若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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大好きな人

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出掛けようと家の外に出ると、そこにはルークが立っていた。
まさかこんな所にルークがいるとは思わなくて、思わず大声でルークの名前を呼んでしまった。
ルークも私の声にびっくりしたのか、驚いたような声で私の名前を呼ぶ
何でこんな所にルークがいるのか分からないけれど、そんな事より今は
ルークが無事に帰ってきた事の方が嬉しくて、私はルークに抱き着こうとした
けれど、ルークは、私の事を拒絶するかの様な反応で、私が何かしちゃったのか……そう思い、ルークにどうして?と聞けば、なんとも可愛らしい答えが
返って来て、私は止めようとするルークの声も聞かず、ルークに抱き着いた。
耳まで真っ赤になって慌ててる姿のルークは何だか新鮮で、とっても可愛かった。
「ふふっ」
「ルカ?どうしたんだ?」
「いえ、何だか日常が帰ってきたなぁ……と思って」
「そうか、俺も今そう思ってた所だった」
「ルーク……」
ルークはそう言って私を見て優しく微笑んでくれた。
たったそれだけの事なのに、何でだろう……胸が苦しいくらいドキドキして顔が熱くなっていくのが分かる。
何だか……ここ数日離れていただけなのに、ルークの事がもっと好きになってる気がする。
そんな事を考えていると、ルークが私の名前を呼んで手を差し出してきた。
私は戸惑いながらもルークの手を握ってみる……すると、ルークはまた優しく微笑んで、私の耳元まで顔を近づけてきた。
私は思わず身構えてしまう。ルークは一体何を考えているのだろうか……? そんな事を考えていると、ルークは熱を帯びた声で私に囁いて来た。
「愛してるよ、ルカ……」
その言葉に胸が苦しくなる……そして、恥ずかしくなって思わずルークの手を離してしまった。
顔が熱い、きっと私の顔は今真っ赤になっている筈だ。
そんな私を見てルークはクスクスと笑っている、凄く恥ずかしくて私は必死に顔を隠すが、直ぐにその手をどかされてしまった。
「照れてるの……?可愛い」
「だって……急にそんな事言われたら……」
「ルカは俺の事どう思ってる?」
「そ、それは……」
「ね?教えて?」
ルークはそう言って、私の頬にそっと手を添えて来た。
あぁ……ダメだ、こんなの抗える訳がない。
私は観念してルークの質問に答えようと口を開いた。
そして……
「私も愛しています……」
「俺も愛してるよ……」
「ルーク……んんっ」
唇に柔らかい感触が触れて、思わず目を閉じる。
何度も何度も繰り返されるそれに頭がくらくらして何も考えられなくなる……あぁ、凄く幸せだ。
もっとこうしていたい……そう思った瞬間ルークの唇が離れる それが寂しくて私は無意識にルークの顔を見つめてしまった。
そんな私を見てルークはクスクスと笑うと、人差し指を私の唇に当てた。
「ごめんね、今日はここまで、もう帰らないと」
「もう帰っちゃうの……?」
「うん、まだやる事が残っているんだ……それが全部終わったらまた、ルカに会いに来るからそれまでいい子で待てる?」
「はい……ルークは私達の為に頑張っているんですもんね、我儘を言ってごめんなさい」
そう言いルークに微笑むと、ルークは微笑んで私の頭を撫でて来た。
そして、頬にキスをしてくれた。
「ルーク、頑張ってくださいね」
「うん、ありがとう」
そう言ってルークは、私に手を振ると去って行った。
ルークの背中を見送りながら、私は自分の唇にそっと触れる、まだルークの温もりが残っているような……そんな気がして、寂しいけれどルークが頑張っているのだからと自分に言い聞かせた。
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