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第3章 影太くん前世にも出会う

真夜中のスゥちゃん

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「コロモの卵についてはミョウに任せて、俺たちは俺たちの問題に集中しようね。いろいろ試してみたいことがあるんだよ。でも今日はもう疲れたから、明日からね」
 部屋でストレッチを済ませたアチェは、そう言ってスゥとお風呂に向かった。昨晩入った向こうの露天をアチェはいたく気に入っていたから温泉へ行くのかと思ったら、今日は臼井家のバスルームだった。

 脱衣所でスゥの股からタンポンを抜いたアチェは、その状態を確認している。アチェにもかつてあった性器ものなので、扱い慣れているみたいだった。
「今日もぜんぜん濡れてないね。スゥ、大丈夫? ミョウに床と壁の強化と防音加工してもらったから、お風呂で慣らしてあげるよ?」
 え……そのための改造だったの?
 スゥは「へーき」と首を横に振った。
「でも《おまんま》まだ馴染んでないんじゃないの? 気持ちよくしてあげるよ? そのくらいはいいでしょエータ? スゥは三日も抜いてないんだからね」
 へ……?! アチェはスゥに何をする気なの? 慣らすって、えっちなこと?

「指を入れて刺激に慣らすんだよ。スゥの《おまんま》は緩すぎるでしょう? ちょっとしたことでお漏らししちゃうから、エッチの時にしか濡れないくらいになるといいよね♡」
 ベストな《おまんま》を作ってあげるよ♡ とアチェは指でクイクイといかがわしい動きを見せる。そういえばコロモも『たくさん触れ』って言ってた気がする。でも指でするって……あの動き、すごくえっちなことをするんだよね……
「だいじょーぶだよ、えーた。ボク、えーたがちゃんと《器》にもどるまで、アチェとえっちなことしないもん。だから、はやくもどってね?」
 スゥがアチェの瞳を覗き込んで俺に言う。俺はスゥの後ろにいます。
「こんなのエッチの内には入らないと思うけどな~……」
 困った顔をしたアチェは、まぁいいかとスゥをお風呂に入れた。

 いつも俺がしていたスゥのシャンプーを、今は俺の《器》でアチェがしてくれている。普段の自分の様子を映像で眺めているみたいで変な気分だった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 ベッドで眠っている二人の姿を、真夜中に天井付近から眺めていた。知覚範囲で見る世界は《器》の視覚で見るのとは違って、真っ暗でもくっきりと二人の寝顔が見えていた。ひとり覚醒し続ける夜は長くて寂しい。自分だけ別の世界にいるみたいだった。このまま《器》に戻れなければ、覚醒状態が続けば、俺の人格は疲弊して、意識が途絶えてしまうのかな。それを考えると怖いけど、でも、そうなる前にアチェとの融合を選べば問題ないはずだ。
 家族やスゥに自分を見つけてもらえないということが、これほどつらいとは思わなかった。他人と関われない時間を俺は十分経験したのに、今みたいな孤独を感じるのは初めてだ。両親と会話できないことよりも、スゥに目を合わせてもらえないことがつらい。もうさっさと融合して、この寂しさから逃れてもいい気がしてきた。アチェ主体の融合で、いいよね……

「んん……え~たぁ……」
 眠りながら呟くスゥは、夢にうなされているみたいだった。眉を寄せて苦しそうに俺の名前を呼ぶ。
 スゥ……?
「ン……え~たぁ……あっ……え~たぁ……♡ ……ハァ……ハァ……ンン♡」
 いや、うなされてるのこれ? えっちな声にドキドキしてしまう。うんうん身をよじったスゥは荒い息を吐いてハッと目を覚ました。
 だ、大丈夫……スゥ?
「えーた………おきてる?」
 起きてるよと、スゥのそばへ寄った。
「ボクいま、夢の中でえーたとエッチしちゃった……ウフ♡」
 う……うん。何かとっても気持ちよさそうだったね……。スゥも夢とか見るんだね。

 「ときどき見るよ」「いつもえーたとエッチする夢なの」と答えたスゥは、かけていた布団をアチェの方へ寄せるとぱんつをずり下げて勃起したチンコを出した。え……ちょ、何してるの?
「えーた、見える?」
 み……見えてるよ? ななな……何をッ?!
「ボクね……えーたがねてるときね……ハァ……ハァ……いつもこーやって……あっ♡ ……してるの……ンンッ♡」
 スゥが一人ではじめるその行為に、ゴミ箱のティッシュの山を思い出す。スゥの頭の上にはティッシュの箱が、ベッドの真横にはゴミ箱が……手を伸ばして届くベストな位置にあった。あ、なるほど~………そういうことだったんですね……

