228 / 321
次のステップへ
しおりを挟む
「ふぅ~~やっと終わったよ~~」
「ふふ、お疲れ様です。よく頑張りましたね」
「フィリス……!!もっと褒めて~!」
「よしよし、いい子です」
フィリスはそう言って、私の頭を優しく撫でて褒めてくれる。
フィリスの方をチラッと見れば、満面の笑みで私を見つめていて つられて私も笑顔になってしまう。
「ふふ、本当にお二人共仲良しなのですね」
私がフィリスと笑い合っていると、アマミヤさんが微笑ましそうにこちらを見つめそう呟くと、本棚の隙間から、ニヤニヤとしながら、ウィル先生が顔を出した。
「そうそう、僕も見てて恥ずかしいくらいだよ」
ウィル先生は呆れながらも私達の事を見ていた。
すると、フィリスは小さく咳払いをして私の頭から手を離した。
「こほん、覗き見だなんて趣味が悪いんじゃないんですか?ウィル先生」
「えぇ!?何で僕が怒られてるの?!」
「当然です、ねぇ?沙羅」
「あはは……まぁ、ウィル先生も悪気があった訳じゃないから、許してあげてよ」
私が苦笑いを浮かべながらそう言うと、フィリスは不満そうな表情を浮かべるが、それ以上は何も言わなかった。
ウィル先生は安心したように一息吐くと、私達の前の席に腰掛ける。
「さてと、ちゃんと出来たのか見せて貰おうかな」
「はい、お願いします!」
私はウィル先生にノートを差し出すと、ウィル先生はノートを開いてそれに視線を落とした。
しばらく沈黙が続き、私は不安に思いながらウィル先生の答えを待った。
……しばらく待つと、ウィル先生がノートから視線を外して私の方を見つめた。
そして、優しく微笑みながら口を開いた。
「よく頑張ったみたいだね、お疲れ様」
「ありがとうございます……!!」
「フィリスさんも、ちゃんと理解出来たみたいで安心したよ」
ウィル先生は腕を組み、うんうん、と頷きながら私達の事を見つめている。
安心したせいか、体の力が抜けて机に突っ伏す様に顔を下げた。
すると、横からクスクスと笑い声が聞こえてきて視線を上げると フィリスが私を見て微笑んでいた。
「頑張りましたね、沙羅」
「うん、フィリスも……これで後は、ルカの授業を受けるだけだね」
「はい、それまでは少し休憩です」
そう言って、フィリスはまた私の頭を撫でた。
子供扱いされてる様でちょっと恥ずかしかったけれど 不思議と嫌な感じはしなかったのでそのまま頭を撫でられる事にした。
すると、ウィル先生が立ち上がり私達の事を見てから口を開いた。
「僕はおじゃま虫みたいだから、退散するよ。お疲れさまでした」
そう言ってウィル先生は手を振り図書室から出て行った。
それを見ていたアマミヤさんは、ウィル先生ってホントに分からないのね。と
小さく呟いた。
「変わらないってウィル先生が?アマミヤさんはウィル先生と知り合い
なんですか?」
「えぇ、ウィル先生には昔色々とお世話になったんです」
にっこりと微笑むアマミヤさんを見て、私は少し考え込んだ。
ウィル先生の性格はあんな感じだから、お世話になってても不思議ではないけれど、でもアマミヤさんの表情からは普通の生徒と先生と言う関係には見えなかった。
「色々気になるっていう顔をしてますね、でも高木さんが思うような関係ではありませんよ」
私の思っていた事を読み取ったのか、アマミヤさんはそう言ってクスッと笑った。
「一言で表すのなら……そうですね、聖女様と同じような関係、と言えば
分かりやすいでしょうか?」
そう言って楽しそうに笑うアマミヤさんを見て、私は納得するしかなかった。
「ふふ、お疲れ様です。よく頑張りましたね」
「フィリス……!!もっと褒めて~!」
「よしよし、いい子です」
フィリスはそう言って、私の頭を優しく撫でて褒めてくれる。
フィリスの方をチラッと見れば、満面の笑みで私を見つめていて つられて私も笑顔になってしまう。
「ふふ、本当にお二人共仲良しなのですね」
私がフィリスと笑い合っていると、アマミヤさんが微笑ましそうにこちらを見つめそう呟くと、本棚の隙間から、ニヤニヤとしながら、ウィル先生が顔を出した。
「そうそう、僕も見てて恥ずかしいくらいだよ」
ウィル先生は呆れながらも私達の事を見ていた。
すると、フィリスは小さく咳払いをして私の頭から手を離した。
