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魔女との対話
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――― あれは、私がいつものように森の中を散歩していた時の事よ。
その時、あの子は一人で泣いていたの。
あの時は驚いたわ、だって森の中で子供が一人きりなんだもの。
迷子かと思って私が近づいたら………
「どうしたと思うかしら?」
「……助けを求めたとか……ですか?」
私が答えを言うと、魔女は残念と言いながら自分の腕を見せてくる。
彼女が見せてきたその腕には、くっきりと痣が残っていた。
「コレは……」
「あの子ったらね、私に対して攻撃してきたのよ!しかも、闇魔法を使って!」
魔女は嬉しそうに話す。
その表情からは、怒りは全く感じられなかった。むしろ楽しそうにも見える。
「あの子はね、魔女でも何でも無い……ただの人だったの。なのに、あんな魔法が使えた。それで私思ったの!この子を私の物にしようって!!」
魔女は興奮気味に話している。
私はそんな彼女を、ただ黙って見ているしか出来なかった。
魔女はふぅっと息をつくと、再び話し始める。
「それでね、あの子に言ったの!私の所に来ないって、最初は警戒していたけれど最終的に良いよ、って言ってくれた」
「それからどうしたのですか……?」
「まずは、何であんな所にいたのか?その魔法は誰から教わったのか?とか色々聞いてみたわ、そして……あの子が聖女に執着していることが分かった」
「聖女にですか……?」
「えぇ、聖女……貴女の事よ、ルカ。あの子は、聖女の力を求めていた。聖女の力を手に入れて、魔法を完成させるために……そして、私も聖女の力を求めてた」
魔女はそこまで言うと、ティーカップを手に取り、中に入っているお茶を飲む。
そのお茶が無くなったのか、ポットからおかわりを注ぐ。
私はその様子をじっと見つめながら、彼女の言葉の続きを待った。
「私は聖女の力が羨ましかった……聖女になりたかった………」
「聖女になりたかった?」
「えぇ、それであの子はこう言ったの。俺の力なら聖女の力を奪えるってね!
あの時は本当に嬉しかったわ!夢にまで見た聖女になれるって!けれど……現実はそう上手くいかないのね、貴女達にバレてしまったもの」
魔女は少し悲しそうな顔をして、ため息をついた。
私はなんて声を掛けたらいいのか分からず、ずっと俯いていた。
すると、魔女は私の手をそっと握ってきた。
驚いて顔を上げると、そこには優しい微笑みを浮かべる魔女がいた。
「ねぇ?今からでも私の為に力をくれないかしら?ね?」
「それは……出来ません。私には聖女としての使命があります。それに……私の力を手に入れて聖女になったとしてどうするつもりなのですか」
私は、魔女の目を見てはっきりと答える。
すると、魔女はくすくすと笑い始めた。
「それは勿論、私の事を馬鹿にしてきたやつらを見返してやる
のよ。そして、あの子と一緒に復讐をするの」
「復讐………」
魔女の言葉を聞き、私は絶句してしまった。
彼女は狂っている、と思った。それと同時に、とても怖くなった。
このままではいけないと思い、何とか説得しようと口を開く。
しかし、それよりも先に魔女が喋り出してしまう。
「ねぇ?ルカも思ったことがあるでしょう?自分の事をいじめて馬鹿にしてきた人間を消したいって……ねぇ?ルカ?」
魔女は私に向かって手を伸ばしてくる。
私はその手を避けるように後ろに下がる。
これ以上、彼女と関わればダメだ。
本能的にそう思い、私達は急いで出口に向かう。
だが、突然後ろから腕を掴まれてしまう。
「何で逃げるのですか?話しはまだ終わってないですよ?」
「もう、十分です……!」
「でも、まだ聞きたい事があるのでしょう?あの精霊の事とか」
「……!!ムルの事を知っているのですか……!?」
私は勢いよく振り向く。
すると、魔女は笑顔で答えてくれた。
しかしその目は笑っておらず、どこか冷たく感じるものだった。
私は無意識のうちにゴクリと唾を飲み込む。
