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第2章 少年期前編
閑話 とある護衛団の集い
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とある晩の酒場にて——。
「今日のシンくん見たぁ!?
ワイバーンが五匹も出てきた途端に飛び出して、バッサバッサとその首を跳ね飛ばしてたわっ!」
サリアが興奮さめやらん、と言わんばかりに鼻息荒く声を上げる。
「そりゃ俺たち全員いる目の前でやってのけたんだから見てるに決まってるだろ」
ガウェンが呆れ顔でそう答える。
「あによ、ガウェン。
シンくんの勇姿を見て何とも思わない訳!?
あんたそれでも男なのっ!?」
ガウェンの胸ぐらを摑みかかるサリア。
ぐえぇ、と呻くガウェン。
「やめて下さいよ、サリアさんっ!
もー、酔っ払った挙句にシン君の事となるとすぐに頭に血がのぼるんですからっ!」
セリーヌが慌ててそれを止める。
「ま、確かにあの子は本当に凄まじいわ。
同じ魔法使いとしては、肩身が狭いったら無いわね」
ローラはそう言って溜息をつき、果実酒を一口飲む。
「でしょ!?でしょ!?
もー、ホントカッコイイんだよねー、シンくん」
両手を合わせて目がハートになっているサリア。
「ガッハッハッ!
だがなー、当のシンはまだ子供だぞ、サリア。
まだ色恋沙汰がどうのってのにはちと早かろう」
そう言ってガハハと笑うローランド。
「確かにそうなんですけどね。
でもあと五年経てばシンくんも結婚出来ますし、その時までにシンくんと愛を育めば良いだけですからっ!」
そう言って控えめな胸をドンと叩くサリア。
「とは言うがな、サリア。
当のシンはお前にそこまで固執してはいないん……っ!グハッ!」
ガウェンの鳩尾にサリアの拳が突き刺さる。
そして吊り目の瞳がより一層釣り上がり、ガウェンを睨み付ける。
「なんか言った?ガウェン?」
その場の全員が戦慄する。
この女こっわ、と。
次いでセリーヌが慌ててガウェンにヒールをかける。
「でも実際、シン君はどんな女性が好みなのかとか、聞いたことあるんですか?」
ラントがサリアに問いかける。
それを聞いてサリアは目を丸くして、んー、と考え込む。
「確かに、聞いたことないわ。
今度聞いてみましょう」
そう言って、私みたいなのが好みかなぁ、とブツブツ呟くサリア。
それは聞かなかった事にするラント。
すると、復活したガウェンがテーブルに手をつき立ち上がる。
「サリアっ、お前がシンの事を心酔してるのはわかってるが。
お、俺は……お前の事が……」
ガウェンが意を決して口を開こうとするが、その前にサリアが閃いたかのように両手をついて顔を輝かせる。
「あ、これから聞きに行けばいいか。
ちょっとネラの宿屋まで行ってくるね!」
そう言って酒場を飛び出すサリア。
残されたガウェンは手を伸ばし、あ……、と呟く。
「あんたも物好きね、ガウェン。
でも見ての通り、サリアはシンに首ったけよ」
呆れ顔でそう言うローラ。
肩を落とすガウェン。
「ガウェンよ、お前、まだ想いを伝えておらんのか?」
ローランドはいつになく真顔で尋ねる。
「え、えぇ。
サリアはここ最近シンの事ばかりしか頭にありませんから、なんだか伝えるタイミングが無くて……」
「サリアさん、口を開けば九割方シン君の事ですからね。
残り一割は食べる事か文句ですかね」
ラントはそう言って苦笑いする。
「それでもだ、ガウェン。
自分の想いを伝えねば始まるものも始まらん。
例えそれが玉砕覚悟だったとしても、自分の気持ちをぶつける勇気が大事なのだ。
わかるか?」
ローランドはそう言って小樽のエールを煽る。
「そ、そりゃあ俺だってわかってますけど……」
そう言って席に着き、同じくエールを一飲みするガウェン。
「花束を持って告白とかどうですか!?
女の子は一度は憧れるシチュエーションです!」
セリーヌが前のめりにそう提案する。
「は、花束ぁ?
柄じゃないって、そんなの」
ガウェンは首を振る。
「柄じゃないのが良いんですよ。
普段とは違う自分を見せれば、サリアさんも見る目が変わるかもしれませんっ!」
「ほんとかよぉ?」
疑わしげに言うガウェン。
「うーん、サリアは花束もらって喜ぶタイプじゃないんじゃない?」
ローラが眉間にしわを寄せてそう言った。
「そんじゃあ、何もらったら喜ぶんだ?」
そうガウェンが尋ねると、セリーヌとローラは顔を合わせて小首を捻る。
「なにか、美味しいものですかね?」
「鳥の串焼きでもあげたら?」
その返答に溜息をつくガウェン。
それを見てガッハッハと笑うローランド。
「なんにせよ、一歩踏み出す事が大事だなガウェンよ。
当たって砕けろ、というヤツだ。
ガッハッハッハ!」
ローランドはそう言って豪快に笑う。
「砕ける事前提なんスね……」
それを聞いて更に深い溜息をつくガウェン。
そんな事を話している間に、酒場にトボトボとサリアが戻ってきてテーブルの席に着く。
そしてテーブルに突っ伏した。
「さ、サリアさん、どうしたんですか?
シン君はいなかったんですか?」
セリーヌが尋ねるとサリアが突っ伏したまま口を開く。
「シンくんを酒場に誘ったら今日は疲れてるから眠りたいって……。
とりあえずどんな女性が好みかだけでも教えて、ってせがんだら、物分かりがいい女性がタイプです、だって……」
シクシク泣くサリア。
テーブルを囲んでいる一同は皆顔を見合わせ、そそくさと席を立った。
皆、ガウェンに「お前がどうにかしろ」というアイコンタクトを送ってから。
残されたガウェンが、俺だけですか!?という顔をするが、最後に席を立ったセリーヌが、頑張って下さいっ!と両手を握って胸の前でフリフリして去っていく。
それを助けを求める瞳で見送ったガウェン。
テーブルに残されたのはガウェンとサリアのみ。
他の皆は物陰から成り行きを見守る。
「な、なぁ、サリア。
そう落ち込むなよ。
そのー、何もお前の事を言った訳でもないんだろ?」
それを聞いてサリアが顔を上げ、ガウェンを睨みつける。
「じゃあ、誰の事を言ってたってのよ?」
その気迫に気圧されながら、ガウェンは続ける。
「そ、そのー、ま、まぁ、なんだ。
シンはまだ子供だろ?
そんな深い意味はないって!」
「シンくんはあんたより考え方はずっと大人よ」
ガウェンの必死のフォローをそう切り捨ててまた塞ぎ込むサリア。
落ち込みたいのは俺の方だっ!とガウェンは思いながら、エールを一気に煽る。
そして、一度深呼吸してから口を開く。
「……サリア。
お、俺は……お前の側にいるぞ」
震えた声でそう告げるガウェン。
その言葉に、はぁ?と疑問顔をしながら頭を上げるサリア。
「つ、つまりだな。
俺は……俺はお前の事が、好きなんだっ!」
言った。
俺は言ってやったぞ。
ガウェンは真剣な眼差しでサリアを見る。
そして物陰に隠れている他の四人も固唾を飲んで成り行きを見守る。
しばしの沈黙。
そしてサリアが口を開く。
「それ、告白?
悪いけど、私はシンくん以外に興味ないから」
アッサリバッサリ、ガウェンの想いは断ち切られる。
「……そんなに、シンがいいのか?」
ガウェンは十以上も離れた少年に敗北した事に肩を落としながら、そう尋ねる。
「そうよ。
あんた、シンくんと一緒にいてわかんない?
