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第1章 影太くんスゥちゃんと出会う
お風呂回ビギナー
しおりを挟む人には許容範囲、キャパシティというものがある。その限界を超えた時、脳は自身を守るために心身の機能を一時的に停止したりするらしい。俺はスゥのデモンストレーションを見ながら気絶していた。眠気の限界を超えて寝てしまったのかもしれない。気付いたら朝になってました。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「大丈夫か~? 影太っクン……」
「大丈夫じゃない……」
体育館でバレーボールの実技中に顔面レシーブをキメて保健室へ運ばれていた。俺を運んでくれた保健委員の人は授業へ戻ったけど、元吉はなぜか残ってくれていた。サボりたいだけかもしれない。
眼鏡は無事だったけど鼻を強く打って鼻血が出ていた。この眼鏡、マレさんが何か細工をしている気がする。強度がハンパない。もしかして十年前のあの時から俺の眼鏡は……(何度か買い替えているけど……)
「影太サン今日は一日中ボ~ッとしてるもんねぇ。オナニーはできたんか?」
さり気なくそういうことを聞くのはやめてよ。保健室の先生は女性だし。今は外出中だから気にしなくていいかもしれないけどやめてよ。
俺はベッドの上に座り、両鼻にティッシュを詰めている。元吉はとなりに座ってスマホを掲げ、俺の顔の記念写真を撮っていた。やめてってば。って、ん……あれ……?
「何で元吉がそのことを……?」
俺のオナニー事情をなぜ知ってるんだろう。チロさんが教えちゃったのかな……こういうのって身内で話されちゃうものなの? 恥ずかしい……
元吉はウンザリした顔でため息を吐き出す。
「俺はなぁ、人前でなぁ、『ゲンキチはおなにーする?』って聞かれたんだぞ~。ユキさんの前でなぁ……」
居た堪れず両手で顔を覆った。そういえばスゥは昨日元吉と一緒でした。
「それは……大変申し訳ないです……」
「あいつ、ヤバいな……」
ごめんなさい……うっ!!
スゥの顔を思い浮かべたら昨晩のアレを思い出してしまった。両鼻をせき止めているティッシュを越えて鼻血が吹き出す。俺はベッドにドサッと倒れた。
「影太ク~ンッ?! まじで大丈夫なの? 漫画みたいになってるよ?!」
「大変なものを見てしまった……」
思い出して白目になった。両手で顔を隠す。
昨晩俺はスゥの自慰行為を見せてもらったのですが、それが大変えっちだった。
スゥの手は器用に動いて自分のチンコをシゴいてみせた。そもそもスゥの陰茎は魔改造されてて普通の色じゃない。シワもなくてつるんとしてる。股間のその小さなピンク色のモノが達するまでの過程が、スゥの艶かしい表情やら声やら高揚した肌の色やら甘い匂いやらが……もうダメでした。射精の瞬間と同時に意識が途切れた。
今朝スゥは『こんやもういちど見てね♡』と言ってたけど、見るべきものはしっかり見たと思う。というか自分でもうできそう。昨日のえっちなスゥを思い出したらすぐにできる気がする。思い出すと股間に血液が集中する。勘弁して……
「ところで元吉、精液の匂いって甘い?」
「は?」
何言ってんの? という顔をされる。俺もそう思います。
「スゥがその……アレを……ゴミ箱いっぱいしてて……。それが何か、バニラみたいな甘い匂いなんだよね……」
「ナニソレ……イイ匂いなわけないだろ。ローションとかじゃね? あのチビは本当にいろいろヤバいと思うぞ。自分は毎日オナニーやってるとかさ、真昼間に女性店員の前でそんな下ネタかます? 顔と年齢で許されたようなもんだぞ」
元吉も何かを思い出したようで両手で顔を覆ってしまった。
「もうこれ言っちゃうけどさ、俺はべつにあのイケチビはタイプじゃないけど、昨日危うく勃ちそうになったよ? なんつーか、AVみたいなこと平気ですんのね。いや、すまん。でもあんなの見せられたら仕方ないと思ってる」
元吉は昨日本屋の一階の喫茶店でスゥにケーキをご馳走したらしい。奢ってもらった上に『食わせろ』と言う悪魔のような男の話だった。食べ方がとてもえっちで変な目で見てしまって申し訳ないと謝るけど、むしろこっちが申し訳ない話でした。
俺に耐性がないせいでスゥのいろいろなことに耐えられないのかと思ってたけど、スゥの行動は普通じゃないのかもしれない。言われるままにスゥから性教育を受けてしまうと、この先俺はモラルの欠けた大人に、《変態》になってしまう気がする。大人になった時、社会的に危険な場面が普通にありそうで怖い。
「チロさんに……正しい道へ導き直してもらえばいいのかな……」
「悩み事には俺の意見もぜひ聞いてくれ!」
横になったまま鼻に新しいティッシュを詰めていると、元吉が笑顔でサムズアップする。こんなにいい人と友達になれてよかった。《星食い》退治を逃げ出さずに頑張ってよかった……
◇◆◇◆◇◆◇◆
その晩スゥに一緒にお風呂に入ろうとせがまれたけど断った。今はスゥの下半身が見れない。見たらきっと勃起しちゃう。スゥの前で勃起したら、ここぞとばかりにえっちな授業をはじめると思う。なので嫌だと断ったけど……
「コックとか、シャンプーとか、シャワーとかこわしちゃったらどうするの?」
もっともな理由で脅迫されて、結局一緒に入ることになりました。怪力はスゥの味方だった。
眼鏡を外せば視界がぼやけていいかもと思ったけど、ラッキースケベな事故が起こりそうなのでかけて入りました。お風呂用じゃないけどレンズの強度がすごいから小さな傷もない。マレさんがスゥの怪力に耐えれる眼鏡にしてくれたんだと思います。
脱衣所で円周率を唱えていたので特に問題なく湯船に浸かっていた。大丈夫そうだ。下半身も落ち着いてる。スゥの体を見ても特に何も感じない。なので頭を洗ってあげれた。
「えーた、つぎこれね♡」
手渡されたのは石鹸だった。
「これ……?」
「ボクのからだ、手であらって♡」
「え……何で? それは自分でやりなよ」
今までだって自分でやってたんだからできないはずがない。スゥのペースに流されてはならない。
「ひとつひとつ、でしょ? さわれるよーにならないと、つぎにすすめないでしょ?」
そう言って自分の乳首を指でピンピン弾いてみせた。
「ココはこーするとかたくなるんだよ? そしたらやさしくつまんでね♡ なめたりしゃぶったりするの♡」
ピンク色のがぷくっと丸く勃つ。白目……
スゥが俺の手を引いて進んで行く先がまともな道なら何もためらわないけど……
「ココもえーたにさわってほしーな♡」
股間の小さいのをふにふにといじってみせる。
「あっ!」
驚いた顔でスゥが俺を見ている。床のタイルに赤いものがポタポタと垂れていた。鼻血だった。
「無理だから……」
涙目で上を向く。傷が開いてしまった。
「ごめんねえーた! おみず……あッ!!」
ボキッと音がして勢いよく飛び出した水が全身にかかる。水道を根もとから折ったらしい。
「冷たッ!! ちょ……お、お母さーーーーんッ!!!」
俺は泣きながらお風呂場で叫びました。
助けてッ!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
第1章おわり♡
【おしらせ】
この先R18な性描写がとっても多くなります。ご注意ください。
応援ありがとうございます!
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