若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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魔力を取り戻す為のヒント

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「私達の力を合わせるって言っても……どうやればいいんだろう?」
「そうですよね……何かヒントになりそうな事は無いのですか?」
「ごめんなさい、私にも皆で力を合わせる、と言う事しか分かっていないの」
私がそう言えば沙羅はそっか……と小さく呟き、難しそうな顔をしながら考え込んでしまった。
フィリスも何かヒントになる様な事は無いかと考え込んでいる。
「これが、ゲームの世界とかアニメの世界なら合体技みたいなので簡単に解決できそうなのにな~~」
「あにめ……?というのは……?」
「あ!私がいた世界であったお話でね、皆の力を集めて一つにすれば 凄い力が使える!みたいな話があったり、合体技で敵を倒したりするんだよ」
沙羅は身振り手振りでフィリスに伝えようと必死だった。
けれどフィリスはいまいちピンと来ていない様だった、かくいう私も沙羅の話を理解する事は難しく
あにめ……というのは、沙羅の世界であった創作話の事だと言う事しか分からなかった。
そんな事を考えていると、沙羅は何か思いついたのかポンと手を打った後 目を輝かせながら口を開いた。
「私達も合体技試そう!!こう……皆の息を合わせて魔法を使えばムルの力も戻るんじゃないかな!?」
「言うのは簡単ですが……私達の魔力の差では上手くいくか分かりませんよ?」
フィリスの言葉を受けて、沙羅はそっかぁ……と肩を落としてしまった。
確かにフィリスの言う通りだけれど、折角沙羅が思いついた事……少し試してみるくらいなら
いいかもしれない。
「少し試すくらいなら良いんじゃないかしら?」
私はそう言って、沙羅の頭を撫でた。
すると、落ち込んでいた様子の沙羅が私の方をパッと見つめてきたので私は微笑んで見せた。
すると、沙羅は少し照れくさそうに笑いながらも嬉しそうな顔を浮かべてくれた。
「ありがとうルカ……!私も上手くいくとは思ってないけれど、でも試さないで諦めるのは嫌だったから」
「ふふ、沙羅らしいわね……それで、フィリスはどうしますか?」
「………もちろん私もやります!沙羅のしたい事は全て叶えてあげたいもの」
「フィリス……!!ありがとう!!だーいすき!」
「きゃっ!?沙羅!」
フィリスの返事に大喜びした沙羅が、勢いよくフィリスに抱き着けば 驚いた様な声を上げたフィリスはバランスを崩してそのまま尻もちをついてしまった。
そんな二人のやり取りを見て私はクスクスと笑うと、そんな私に気付いたのか二人は少し恥ずかしそうにしていた。
「早速……といきたいところですが、今日はもう陽が沈みますし今度集まるときにでも試しましょう?」
「そうだね、これ以上遅くなったら門限までに帰れないかもだし……次はいつ出来る?」
「今度人と会う約束がありますから……来週には出来るかと思います」
私の返事に沙羅とフィリスは分かった、と頷いた。
「それでは来週……またこの場所で」
「うん!それまでに私達も自主練しておかないとね!」
沙羅はフィリスに向かって笑いかければ、そうですね、とフィリスも笑顔で頷いていた。
そして、その日はそのまま解散する事にした私達はそれぞれの家へと戻ったのだった。
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