あの子は見た目と中身は別物よ。
身体は確かに十歳だけれど、あの強い精神力や志の高さ、寛容な心持ちは年齢とはかけ離れてる。
私達より年上の人と話してるような気分の時があるもの。
あの子は人を惹きつける力を持ってるわ。
側にいたいと思う事は当然だとでしょ?」
そう堂々と公言するサリア。
確かに、シンはあの年齢とは思えない言動が多々ある。
そして、人を惹きつける力があるのも理解出来る。
ガウェンもまた、その一人なのだから。
でもそうね、とサリアは続けた。
「気持ちだけは有難く受け取っておくわ。
あんたなら、もっと良い女が見つかるわよ。
頑張んなさい、ガウェン」
そう言ってガウェンの肩を小突くサリア。
その言葉に、ガウェンは肩の荷は降りたような気がした。
「そうかよ。
そんなら、俺も自分をもっと磨いて、シンにも負けない良い男を目指すよ。
したらお前も、ちっとは俺を見直すだろ?」
そう言ってガウェンは笑った。
「シンくんに負けない良い男を目指すとか、ガウェンも身の程知らずね。
心意気だけは認めたげるけど」
そう言って苦笑いするサリア。
その顔は先程までの落ち込んだ様子から僅かに復活しているようであった。
「今に見てろって。
諦めない気持ちが大事だからな!」
ガウェンは自分に言い聞かせるようにそう言うと、サリアが目を丸くしてガウェンを見つめる。
その眼差しにガウェンはドキッとする。
「諦めない気持ちが大事……そうよね、諦めちゃダメなのよね!」
あれ……?とガウェンは冷や汗をかく。
「あんたもたまには良い事言うじゃないっ!
私、まだまだ諦めないわ!
もっと良い女になってシンくんをメロメロにさせるんだからっ!」
完全復活を果たすサリア。
目が点になるガウェン。
そんな様子をやれやれ、と呆れ顔で身守る他四人の護衛達。
リゼット率いる六人の護衛団の絆はまた一つ強まったのであった。
その後、猛アタックしてくるサリアに逃げ惑うシンを見かける人がジーナスの至る所で目撃されたと言う。
そして、その日をきっかけにガウェンは月に一度、シンに稽古をつけてもらう事にした。
守る事に特化した彼は、知る限りで最も強い矛であるシンと秘密の特訓をしたのであった。
そうして鍛えられたガウェンは、後に“ジーナスの守護神”と呼ばれる程の実力を身に付けるのであった。
「今日のシンくん見たぁ!?
ワイバーンが五匹も出てきた途端に飛び出して、バッサバッサとその首を跳ね飛ばしてたわっ!」
サリアが興奮さめやらん、と言わんばかりに鼻息荒く声を上げる。
「そりゃ俺たち全員いる目の前でやってのけたんだから見てるに決まってるだろ」
ガウェンが呆れ顔でそう答える。
「あによ、ガウェン。
シンくんの勇姿を見て何とも思わない訳!?
あんたそれでも男なのっ!?」
ガウェンの胸ぐらを摑みかかるサリア。
ぐえぇ、と呻くガウェン。
「やめて下さいよ、サリアさんっ!
もー、酔っ払った挙句にシン君の事となるとすぐに頭に血がのぼるんですからっ!」
セリーヌが慌ててそれを止める。
「ま、確かにあの子は本当に凄まじいわ。
同じ魔法使いとしては、肩身が狭いったら無いわね」
ローラはそう言って溜息をつき、果実酒を一口飲む。
「でしょ!?でしょ!?
もー、ホントカッコイイんだよねー、シンくん」
両手を合わせて目がハートになっているサリア。
「ガッハッハッ!
だがなー、当のシンはまだ子供だぞ、サリア。
まだ色恋沙汰がどうのってのにはちと早かろう」
そう言ってガハハと笑うローランド。
「確かにそうなんですけどね。
でもあと五年経てばシンくんも結婚出来ますし、その時までにシンくんと愛を育めば良いだけですからっ!」
そう言って控えめな胸をドンと叩くサリア。
「とは言うがな、サリア。
当のシンはお前にそこまで固執してはいないん……っ!グハッ!」
ガウェンの鳩尾にサリアの拳が突き刺さる。
そして吊り目の瞳がより一層釣り上がり、ガウェンを睨み付ける。
「なんか言った?ガウェン?」
その場の全員が戦慄する。
この女こっわ、と。
次いでセリーヌが慌ててガウェンにヒールをかける。
「でも実際、シン君はどんな女性が好みなのかとか、聞いたことあるんですか?」
ラントがサリアに問いかける。
それを聞いてサリアは目を丸くして、んー、と考え込む。
「確かに、聞いたことないわ。
今度聞いてみましょう」
そう言って、私みたいなのが好みかなぁ、とブツブツ呟くサリア。
それは聞かなかった事にするラント。
すると、復活したガウェンがテーブルに手をつき立ち上がる。
「サリアっ、お前がシンの事を心酔してるのはわかってるが。
お、俺は……お前の事が……」
ガウェンが意を決して口を開こうとするが、その前にサリアが閃いたかのように両手をついて顔を輝かせる。
「あ、これから聞きに行けばいいか。
ちょっとネラの宿屋まで行ってくるね!」
そう言って酒場を飛び出すサリア。
残されたガウェンは手を伸ばし、あ……、と呟く。
「あんたも物好きね、ガウェン。
でも見ての通り、サリアはシンに首ったけよ」
呆れ顔でそう言うローラ。
肩を落とすガウェン。
「ガウェンよ、お前、まだ想いを伝えておらんのか?」
ローランドはいつになく真顔で尋ねる。
「え、えぇ。
サリアはここ最近シンの事ばかりしか頭にありませんから、なんだか伝えるタイミングが無くて……」
「サリアさん、口を開けば九割方シン君の事ですからね。
残り一割は食べる事か文句ですかね」
ラントはそう言って苦笑いする。
「それでもだ、ガウェン。
自分の想いを伝えねば始まるものも始まらん。
例えそれが玉砕覚悟だったとしても、自分の気持ちをぶつける勇気が大事なのだ。
わかるか?」
ローランドはそう言って小樽のエールを煽る。
「そ、そりゃあ俺だってわかってますけど……」
そう言って席に着き、同じくエールを一飲みするガウェン。
「花束を持って告白とかどうですか!?
女の子は一度は憧れるシチュエーションです!」
セリーヌが前のめりにそう提案する。
「は、花束ぁ?
柄じゃないって、そんなの」
ガウェンは首を振る。
「柄じゃないのが良いんですよ。
普段とは違う自分を見せれば、サリアさんも見る目が変わるかもしれませんっ!」
「ほんとかよぉ?」
疑わしげに言うガウェン。
「うーん、サリアは花束もらって喜ぶタイプじゃないんじゃない?」
ローラが眉間にしわを寄せてそう言った。
「そんじゃあ、何もらったら喜ぶんだ?」
そうガウェンが尋ねると、セリーヌとローラは顔を合わせて小首を捻る。
「なにか、美味しいものですかね?」
「鳥の串焼きでもあげたら?」
その返答に溜息をつくガウェン。
それを見てガッハッハと笑うローランド。
「なんにせよ、一歩踏み出す事が大事だなガウェンよ。
当たって砕けろ、というヤツだ。
ガッハッハッハ!」
ローランドはそう言って豪快に笑う。
「砕ける事前提なんスね……」
それを聞いて更に深い溜息をつくガウェン。
そんな事を話している間に、酒場にトボトボとサリアが戻ってきてテーブルの席に着く。
そしてテーブルに突っ伏した。
「さ、サリアさん、どうしたんですか?
シン君はいなかったんですか?」
セリーヌが尋ねるとサリアが突っ伏したまま口を開く。
「シンくんを酒場に誘ったら今日は疲れてるから眠りたいって……。
とりあえずどんな女性が好みかだけでも教えて、ってせがんだら、物分かりがいい女性がタイプです、だって……」
シクシク泣くサリア。
テーブルを囲んでいる一同は皆顔を見合わせ、そそくさと席を立った。
皆、ガウェンに「お前がどうにかしろ」というアイコンタクトを送ってから。
残されたガウェンが、俺だけですか!?という顔をするが、最後に席を立ったセリーヌが、頑張って下さいっ!と両手を握って胸の前でフリフリして去っていく。
それを助けを求める瞳で見送ったガウェン。
テーブルに残されたのはガウェンとサリアのみ。
他の皆は物陰から成り行きを見守る。
「な、なぁ、サリア。
そう落ち込むなよ。
そのー、何もお前の事を言った訳でもないんだろ?」
それを聞いてサリアが顔を上げ、ガウェンを睨みつける。
「じゃあ、誰の事を言ってたってのよ?」
その気迫に気圧されながら、ガウェンは続ける。
「そ、そのー、ま、まぁ、なんだ。
シンはまだ子供だろ?