「こほん、覗き見だなんて趣味が悪いんじゃないんですか?ウィル先生」
「えぇ!?何で僕が怒られてるの?!」
「当然です、ねぇ?沙羅」
「あはは……まぁ、ウィル先生も悪気があった訳じゃないから、許してあげてよ」
私が苦笑いを浮かべながらそう言うと、フィリスは不満そうな表情を浮かべるが、それ以上は何も言わなかった。
ウィル先生は安心したように一息吐くと、私達の前の席に腰掛ける。
「さてと、ちゃんと出来たのか見せて貰おうかな」
「はい、お願いします!」
私はウィル先生にノートを差し出すと、ウィル先生はノートを開いてそれに視線を落とした。
しばらく沈黙が続き、私は不安に思いながらウィル先生の答えを待った。
……しばらく待つと、ウィル先生がノートから視線を外して私の方を見つめた。
そして、優しく微笑みながら口を開いた。
「よく頑張ったみたいだね、お疲れ様」
「ありがとうございます……!!」
「フィリスさんも、ちゃんと理解出来たみたいで安心したよ」
ウィル先生は腕を組み、うんうん、と頷きながら私達の事を見つめている。
安心したせいか、体の力が抜けて机に突っ伏す様に顔を下げた。
すると、横からクスクスと笑い声が聞こえてきて視線を上げると フィリスが私を見て微笑んでいた。
「頑張りましたね、沙羅」
「うん、フィリスも……これで後は、ルカの授業を受けるだけだね」
「はい、それまでは少し休憩です」
そう言って、フィリスはまた私の頭を撫でた。
子供扱いされてる様でちょっと恥ずかしかったけれど 不思議と嫌な感じはしなかったのでそのまま頭を撫でられる事にした。
すると、ウィル先生が立ち上がり私達の事を見てから口を開いた。
「僕はおじゃま虫みたいだから、退散するよ。お疲れさまでした」
そう言ってウィル先生は手を振り図書室から出て行った。
それを見ていたアマミヤさんは、ウィル先生ってホントに分からないのね。と
小さく呟いた。
「変わらないってウィル先生が?アマミヤさんはウィル先生と知り合い
なんですか?」
「えぇ、ウィル先生には昔色々とお世話になったんです」
にっこりと微笑むアマミヤさんを見て、私は少し考え込んだ。
ウィル先生の性格はあんな感じだから、お世話になってても不思議ではないけれど、でもアマミヤさんの表情からは普通の生徒と先生と言う関係には見えなかった。
「色々気になるっていう顔をしてますね、でも高木さんが思うような関係ではありませんよ」
私の思っていた事を読み取ったのか、アマミヤさんはそう言ってクスッと笑った。
「一言で表すのなら……そうですね、聖女様と同じような関係、と言えば
分かりやすいでしょうか?」
そう言って楽しそうに笑うアマミヤさんを見て、私は納得するしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
【完結】王子は聖女と結婚するらしい。私が聖女であることは一生知らないままで
雪野原よる
恋愛
「聖女と結婚するんだ」──私の婚約者だった王子は、そう言って私を追い払った。でも、その「聖女」、私のことなのだけど。
※王国は滅びます。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
私を裁いたその口で、今さら赦しを乞うのですか?
榛乃
恋愛
「貴様には、王都からの追放を命ずる」
“偽物の聖女”と断じられ、神の声を騙った“魔女”として断罪されたリディア。
地位も居場所も、婚約者さえも奪われ、更には信じていた神にすら見放された彼女に、人々は罵声と憎悪を浴びせる。
終わりのない逃避の果て、彼女は廃墟同然と化した礼拝堂へ辿り着く。
そこにいたのは、嘗て病から自分を救ってくれた、主神・ルシエルだった。
けれど再会した彼は、リディアを冷たく突き放す。
「“本物の聖女”なら、神に無条件で溺愛されるとでも思っていたのか」
全てを失った聖女と、過去に傷を抱えた神。
すれ違い、衝突しながらも、やがて少しずつ心を通わせていく――
これは、哀しみの果てに辿り着いたふたりが、やさしい愛に救われるまでの物語。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる