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ルカとルーク
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「……あの国には、闇魔法を使う人間が住んでいます」
「やっぱりあの国に闇魔法使いが……」
「……ルークは知っていたのですね、あの国の事を」
「色々と調べていたらね……」
「流石ルークですね……この事は、私達聖女と国の上の人間にしか知らされていない事……」
私がそう言うとルークは、やっぱりか、と呟きながら目を伏せた。
ルークが何を考えているのか、私には分からないけれど、ルークがこの事を知った以上、もう後には引けないのだ。
だから私は、思い切ってある提案をする。
それが例えどんな結果になろうとも……
「あの国は危険です……だから私も北の国に向かいます」
「ダメだ!ルカは連れていけない……」
「どうして?私なら何でも知っている、力になれますよ?」
「ルカを危険な目に合わせたくない……!お願いだ……」
震えた声でルークはそう言う。
いつもなら嬉しい言葉だけれど今は違う……
私は、貴方の力になりたいのです。
そう思ってもらえる事がとても幸せだから。
「私は大丈夫です、私を誰だと思っているのですか?聖女ルカですよ?」
「ルカ……ははっ、君は昔から変わらないね」
「ふふっ、そうでしょう?……だから、心配しないで下さい。私をもっと頼って欲しいんです……」
そう言いながら、私はルークに抱きついた。
そして、少しの間そのままの状態でいると、ルークは私の背中に腕を回して優しく抱きしめてくれた。
「俺はルカを失いたくない……俺にとってルカは大切な存在なんだ……」
「はい……私もルークが大切です。だから、ルークの力にならせてください」
そして私は、そっとルークから離れた。
ルークは私の顔をじっと見つめた後、諦めたように小さくため息を吐いた。
きっと、何度言っても無駄だと思ったのだろう。
そう思われても仕方がないけれど、それでも私はルークの力になりたい、その為にはどんな手段だって使うつもりだ。
「分かった、ルカは一度言ったら聞かないからね」
「ふふっ、良く知ってますね?」
「昔からの仲だからね、そう言えば昔もこんな事があったよね?俺が裏山の調査に行くって言ったらルカも行きたいって言って……」
「ありましたね、そんな事……あの時も今日みたいに強引について行こうとして……」
「結局俺が折れたんだったんだよね」
そう言って二人で笑い合う。
懐かしいなぁ……なんて思いながらも、昔の事を思い出して嬉しく思う。
あの時は、まさか自分がルークと結婚する事になるとは思っていなかったな。
ルークに対する気持ちはあの時と変わらない、大切な人で大好きな人。
けれど、あの時と違う気持ちがある。それは……この人の力になりたいという思いと、この人を守りたいという強い想い……
この気持ちはきっと今までの私には無かった。
アルマ様と婚約破棄をして、沙羅と出会い色々な事を経験して生まれた気持ち。
ルークに守られるばかりの私はもう卒業、これからはルークも、そして皆を守れるようになるんだ……それが私の、聖女ルカの務めだから。
「ルカ?どうかした?」
「いいえ、何でもありません。ただ……」
「ただ?」
「聖女として頑張らないとな、と考えていたのです」
「そんな、ルカは十分凄いよ?」
「ありがとうございます……それにしても、今のルークなんだか昔のルークに戻ったみたいですね」
「えっ!?あ……いや、昔の話をしたからな、それで……」
「私はそっちのルークも今のルークも大好きですよ?」
そう言った後、私は微笑みながらルークを見つめる。
すると、ルークは頬を赤く染めながら照れたような表情を浮かべた。
その様子が可愛くて思わず笑ってしまう。
この平和な時間がもう少しだけ続きますように……そう祈りながら、私はゆっくりと瞼を閉じた。
「やっぱりあの国に闇魔法使いが……」
「……ルークは知っていたのですね、あの国の事を」
「色々と調べていたらね……」
「流石ルークですね……この事は、私達聖女と国の上の人間にしか知らされていない事……」
私がそう言うとルークは、やっぱりか、と呟きながら目を伏せた。
ルークが何を考えているのか、私には分からないけれど、ルークがこの事を知った以上、もう後には引けないのだ。
だから私は、思い切ってある提案をする。
それが例えどんな結果になろうとも……
「あの国は危険です……だから私も北の国に向かいます」
「ダメだ!ルカは連れていけない……」
「どうして?私なら何でも知っている、力になれますよ?」
「ルカを危険な目に合わせたくない……!お願いだ……」
震えた声でルークはそう言う。
いつもなら嬉しい言葉だけれど今は違う……
私は、貴方の力になりたいのです。
そう思ってもらえる事がとても幸せだから。
「私は大丈夫です、私を誰だと思っているのですか?聖女ルカですよ?」
「ルカ……ははっ、君は昔から変わらないね」
「ふふっ、そうでしょう?……だから、心配しないで下さい。私をもっと頼って欲しいんです……」
そう言いながら、私はルークに抱きついた。
そして、少しの間そのままの状態でいると、ルークは私の背中に腕を回して優しく抱きしめてくれた。
「俺はルカを失いたくない……俺にとってルカは大切な存在なんだ……」
「はい……私もルークが大切です。だから、ルークの力にならせてください」
そして私は、そっとルークから離れた。
ルークは私の顔をじっと見つめた後、諦めたように小さくため息を吐いた。
きっと、何度言っても無駄だと思ったのだろう。
そう思われても仕方がないけれど、それでも私はルークの力になりたい、その為にはどんな手段だって使うつもりだ。
「分かった、ルカは一度言ったら聞かないからね」
「ふふっ、良く知ってますね?」
「昔からの仲だからね、そう言えば昔もこんな事があったよね?俺が裏山の調査に行くって言ったらルカも行きたいって言って……」
「ありましたね、そんな事……あの時も今日みたいに強引について行こうとして……」
「結局俺が折れたんだったんだよね」
そう言って二人で笑い合う。
懐かしいなぁ……なんて思いながらも、昔の事を思い出して嬉しく思う。
あの時は、まさか自分がルークと結婚する事になるとは思っていなかったな。
ルークに対する気持ちはあの時と変わらない、大切な人で大好きな人。
けれど、あの時と違う気持ちがある。それは……この人の力になりたいという思いと、この人を守りたいという強い想い……
この気持ちはきっと今までの私には無かった。
アルマ様と婚約破棄をして、沙羅と出会い色々な事を経験して生まれた気持ち。
ルークに守られるばかりの私はもう卒業、これからはルークも、そして皆を守れるようになるんだ……それが私の、聖女ルカの務めだから。
「ルカ?どうかした?」
「いいえ、何でもありません。ただ……」
「ただ?」
「聖女として頑張らないとな、と考えていたのです」
「そんな、ルカは十分凄いよ?」
「ありがとうございます……それにしても、今のルークなんだか昔のルークに戻ったみたいですね」
「えっ!?あ……いや、昔の話をしたからな、それで……」
「私はそっちのルークも今のルークも大好きですよ?」
そう言った後、私は微笑みながらルークを見つめる。
すると、ルークは頬を赤く染めながら照れたような表情を浮かべた。
その様子が可愛くて思わず笑ってしまう。
この平和な時間がもう少しだけ続きますように……そう祈りながら、私はゆっくりと瞼を閉じた。
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