若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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久しぶりのお買い物

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朝、パチッと目が覚めて体を起こし背伸びをする。
んー!と声を出して力を抜いてからベッドから降り、身支度を整える。
今日は、昨日言っていた町へ買い物へ行く日。
少しだけわくわくしている自分に気付いて 子供みたいだ……と一人で苦笑しつつ、準備を進めていく。
********
朝食を済ませ、出掛けてくるとメイドさん達に伝え外に出る。
今日はとても良い天気で、絶好のお出掛け日和だ。
すぅ、と深呼吸をすれば、新鮮な空気が胸いっぱいに広がり、体が軽くなるようなそんな気がした。
「まずは……何処に行こうかな……」
今日は、お菓子を作る為の材料を買うと決めていたけれど
どんなお菓子を作るか決めないで来てしまったので、何を作ろうか迷っていた。
「やっぱり、クッキーとか、カップケーキとかがいいかしら……」
そんな事を呟きながら歩いていると、良さそうなお店を見つけ
中に入ってみることにした。
店内には、色々な材料から道具まで揃っていて、このお店ですべての
材料が買えそうな程、品揃えが良かった。
私は目に入った材料を手に取り、一つ一つ確認するように見ていく。
「これと……あとこれも……そうだ、折角だし新しい型を買っていこうかしら」に向かう。
定番の丸形や、ハート型や、動物の形をしたものなど色々な型があり
どれにしようかと悩む。
すると、ふとある型が目に入り私はそれに手を伸ばしてみる。
それは、星型や月の形をした型で、シンプルだけど、デコレーションすれば
とても可愛らしい形になるのでは無いかと、思った。
それを手に取り、じっと見つめる。
「これにしましょう、あとは……」
私は星型の型を手に取り、カゴに入れると、ラッピング用品のある売り場まで移動する。
その売り場では、綺麗な色の包装紙やリボンなどが沢山あり、その中から気に入った物を選びカゴに入れていく。
そして私はそのまま会計を済まし、店を出た。
********
買い物を済ませた後は、のんびりと町の中を歩いてみる事にした。
久しぶりの外に出たのだから、色々とお買い物もしたいけれど 一先ずは町の様子をゆっくりと見てみようと思った。
しばらく歩いていると、噴水のある広場に辿り着き 私はそこに設置されているベンチに腰を掛け、ふぅ。と一息つく。
周りを見渡せば、子供達が元気よく走り回り、家族連れの人達は皆笑顔で歩いていた。
こんな平和な国なのに、裏ではあんな事が行われていたなんて……
「私達が何とかしないとね……」
私はそう呟いて、手のひらをギュっと握った。
しばらく周りを眺めた後、ふぅ、と息を吐きベンチから立ち上がり
最後に寄りたいと思っていたお店へと、足を進めた……
カランカランと心地良い鐘の音が鳴る。
お店の中に入れば、紅茶のいい香りと、ケーキの甘いの香りが鼻腔をくすぐる。
このお店は、紅茶が美味しいと有名で、茶葉の量り売りもしている為
茶葉をお土産に買うお客さんもいるくらい、人気がある。
そして、今日の私のお目当てはその茶葉だった。
「いらっしゃいませ、1名様ですか?」
「今日は、茶葉を買いに来たのですが……」
店員さんにそう伝えれば、笑顔でかしこまりました。と言われ茶葉のコーナーまで案内してくれる。
店員さんと色々と会話をしながら、目当ての茶葉を買い終えると 
今度は、飲みにきてくださいと、お誘いを受けてしまった。
もちろん私はその誘いを受け入れ、近い内に必ず行きます。と言ってお店を後にした。
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