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第2章 影太くん前世を知る

空間的な相互作用による3P

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 青いストライプの大きめのシャツとホワイトデニムのピチッとした短パンに着替えるのを手伝ってあげている。シャツは後ろの裾丈がやたら長いタイプで、前だけインするものなのかも……流行とかよくわかりません。
「えーたはどれがスキ?」
「全部かわいい」
 スゥの買った服は上下三セットで、すべて短パンでした。コロモに足フェチと言われてから足に目が行くようになってしまった。言葉による呪いだ。認めたくはないけど秘めた素質もあったのかもしれない。脚の付け根からスゥの三角ゾーンを見て、目をつむって赤面する。昨晩は、大変お世話になりました。股間が痛くて泣きながら、腰をヘコヘコし続けました。羞恥に震える……

「エイタ、これ結ぶ、無理? 帯、難解……」
 膝下七部のカーキブラウンのパンツをサスペンダーで吊り、フワッとした大きめの白シャツの胸にタイを結べないコロモがやって来る。縦結びになっていたので直してあげた。
「僕の服、どれ良い? エイタ、どれ好む?」
「全部かわいい」
 コロモは六セット分の上下を買っていて、全体的に大人っぽい服が多い。女子たちが連れ歩いたお店はどれもレディースブランドなんだと思うけど……大変可愛いです。これだけあれば着回しもできそう。他にルームウェアも買ってるし。
 買い物を終えて家に帰り、部屋に服を広げて一通り着て見せてもらった。見せてほしいと言ったわけじゃないけど勝手にファッションショーがはじまった。二人ともテンションが上がってて楽しそうだ。眼福です。

 広げた服をたたんで片付けて、コロモの分を大きい紙袋にまとめて入れて渡した。それでコロモは帰るのかと思ったら、荷物を部屋の隅に置いて俺のそばに寄って来て笑顔で座った。スゥがやって来てコロモをネルソンホールドでズルズルと俺から離れた場所に移動させる。スゥの怪力はコロモに影響しないから普通にスキンシップができた。スゥにネルソンホールドしてもらえるコロモが羨ましいです。
「あの……今日は泊まっていきませんか?」
 一晩家に誰もいないので寂しかった。できたら泊まってくれるといいなと思った。
「うん、ボクだけとまるね♡ コロモはかえっていいよ」
「僕も宿泊希望! エイタ了承?」
「二人とも泊まっていきなよ。夕飯は何食べる?」
 不満そうなスゥをどうにか納得させて、スマホで出前を検索した。昨晩のアレで大変な量を出してしまったので、しばらくは休憩したい。スゥと二人っきりよりコロモがいるほうがいいと思った。

「スゥはコロモともっと遊べばいいのに。せっかく普通にさわれるんだからさ」
「ねぇ……ボクをいくつだとおもってるの? コドモじゃないんだからね?」
 膨らませてる頬をぷにっとつまんでみた。こういうスキンシップをコロモにならスゥもできるのに。
「えーたはボクがコロモとキスしたりエッチなことしたらイヤでしょ?」
 そんなことスゥがするとは思わないけど……言われて想像して、真っ赤になった。あれ……? 何か今、すっごくえっちな想像をしてしまった。これって浮気なの? 変なイメージしか浮かんでこない。二人がキスとかエッチを……
 何か違う方向のものを想像している気がする。心拍数が上がって赤面した。二人がそんなことを……いやこれはえっちすぎる。これ以上考えないほうがいい。昨日のあれでグッタリしている股間が目を覚ましそう。ゴクリと生唾を飲み込んだ俺をスゥが目を丸くして見ていた。

「えーた……コーフンするの?……見たい?」
「え、いや、そうじゃなくて……」
「エイタ、心臓、爆音! 僕とスゥ、口吸う?」
 ちょ、やめ……やめてッ?!