そんな深い意味はないって!」
「シンくんはあんたより考え方はずっと大人よ」
ガウェンの必死のフォローをそう切り捨ててまた塞ぎ込むサリア。
落ち込みたいのは俺の方だっ!とガウェンは思いながら、エールを一気に煽る。
そして、一度深呼吸してから口を開く。
「……サリア。
お、俺は……お前の側にいるぞ」
震えた声でそう告げるガウェン。
その言葉に、はぁ?と疑問顔をしながら頭を上げるサリア。
「つ、つまりだな。
俺は……俺はお前の事が、好きなんだっ!」
言った。
俺は言ってやったぞ。
ガウェンは真剣な眼差しでサリアを見る。
そして物陰に隠れている他の四人も固唾を飲んで成り行きを見守る。
しばしの沈黙。
そしてサリアが口を開く。
「それ、告白?
悪いけど、私はシンくん以外に興味ないから」
アッサリバッサリ、ガウェンの想いは断ち切られる。
「……そんなに、シンがいいのか?」
ガウェンは十以上も離れた少年に敗北した事に肩を落としながら、そう尋ねる。
「そうよ。
あんた、シンくんと一緒にいてわかんない?
あの子は見た目と中身は別物よ。
身体は確かに十歳だけれど、あの強い精神力や志の高さ、寛容な心持ちは年齢とはかけ離れてる。
私達より年上の人と話してるような気分の時があるもの。
あの子は人を惹きつける力を持ってるわ。
側にいたいと思う事は当然だとでしょ?」
そう堂々と公言するサリア。
確かに、シンはあの年齢とは思えない言動が多々ある。
そして、人を惹きつける力があるのも理解出来る。
ガウェンもまた、その一人なのだから。
でもそうね、とサリアは続けた。
「気持ちだけは有難く受け取っておくわ。
あんたなら、もっと良い女が見つかるわよ。
頑張んなさい、ガウェン」
そう言ってガウェンの肩を小突くサリア。
その言葉に、ガウェンは肩の荷は降りたような気がした。
「そうかよ。
そんなら、俺も自分をもっと磨いて、シンにも負けない良い男を目指すよ。
したらお前も、ちっとは俺を見直すだろ?」
そう言ってガウェンは笑った。
「シンくんに負けない良い男を目指すとか、ガウェンも身の程知らずね。
心意気だけは認めたげるけど」
そう言って苦笑いするサリア。
その顔は先程までの落ち込んだ様子から僅かに復活しているようであった。
「今に見てろって。
諦めない気持ちが大事だからな!」
ガウェンは自分に言い聞かせるようにそう言うと、サリアが目を丸くしてガウェンを見つめる。
その眼差しにガウェンはドキッとする。
「諦めない気持ちが大事……そうよね、諦めちゃダメなのよね!」
あれ……?とガウェンは冷や汗をかく。
「あんたもたまには良い事言うじゃないっ!
私、まだまだ諦めないわ!
もっと良い女になってシンくんをメロメロにさせるんだからっ!」
完全復活を果たすサリア。
目が点になるガウェン。
そんな様子をやれやれ、と呆れ顔で身守る他四人の護衛達。
リゼット率いる六人の護衛団の絆はまた一つ強まったのであった。
その後、猛アタックしてくるサリアに逃げ惑うシンを見かける人がジーナスの至る所で目撃されたと言う。
そして、その日をきっかけにガウェンは月に一度、シンに稽古をつけてもらう事にした。
守る事に特化した彼は、知る限りで最も強い矛であるシンと秘密の特訓をしたのであった。
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