そして、魔女はゆっくりと話し始めた。
「やっと振り向いてくれた、さぁ……お話ししましょう」
その時、あの子は一人で泣いていたの。
あの時は驚いたわ、だって森の中で子供が一人きりなんだもの。
迷子かと思って私が近づいたら………
「どうしたと思うかしら?」
「……助けを求めたとか……ですか?」
私が答えを言うと、魔女は残念と言いながら自分の腕を見せてくる。
彼女が見せてきたその腕には、くっきりと痣が残っていた。
「コレは……」
「あの子ったらね、私に対して攻撃してきたのよ!しかも、闇魔法を使って!」
魔女は嬉しそうに話す。
その表情からは、怒りは全く感じられなかった。むしろ楽しそうにも見える。
「あの子はね、魔女でも何でも無い……ただの人だったの。なのに、あんな魔法が使えた。それで私思ったの!この子を私の物にしようって!!」
魔女は興奮気味に話している。
私はそんな彼女を、ただ黙って見ているしか出来なかった。
魔女はふぅっと息をつくと、再び話し始める。
「それでね、あの子に言ったの!私の所に来ないって、最初は警戒していたけれど最終的に良いよ、って言ってくれた」
「それからどうしたのですか……?」
「まずは、何であんな所にいたのか?その魔法は誰から教わったのか?とか色々聞いてみたわ、そして……あの子が聖女に執着していることが分かった」
「聖女にですか……?」
「えぇ、聖女……貴女の事よ、ルカ。あの子は、聖女の力を求めていた。聖女の力を手に入れて、魔法を完成させるために……そして、私も聖女の力を求めてた」
魔女はそこまで言うと、ティーカップを手に取り、中に入っているお茶を飲む。
そのお茶が無くなったのか、ポットからおかわりを注ぐ。
私はその様子をじっと見つめながら、彼女の言葉の続きを待った。
「私は聖女の力が羨ましかった……聖女になりたかった………」
「聖女になりたかった?」
「えぇ、それであの子はこう言ったの。俺の力なら聖女の力を奪えるってね!
あの時は本当に嬉しかったわ!夢にまで見た聖女になれるって!けれど……現実はそう上手くいかないのね、貴女達にバレてしまったもの」
魔女は少し悲しそうな顔をして、ため息をついた。
私はなんて声を掛けたらいいのか分からず、ずっと俯いていた。
すると、魔女は私の手をそっと握ってきた。
驚いて顔を上げると、そこには優しい微笑みを浮かべる魔女がいた。
「ねぇ?今からでも私の為に力をくれないかしら?ね?」
「それは……出来ません。私には聖女としての使命があります。それに……私の力を手に入れて聖女になったとしてどうするつもりなのですか」
私は、魔女の目を見てはっきりと答える。
すると、魔女はくすくすと笑い始めた。
「それは勿論、私の事を馬鹿にしてきたやつらを見返してやる
のよ。そして、あの子と一緒に復讐をするの」
「復讐………」
魔女の言葉を聞き、私は絶句してしまった。
彼女は狂っている、と思った。それと同時に、とても怖くなった。
このままではいけないと思い、何とか説得しようと口を開く。
しかし、それよりも先に魔女が喋り出してしまう。
「ねぇ?ルカも思ったことがあるでしょう?自分の事をいじめて馬鹿にしてきた人間を消したいって……ねぇ?ルカ?」
魔女は私に向かって手を伸ばしてくる。
私はその手を避けるように後ろに下がる。
これ以上、彼女と関わればダメだ。
本能的にそう思い、私達は急いで出口に向かう。
だが、突然後ろから腕を掴まれてしまう。
「何で逃げるのですか?話しはまだ終わってないですよ?」
「もう、十分です……!」
「でも、まだ聞きたい事があるのでしょう?あの精霊の事とか」
「……!!ムルの事を知っているのですか……!?」
私は勢いよく振り向く。
すると、魔女は笑顔で答えてくれた。
しかしその目は笑っておらず、どこか冷たく感じるものだった。
私は無意識のうちにゴクリと唾を飲み込む。
そして、魔女はゆっくりと話し始めた。
「やっと振り向いてくれた、さぁ……お話ししましょう」
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