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



「ン……ンン♡」
「ハッ……ハッ……ハフ♡」
 二人の乱れた甘い吐息が部屋に充満していた。どうしてこうなったのか……
 床の敷布団の上でスゥとコロモが一糸まとわぬ姿で体を合わせてキスをしている。衝撃吸収のためになのか、スゥはコロモの体に乗っかるようにしがみついている。スゥの舌がコロモの中に入ってて複雑な気持ちだけど、そのに生唾を飲み込んだ。何これすごい……

 自分たちは俺と行為をしているつもりで行なうから、お互いに恋愛感情は微塵もないから、そこでちゃんと見ててね♡ と言われた。俺を想像して自慰をしているだけ……らしい。それってどういうことなの? 止めたけどはじまってしまったので、俺はベッドの上で正座をしながらその光景を眺めていた。当たり前だけどこんなの赤面です。両手で顔を隠して指の隙間から頑張って見ている。指を閉じたり目をつむるとスゥに気付かれて注意を受けるから、ちゃんと見ています。刺激が強すぎて倒れそう。いろいろしんどい。
 意識を保つために夕飯に食べた箱飯ハコメシを思い出す。洋画でよく見る箱に入ったデリバリー惣菜をお取り寄せしました。いつか食べてみたいと思ってて、念願叶った今日。海老チリ美味しかったな。海老……

 スゥが半勃ちになったソコをコロモの股間に押しつけて腰を揺らす。とんでもない動きだった。音とかいろいろ非常に激しい。こうした行為を初めて見るけど、何かもうすごいですね。ものすごく擦り合っている。生々しく肌のぶつかる音がする。
 唾液を垂らしながら互いの口から舌を抜いた二人は、下半身を小刻みに揺すって互いに互いを擦り合っている。柔らかそうな二人の体が艶かしく揺れている。これがナカヨシさんの正式な動きなのかもしれない。
「ハ……ハフッ……ハフッ……ンッ……エイタ……エイタ♡」
「ンッ……ンンッ……えーたっ……えーたっ♡ ……アッ……ハアッ♡」
 甘く激しい二人の吐息と声に頭がおかしくなりそう。股間に血液が集中してくる。頼むから今日は休ませて……
 しかしスゥの腰の動きには目を見開いてしまう。眼球が震えて血走ってしまう。障害なく普通に動けたら、こんなに大胆でえっちなの? ダンスを見ているみたいだ。しなやかな腰の曲線やそのリズミカルな動きは妖麗に美しい。いつもスゥは動かず耐えているけど、本当は俺とこんな風に激しく触れ合いたいんですね……。俺が必死に動くだけのぎこちないエッチは、スゥにはぜんぜん物足りないのかもしれない。俺がスゥにしてあげていることなんて、あんなのはお子様の行為だ。前世の俺はスゥとどうやってしてたんだろう……

「アッ……ンッ……えーたッ♡ ………でるぅ!!♡♡♡」
「エイタ♡ ……エイタ♡ ……アゥッ……ンンッ!!♡♡♡」
 座った姿勢でビクビクと痙攣した二人は同時に射精する。シンメトリックに体を反らす二人の芸術的にもエロティックな姿がスーパースローで目に焼きついた。すごい……
 荒い息を吐いて呼吸を整える二人は、上気しながら俺にうっとりした目を向ける。
「えーたが見てるから……コーフンしちゃった♡ ……ハァ……ハァ……」
「視線興奮、同意♡ ……フゥ……フゥ……」
 ご……ご馳走様でした。スッキリしたならお風呂へ行ってください……


 ところで俺は今、一切体に触れずに二人と同時にエッチをしてしまった気がする。参加者が三人いて、それぞれに役割を持って一つの空間で行なった性的な行為……。このエッチはいけない。封印しよう。知識がなくて本気で止めることができなかったけど、十分理解した今は危険と判断しました。これはある種のプレイですね。コロモを入れたらダメだった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 股間が厳しいので二人にはシャワーへ行ってもらった。今日は絶対にしたくない。弾薬の製造が追いついていない。なのでじっとおさまるのを待つ。
 さっき考えてしまったことが頭の中でぐるぐるしていた。前世のことなのであまり知りたくはないけど、狸の中でスゥは前世の俺とセックスしていたと言っていたから。殺さないように動けなかったと。そしてスゥは先日チロさんに前世の俺との行為を耳打ちしていた。……知りたい。

『影ちゃんが挿入したらアソコがプレスされちゃうし、逆の場合はお尻から真っ二つよね』

 マレさんの話では俺たちのセックスは不可能ということだったけど、もっと大人なエッチができればスゥに満足してもらえるのかも。今の俺はぜんぜん駄目だと思う。あんなヘコヘコ……赤面する。前世の俺の技を習得できれば……
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