若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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モヤモヤする気持ち

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結局、私は一人で裏の森へと来ていた。
森は昨日と変わらない姿で、私の事を出迎えてくれた。
やはり、この森はいつ来ても何処か不思議で幻想的な雰囲気を醸し出している。
「ここは本当に変わらないわね…………はぁ、私は一体何を忘れているの…………」
湖を眺めながら、私はそう呟く。
何か思い出せそうな気はするのに、思い出せない自分が悔しくて
私は手のひらをギュっと握り、俯く。
その時、ガサリと私の後ろの草むらが揺れて、私はハッとして振り返る。
「誰かいるの?」
そう問いかけるけれど、私の声だけが森に響き渡る。
けれど、やっぱり私の近くに何かいるような……そんな気配を感じるけれど
その気配の存在を、私は確認することが出来なかった。
「ねぇ…………答えて……そこに、何かいるんでしょう?」
私の問いに答えるように、風が頬を撫で消えていく。
やっぱり、気配の正体は掴めないままだった……
「帰りましょう……」
すっと、立ち上がり最後に湖をもう一度、見てから私は裏の森を後にした。
そしてそのまま私は家に戻り、またいつものように一日を過ごす。
けれど……やっぱり思い出せずじまいだった。
あの気配は一体なんなのか……私が忘れている事と何か関係があるのか それとも他に理由があるのか……
「頭が痛くなってくるわね……」
でも、このモヤモヤとした気持ちを晴らさないと気が済まなかった。
何か……そう、きっかけがあれば思い出せそうな気がするのに……
それが一体なんなのか、私には分からなかった。
そんな、私が悩んでいる間にも時間は過ぎていく。
********
私が色々悩んでいる間にも時間は過ぎていき、今日は沙羅達の勉強を見る為
学園へと向かう日だった。
ルークには、もう連絡してあるので私は急いでルークとの待ち合わせ場所まで
向かう事にした。
********
早足で、待ち合わせ場所に向かうとそこにはルークがもう待っていて 私を見つけた瞬間に、小さく手を振った。
私はそれに笑顔で答えながら、待たせてごめんなさい。と言えば、大丈夫だよとルークが言う。
そんなルークと一緒に学園まで歩き出す。
「そう言えば……沙羅達から聞いたけど、何か忘れているって……」
隣を歩くルークが私にそう問いかける。私は小さく頷き、そうなの……と答えると、何処か心配そうな顔をしたので私は慌てて、大丈夫!と答えた。
「きっとそのうち思い出すから……それに何かあればルークに相談するし……」
「無理……しないでね?俺達はいつだってルカの味方なんだから、もし辛い事とかあるんだったらいつでも相談してほしい」
そう言ってくれるルークの気持ちが嬉しくて、私はありがとう。とお礼を言った。
「さて、今日は沙羅達のお勉強会ですから、気持ちを切り替えましょう?」
私がそう言えば、ルークはそうだね。と言って、いつもの笑顔を私に向ける。
そうだ……今は沙羅達のお勉強会に集中しないと……私はそう自分に言い聞かせた。
学園に着き、私達は学園長室へと足を進める。
扉をノックをした後、学園長の返事があり私達は失礼します。と言って中に入った。
「おぉ、良く来たね」
「お久しぶりです、今日は沙羅さん達の……」
「分かっている、彼女達にはもう裏の森へ行くように言ったよ。
きっと、今頃向かっている頃だろう」
そうなら良かった……とホッと一息ついて私は改めて学園長に挨拶をし
学園長室を後にした。
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