも嫌だった。
___受け入れて欲しい。
そんな気持ちがあった。
夜。
お風呂から上がって来た彼女に、そのことを打ち明けた。
____綺麗だね。
そう言って笑ってくれた。
彼女を信じてよかった、と思った。
その子は、綺麗な黒髪黒目だったけど、人と違うってことは、特別なんだってことだよ。って言ってくれた。
嬉しくて、その日、何年か振りに泣いた。
数ヶ月後。
彼女が事故にあった。
横断歩道を渡っていた彼女に、大型のトラックが突っ込んだ。
居眠り運転だった。
彼女は、即死だったと聞いた。
この世界は、私の大事なものを奪っていった。
そんなある日。
風邪をひいた。
帰り道。
綺麗な光に包まれた私は知らない世界にいた。
始めは最悪だったけど。
私が来たところは、まるで、読んでいた小説や、していたゲームの世界だった。
出てくる人達もカラフルで綺麗な人ばかりで、朦朧としていて忘れたカラコンが無い瞳を見ても何も言わない人達だった。
____ここでは普通なんだ。
嫌われ者の私でも、こんなに優しくしてくれる人達に、安心した。
元の世界の彼女を思い出した。
あの世界から逃げ出したい私に、彼女がくれたプレゼントだと思った。
ここでなら、私は特別な存在になれるだろうか。
王都に来た。
魔力検査をした。
伝えていなかった事がバレた。
瞳が普通では無いことも知った。
____何でみんな何も言わないの?
怖かった。
目の前で払われる手が、自分の手のように感じた。
何の力も出せなかった私に背を向ける姿が、あの日の母を思い出させた。
____特別なんかじゃなかった。
現実が突き付けられた気がした。
ゼノさんが来た。
____話を良いか。
捨てられるかと思った。
だけど、
____綺麗だな。
そう言って笑う顔に、
____綺麗だね。
彼女の顔が重なった。
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