 シャツを鎖骨あたりまでまくり上げたスゥは、両手の親指と人差し指で乳首をつまんで揉みしだき、甘い声を上げる。
「あぁ♡ ……えーた♡ ……ンッ……ンッ……♡ 夢のえーた、ここをいっぱいしゃぶってたの♡ ……ンンッ♡」
 夢の中の俺よ……
 腰を浮かせて甘い声を上げ、反り返っている小さな陰茎が震えて白濁が飛び出た。アチェの言うように、ここ数日溜めていたせいか結構な量だった。
「ハァ……ハァ♡ ……えーた、はやくもどってね……」
 は……はい。頑張ります……
 けれどもスゥの自慰行為はそれで終わらなかった。すごいものを見せられている。手で視界を隠せないから普段よりくっきりはっきり、いろんな角度から見えてしまう。意識の目が血走る。

 中指と薬指を揃えて立てたスゥは、それを口の中に抜き挿ししはじめる。指を口から出すと今度は指先をチュッチュと吸って見せ、ペロッと舌先で舐めた。
「えーたのおちんちん、こーやってしたいの♡ こんど《新世界むこう》にいったら、してもいい? えーたのかわいーおちんちん、いっぱいチュッチュって♡」
 指の根もとからペロペロと舌でえっちに舐め上げて、唇でちゅうちゅうと吸って見せる。スゥの表情がとってもやらしい。俺はカチコチの声で「そ……そーだね」と答えるのが精一杯だった。そのテロテロの指が自分のチンコだと思うと鼻血が出そうになる。出ないけど。

「やくそくね♡」
 そう言ってスゥは指の先っぽにキスをすると、股を大きく広げて陰嚢いんのうを持ち上げる。そこに垂れている紐を引っ張ると、蜜を吸った綿がトロリと抜け落ちた。ゴミ箱にそれを捨てたスゥは、興奮気味に甘い呼吸をしながらつぼみの中に二本の指を挿し込む。
「あぁッ♡ えーたッ♡♡」
 グチュグチュと指を抜き挿ししながら、俺の名前が連呼されて震えた。体はないけど震えたとしか言いようがない。目の前でスゥとエアーな俺とのセックス……。指で蕾を抜き挿しして、もう片方の手で陰茎を擦って見せる。甘く喘いで何度も達して、俺は今までよくこの横でぐっすり寝ていられたなって思いました。アチェはたぶん起きてる……

 その行為はその後も続き、ゴミ箱がティッシュであふれた頃にやっとスゥは疲れて眠った。俺の意識はギンギンになりました。


『エータ、すごかったね……♡』
 眠っているスゥの横で、アチェが薄目を開けてニヤッと笑っていた。頭に囁かれた声にビクッとなる。
 ごごご、ごめんっ。起きちゃったよね……。スゥとエッチしたみたいになってすいません。でもアチェ、俺の裸眼で見えてたの?
 アチェはウフフ♡ と笑った。そして真顔になる。
『ホント最悪だよね、この目ん玉。でもスゥのえっちな匂いと声はたっぷり味わったよ♡ 悪いけど俺、二人のセックスは一緒に楽しめちゃうんだよね♡ それよりエータの興奮がすごくってさ、見てこれ♡』
 布団を捲ったアチェは股間を俺に見せた。立派なテントが張って我慢のヤツがにじみ出ている。……いや、それはアチェの興奮でしょう?
『それもあるけど、おちんちんが痛くって目が覚めたんだよ? すでにビンビンだったんだから。エータの意識が《器》に繋がったんじゃないかなこれ』
 え……?

 えッ?!



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 眼鏡をかけたアチェはベッドを出ると、俺をトイレに誘った。
「ここはエータのために改造してもらったんだ♡ 防音加工ね♡」
 トイレの防音を……俺のために? 嫌な予感しかない。
「そう怖がらないでよ。ほら、まずコレ出しちゃうね。オシッコもしちゃお」
 そう言ってアチェは「ン♡」と声を漏らして射精してみせた。少し触れただけで簡単に出たので驚く。そんなあっさり出るものなの? どうやったの? 自分のチンコを凝視する。
 膨張していた陰茎が徐々に収縮して圧迫から解放された尿道から、チョロチョロと細い排尿を済ませた。アチェはホッと息をつくと、便器に腰をかける。
「フゥ……。エータのおちんちんって膨張がすごいよね。こんなに大きさが変わるとスゥも夢中になっちゃうよね~♡ でもこの体、出すとかなりだるいや……眠くなっちゃう。一気に萎えちゃうよ。何だろうこれ……人間種の雄ってみんなこうなるの? これじゃあスゥについていけないよねぇ」

