美少女にフラれたらなぜかダウジング伊達メガネ女子が彼女になりました!?〜冴えない俺と彼女と俺をフった美少女の謎の三角な関係〜

かねさわ巧

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第7話 あんことマーガリン

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 二〇三号室のポストに二人の名字が書かれている。

 これって普通に考えたら仲里なかさとさんと真宮まみやさんが同じ部屋に住んでいることを意味するよな?

 隣どころか一緒に住んでいるだなんて……だったら二人は仲良くて当然だ。

 でも……それならどうして、あのときわざわざ俺の家に来てまで真宮さんと話す必要があったんだ?

 明日から夏休みだし教室では話せないだろうけれど、家でならいつでも話せるし……。

「うーん……」

 ま、まぁ、とりあえず今はここから離れよう。仲里さんの怪我に関しては真宮さんが一緒にいるのだから心配はいらないだろう。


 彼女たちのアパートをあとにした俺は、うさぎのラビットとかいうヘンテコな名前のコンビニを見つけたので立ち寄った。

 餡子あんことマーガリンが入ったコッペパンを頬張り、一緒に購入したスポーツドリンクで喉を潤す。

 行儀が悪いと言われるだろうけれど、お腹が空きすぎて我慢ができなかったし、外の空気を吸いながら食事というこのスタイルは、インドアな俺がアウトドア気分を味わえる貴重な青春の一コマでもある。

「うん、うまい。やっぱり餡子にマーガリンの組み合わせは最強」

 ちなみに珍しい名前のコンビニだったのでスマホで調べてみると最近オープンしたばかりの二号店らしく、一号店はどうも横浜にあるようだ。

「ただいま」

 玄関の土間には数時間前に見た真宮さんのローファーは当然あるはずもなく、妹の靴だけが置かれている。

 それにしても真宮さんは俺の家をよく見つけたな……どうやって調べたんだ?

 家に入るところを、たまたま見かけたとか? まさかの歩いていける距離に住んでいたわけだし、可能性としてはありだよな。

「あ、お兄ちゃ……にぃにぃ、お帰り」

 奥の階段を下りながら果奈が声をかけてきた。

 制服から私服へと着替えていて、いつものジャージ姿と違いミニスカートとショート丈のTシャツでお腹の辺りが見える格好をしている。露出が多くてお兄ちゃんは心配だ。

「わざわざ言い直さなくても、お兄ちゃんでいいじゃねーか」

「そんなことより、わーは、出かけてくるね」

「ん? わー?」

「沖縄の方言で自分のことを、わーって言うんだって」

「お前はいつから沖縄の人になったんだ?」

「なに言ってんの? それより今夜は友達とご飯食べてくるからね」

 なっ! ご、ご飯だと……まさか、男かっ⁉︎

「お前……」

「なに?」

 いやいや、はやまるなよ俺……まだ、そうと決まったわけじゃない。

「あ……いや、なんでもない」

 か、考えすぎだよな。妹が今日まで男の影をちらつかせることは無かったはず。

「なんか、にぃにぃの考えていることわかった気がする。そういうのハッキリ言ってキモイよ?」

「なっ! なにも言ってねーだろ! もういいから早くいけよ!」

「はぁーい! 行ってくるね!」

「あまり遅くなるなよ」

 果奈は振り返りもせずにそのまま外へ出ていった。ドアが閉まると途端に広い家の中がしんとする。

「ハァ……今日は色々ありすぎだよな……なんだか疲れた」

 玄関の鍵を閉め、二階の自室へと移動してベッドに横たわる。

「……落ち込んでいる暇も無かったな。結局、仲里さんが家に来た理由も分からずじまいだし」

 理由か……そういえば告白を断られた理由ってなんだったんだろう。

 彼女、すぐに走っていってしまったし聞く暇もなかったな……でもまあ、もう……。

 眠くなってきた……少し眠ろ……う――……。

     ◇
 
 ――とき。

 うぅぅ……なんだ……か、身体が重苦し……。

 ――春時はるとき

 聞き覚えのある声……果奈か?

 なんだか、お腹のあたりが重苦しい……。

「春時!」

「んぁ?」

 ――意識が朦朧もうろうとするなか目を開けて確認してみる――と、そこには俺の腹の上にまたがる真宮葵の姿があった。
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