美少女にフラれたらなぜかダウジング伊達メガネ女子が彼女になりました!?〜冴えない俺と彼女と俺をフった美少女の謎の三角な関係〜

かねさわ巧

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第8話 理由ならあるよ?

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 真宮まみや……さん?

 気がつくと部屋はいつのまにか暗くなっていて、窓から差し込む月明かりが俺の上にまたがる彼女を照らす。

 いや、いくらなんでも俺の部屋にいるわけが……こ、これは夢?

「ぐふっ!」

 彼女は俺の腹の上でかるく跳ねると、覗き込むようにして顔を近づけてきた。

 て、訂正……夢じゃない。どうやら本当に目の前にいるようだ。

 腹への衝撃もリアルに苦しい。

「いつまで寝てるの? いい加減もう起きようよ?」

 彼女の息がこそばゆく感じる。

「そ、その前に俺の身体から降りてくれないか?」

「うーん……ねぇねぇ、春時はるとき

「なんだよ」

「このまま二人でいいことしちゃう?」

 いいことって……。

 彼女にバックハグをされたときの甘い匂いと胸の感触が記憶に蘇る。

「ばっ! アホなこと言ってないで早くどいてくれ!」

 恥ずかしさもあって少し強めの口調で伝えると、彼女は小悪魔のような笑みを見せてベッドの上から降りた。

「そういえば、どうやって家に入ってきたんだよ? 鍵は閉めたはずだけど」

「人を泥棒みたいに言わないでくれる? 不法侵入とかしてないから。果奈かなちゃんに開けてもらったのよ」

「果奈に? もう帰ってるのか」

「一緒に帰って来たからね」

 一緒? 偶然、出くわしたってことかな……だとしてもこの状況はおかしい。

「いや、真宮さんは方向が違うだろ。なんで俺の家に来てるんだよ」

「春時の家に泊まるからだよ?」

 彼女はさらりと言いながして部屋の明かりを点けた。

 キャミなんとか? と、メッシュのようなカーディガンを羽織ったカーゴパンツ姿の彼女が照らされる。

 制服姿しか見たことがなかったから、スカートではない格好は新鮮だ。意外とクラスにいる女子の私服姿って見る機会ないんだよな。

 などと見入っている場合じゃなかった。今、泊まるって言ってたよな?

「ちょっとまて、なにを言っているのか意味がわからないんだけど」

「え? だから、今夜はここにいるってことなんだけど?」

「いやいや、ダメだろ?」

「でも果奈ちゃんは、なんくるないさ~って言ってたよ?」

「それ……俺でも聞いたことある言葉だけど、どうにかなる的な意味じゃなかったか?」

「でも、断られたわけじゃないでしょ? それにアパートでばいばいしたときに、またあとでね! って言ったじゃん」

 うーん。たしかに言ってたような気はするけど、まさか今夜になるとは……どうせなら仲里さんに会いたかった。

 いずれにせよ理由もなく泊めるわけにはいかないし、なんとしても帰ってもらわないとな。

「とにかく、ダメなものはダメなの! だいたい、仲里さんはどうしたんだよ。怪我してるんだから放っておいちゃダメだろ」

「さっきからダメダメうるさいわね、エリカなら大丈夫よ。足は腫れてもいないし普通に歩いてるから」

「でも、どこかに異常があるかもしれないじゃないか」

「本当に大丈夫なの! あのあと念の為に隣町の病院で診てもらったけど、骨にも異常ありませんって!」

「そ、そうなの?」

「うん」

 真宮さんは言うとコクンとうなずいて見せる。

「そうだとしても、真宮さんが家に泊まる理由がないじゃないか。ちなみに俺の彼女だからっていうのは認めないぞ! 彼女じゃないし」

「ひどいなぁ、彼女になってあげてるのに! それに理由ならあるよ?」

「別に頼んでませんけど……って、痛っ! いきなり蹴るな!」

「なんか、むかつく」

 彼女は不機嫌そうに言うと、俺を蹴った足を引っ込めた。

「なんだそりゃ。たくっ……で? 理由って?」

「そうやって最初から素直に聞いてよ。いい? あたしは果奈ちゃんのお客様なの」

「なっ!」

 そ、その理由はずるい……。

「だから春時にとやかく言われる筋合いはないの。それに……返さない方がいいと思うけど?」

「どうしてだよ」

「春時はずっとエリカの話が気になってるんじゃない? 本人から直接、話を聞こうとしたんでしょ?」

「な、仲里さんから聞いたのか?」

「そうじゃないけど、エリカのあとを追っていったじゃん。気になって仕方がなかったからじゃない?」

 バレバレ過ぎて恥ずかしくなってきた。

「春時が気になっていること、あたしにも関係があるんだよ」

「それって……」

 ということは、やっぱり彼女は仲里さんが訪ねて来た理由に心当たりがあったんだな。

 ――にぃにぃ!

 一階から果奈の声がしたかと思うと、階段を駆け上がる音が近づいてきた。

「あー! ここに居たのぉ! にぃにぃ、真宮さんは今夜、わーの部屋に泊まるからね! 彼女とっちゃってごめんね。にひひ」

「勝手に持っていってくれ」

「なによ春時、人を物みたいに言わないでよ」

「はいはい。もう泊まるでもなんでも勝手にしてくれ」

「良かったね、真宮さん」

「ありがとう、果奈ちゃん」

 まぁ、もう遅い時間だし今から帰らせるのもな。さっきの話も気になるし……。

「ねぇ、真宮さん。一緒にお風呂入りませんかぁ?」

「いいよ! 一緒に入ろう果奈ちゃん! あっ、春時はダメだよ」

「ばっ! 入らねーよ!」

 二人は顔を見合わせると、ケラケラと笑いながら部屋を出て行った。
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