 なぜかそこでぱんつを脱いだアチェは、股を広げて陰茎を握って見せる。抜いたばかりなのに自慰でもはじめるの? この間隔で二回目はキツくないですか……
「学校の帰り道で言ったよね? この体、まだ快感を理解できてないって」
 言ってましたね……
「気持ちよさを覚えたらね、恥ずかしいとかキツいとかよりもそっちが上回るんだよ。それでもっともっと♡ って、頭がそのことであふれてくるの。疲れも忘れちゃうくらいにね。アナルプレイの時のあの気持ち、エータは覚えてるでしょう?」
 ………。思い出したくないです。
 俺が覚えていることをアチェはわかってて聞いてくる。顔はないけど真っ赤だ。

「スゥの可愛いお尻の穴をチュッチュしたでしょ? もっとしたいって気持ちがあふれて、なかなかおさまらなかったよね? だってすっごくエロカワイかったんだもん♡ キスをしてもしても足りなかったでしょう? 足りないから舐めちゃったんだよね♡ それに、吸ったらもっと気持ちがあふれてきた……そうじゃない?」
 うぐ………あの時は確かにそうだったけど、でも、今はすごく恥ずかしいよ。もう一度したいとは思えません。
「俺が思うにさ、あの時は羞恥心が消えてたんじゃなくて、スゥが可愛すぎて、その興奮が快感を生んでたんじゃないのかなって。ちっちゃくて可愛い♡ って興奮は俺の人格の影響だとは思うけど、その興奮がエータに快感をもたらしたのかなって思うんだよ。だからエータにあそこまでの特殊プレイができちゃったのかなって」

 話しながらアチェは俺のチンコを握ってゆるゆると擦りはじめる。
「あの時スゥのアナルに先っぽを擦りあてて気持ちよかったでしょう? すっごく興奮してたから、行為に酔ってたし。アソコに子種をかけた時なんて、最高の気分だったよね♡ エータはあの時、スゥとのエッチで特別な快感を覚えたはずなんだよ。脳汁がブワッと出てさ、すっごく気持ちよかったのに、あとになって恥ずかしくて、それを封印しちゃったんだね」
 アチェは少し硬くなった竿の前で指を輪っかにして俺に見せる。
「特殊プレイじゃなくても同じ状況は作り出せるんだよ? 必要なのは、大きな刺激と興奮、それとスゥへの気持ちね♡ 与えたいって気持ちじゃなくてね、《欲しい》って単純な気持ちだよ。スゥもよく言うでしょう? エータを食べちゃいたい♡ って。最大級のちょうだいだよね♡」

 輪っかにした指にチンコをくぐらせて、カリ首を重点的に擦りはじめる。陰茎が硬く反っていくのが見えた。
「この指の輪っかはあの時のスゥの尻尾と同じだよ。ここが一番刺激がくるからこうやってするんだ。同じようにスゥの《おまんま》の奥にもくぐれる場所があるよね? あそこは子宮の入り口でね、たぶんエータの竿が一番大きくなった時に、先っぽが少しキツく感じるサイズに固定されてるんだ。スゥの興奮に合わせて穴の大きさが変わると潰されちゃうからね。だから奥行きも固定だね。つまりね、スゥの奥を楽しめるのは最大に興奮してる時だけみたいなんだ。あのオッサンはセックスできないくせによく考えて設計してるよね♡」
 え……あれは子宮の入り口だったの? なら俺、すごい所に出しちゃったの?

「あそこに出すのが《おまんま》での普通のセックスだよ? 卵巣はないから受精させることが目的じゃないけど。でもあそこに出されるとすっごく気持ちいいんだよ。穴をくぐる時の刺激も相当イイから、スゥは大好きだと思うよ♡」
 あの時スゥの意識が一瞬飛んでたと思う。気持ちいいからなの? 出し終わった時に喜んでたから、よかったんだろうけど……
「感じてたんだよ。すっごくイイって時に飛んじゃうんだ。天国を味わってるんだよ♡ エータの気絶とはまた別のだから安心してね。ウフ♡ スゥのあれはエッチに大成功した合図だね♡ エータも早くスゥから天国をもらえるように、俺がこの《器》でいっぱいオナってあげる♡ 自分でもできるようにちゃんと見て覚えるんだよ?」

 アチェがしてるのはその、チロさんの課題……キモチイイを知る作業ってこと?
「そうだよ♡ キモチイイのスイッチが入ると暴走の危険もあるけどね、エータはまずそこに到達して、それを理性で制御するって段階にこれから移るんだ。もうすぐ十七歳だからね。自分からエッチをしたいって、スゥを食べたいって、エータも思えるようになるはずだよ♡」
 話し終えると同時に射精をしたアチェは「ウフ♡」と笑い、俺の顔とは思えない色気のあるえっちな表情をした。やめてよ。
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