若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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ルークへのお願い

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「それで、さっきの声は何だったのですか?」
「あぁ……実は、上の人達とコンタクトをとる事が出来て
さっきまで、話をしてきたんだ」
ルークのその言葉に、私は思わず目を見開き小さく声を上げた。
まさか、こんなに早く上の人達と話をすることが出来ると思っていなかったからだ。
「電話越しだったけれど、色々と話をすることが出来て、その辺りは良かったんだけど……」
「だけど……?どうかしたんですか?」
ルークは言いにくそうに、頭を掻いて視線を逸らした。
そして、小さく溜息を吐いてから私の方を見て苦笑いをした。
「電話越しだからと、ルカの悪口ばかり言い始めてね……本当に情けないと思ったよ、子供ならまだしも、国の上に立つ人間が陰でコソコソと……」
ルークはそう言って、深く溜息を吐き出した。
そして、申し訳なさそうな顔を浮かべて私を見つめ、ごめんねと言った。
私は小さく首を振り、気にしないでください。と答えた。
「ルークは何も悪くありません、悪いのはあの人達ですから。それに、人間誰でもそういう部分はあるものですから」
私がそう言うと、ルークは少し驚いた様な表情を浮かべてから小さく微笑み頷いた。
そして、立ち上がって私に近づいて来て私の頭にポンっと手を置くと ありがとう、ルカは本当に優しいねと言って撫でてくれた。
「ルーク……」
「そうだ、ルカがここに来るって事は何か用事があったんでしょ?」
「忘れてました……!私、ルークに話したい事があって来たんです」
そう言って、私はバッグの中からノートを取り出しそれをルークの前に差し出した。
ルークは不思議そうに首を傾げながらそのノートを手に取り私の目を見つめる。
「見てもいいの?」
「はい、このノートにはこれからの事を書き出してみたんです」
私はそう言いながら、ノートを一枚捲りそこに書かれている内容をルークに見せた。
ノートには、これから必要になっていくであろう物の事や、沙羅達の勉強の事
そんな事が書かれている。
「それと……沙羅達の事で、話したい事もあって」
「二人の事?もしかして上手くいってないとか……?」
「いいえ、その逆です。あの二人の成長は凄く早いです。
なので、もう次のステップに進むべきだと私は思っているんです」
私の言葉に、ルークは少し考え込んだ後小さく頷いてから私に尋ねた。
「その為の道具を集めたいから、俺の所に来たって事?」
私がそれに頷き答えると、ルークは少し悩んだ後分かった。と言って私に微笑んだ。
「俺も、皆の力になりたいから……任せて」
「ありがとうございます、それと一つ気になる事が……」
「気になる事?それは沙羅達の事?」
「いいえ、沙羅達とは直接関係無いのですが……」
私はそう言って、一呼吸置いてから言葉を続けた。
ルークは首を傾げながら私を見つめていて、私の次の言葉を待っているようだった。
「沙羅以外にも、異世界から来た人がいるらしいんです」
「……それは本当?」
「はい、実際にその人にも会いました」
私がそう答えると、ルークは目を見開き驚いた表情を見せた。
無理もない、私だってその話を聞いた時、その話が信じられなくて
夢でも見ているんじゃないかと思ったほどだ。
「ルカがふざけて言ってる訳じゃないって事は分かってるけど、まだ信じられなくて……ごめん……」
「いいえ、そう思うのは当たり前です。……ルークも、その人に会ってみませんか?まだ、その人に許可は取れてませんがルークが行きたいと言うなら、聞いてみます」
私がそう答えると、ルークは腕を組み悩むような仕草をした後小さく頷き私を見つめた。
「お願い出来るだろうか?」
「えぇ、もちろんです」
私がそう答えると、ルークは嬉しそうに微笑んだ。
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