[R18]空き缶太郎のBL短編集 1冊目

空き缶太郎

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狭い世間は愛ばかり/院卒エリート×高卒平社員、ゲーム内恋愛

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……スノウと月影の自宅。

イベントダンジョン攻略を終えた4人は街で解散し、スノウと月影は同居するゲーム内自宅に帰ってきていた。

「あー疲れたー!」
「大変だったな」
「ホントだよ…適正人数の3分の1で攻略したんだからなぁ」

ベッドにダイブし、そのまま仰向けに転がるスノウ。
月影はその姿を見下ろして苦笑すると、ベッドに腰掛けた。

「でもスノウに怪我がなくてよかったよ」
「…俺も。月影が無事で良かった」

2人は視線を交わすと、互いに手の平を重ねて指を絡める。

「……月影。エッチ、しよ?」
「明日も仕事じゃなかったのか?」
「平気。明日はクソ上司いないから」

スノウは体を起こすと、月影の唇に触れるだけのキスをした。

そして、月影の目の前には小さなウィンドウが現れる。

『結婚相手から性行為のリクエストが来ました』

その画面を見て月影は苦笑すると、躊躇うことなく『承認』を選ぶ。

すると自宅内には他のプレイヤーが入れないようにロックがかかり、通常は脱ぐことの出来ないインナーも外せるように倫理コードが解除された。

「月影…これ、ぬがして♡」
「相変わらず甘えん坊だな」

スノウの要求通り、月影は装飾品やローブなどをゆっくりと脱がしていく。

「んっ…月影だけだよ。俺がこんなに甘えられるの…♡」
「リアルでは一度もしたことないのか?」
「ないよ。だってゲイってこと隠して生きてきたし」

甘えるようにキスをしながら、スノウも月影の防具を外していく。

本人の宣言通り、スノウ…黒川隼人はゲイである。
高校生の時に自覚して以来、家族にも話せずに1人で秘密を抱えて生きてきた。

しかし、それを変えたのがVR Sephirot Explorerだ。
ゲーム内では同性でも結婚できて、更には結婚相手との性行為も可能というシステムはゲイを隠してきた隼人にとってはとても魅力的だった。

「こっちじゃオープンにしてるけど、リアルじゃ…んっ…♡」
「なら、スノウの処女は本当に俺だけのものなんだな」

月影が下着…薄手のシャツを脱がせば、スノウは『黒レースのパンティ』1枚という卑猥な恰好になる。

「っ…それは…」
「この下着、さっき貰ったレアドロ装備なんだ。…月影に、どうしても見て欲しくて…♡」

軽く腰を揺らせば、繊細な黒レースに包まれたスノウの男性器もゆさゆさと揺れる。

その光景はとても淫靡で、月影はゴクリと息を飲んだ。

「どう?」
「…正直、めちゃくちゃそそる。スノウの肌白いから、黒のレースがよく映えて…」
「…だろうな。月影の、おっきくなってる♡」

ぺろりと唇を舐めたスノウの視線の先には、下着の下で大きくなった月影のモノ。

「今日はどうする?スノウがするか?」
「んー…今日は月影にいっぱい愛されたい、かな♡」
「今日、だろ?」

しかし月影は嫌な顔ひとつせず、ベッドに仰向けになるスノウの上に覆いかぶさった。

「月影♡キス、しよ…♡」
「まったく、エッチな聖職者だな」

急かすスノウに月影はすぐ口付けを落とし、性急に舌を絡める。

さらに片手でスノウの小さい乳首をこねながら、膝で黒レースの下着を押し上げた。

「んんっ♡♡ふ…ぁあ♡それ、すきぃ…♡」
「ん、大きくなってきたな。ほら、下着の隙間から先端が…」

月影の指摘通り、黒レースの下着からスノウの男性器が亀頭だけ顔を出していた。

それを見たスノウは顔を赤くし、月影の背中に両腕を回す。

「あ、あんまり…見るなよぉ…♡」
「さっきまでこのエロ下着で誘惑してきたくせに?」
「うぅ…そうだけど…」
「スノウも本当は見て欲しいんだろ?ほら、ここもヒクヒク震えて誘ってる」

そう言って月影が指を伸ばしたのはスノウの尻穴。
下着をずらしてから指を這わせれば、切なげな声がスノウの口から溢れ出す。

「ふにゃぁあ♡♡そ、そこっ…♡」
「ほら、いつもみたいにエッチに誘って?」
「ん…わ、分かったよ…」

スノウは顔を赤くしたまま両足を抱えると、M字に脚を開いて月影を誘惑する。

「つ、月影の逞しいオスちんぽ…♡スノウのえろ穴に、ください♡」

さらに自ら下着ずらして穴を見せれば、月影の欲望は一気にMAXまで上り詰めた。

「っ、スノウ!」
「んむぅ!♡♡」

激しいディープキスとともに強引に挿入しようとすれば、スノウのそこは嬉々として月影を受け入れる。

「あ、ふ♡つき、かげぇ♡♡そんな♡はげしいっ♡からぁ♡」
「スノウが悪い。本当は処女なのに、スケベに俺を誘うからっ…!」

パァンッ!

「んぁああぁあっ♡♡♡」

力強い律動にスノウの顔は淫らに蕩け、それがまた月影を煽る。

「ちゅきかげぇ♡きしゅ♡キスハメしてぇ♡♡」
「あぁ…っ、キスハメしたまま、中出ししてやる…!」
「んむぅぅう♡♡♡」

パンッ パンッ パンッパンッ!

月影の激しい…雄らしい腰使いはスノウの理性を簡単に溶かし、その体内では来たる絶頂に備えて筋肉が収縮する。

(くる♡メスイキする♡♡リアルじゃ体験したことないのに♡月影ので、メスにされるぅ♡♡)
(スノウの中、熱くて狭くて…愛おしい。本気で種付けしてやる…たとえバーチャルでも、リアルのスノウをイかせるぐらいにっ…!)

そして月影は一気に抜け落ちる寸前まで腰を引き…再度叩きつけるように最奥を突き上げた。

パァンッ!
ービュクビュクッ!!

「んんんんん♡♡♡♡♡」
「っー!!」

その衝撃でスノウはメスイキし、月影もほぼ同時に射精する。
スノウの腹にはどぷどぷと白濁が注がれたが、2人はまだまだ互いを求め合うようにキスをした。

「んっ♡つきかげ…♡」
「…スノウ…♡」

そして2人はバーチャルでありながらも本当の行為のように求め合い、何度も何度も互いを貪った。


………………


時刻は深夜2時。
ひと段落した2人はベッドの上で穏やかに微笑んでいた。

「…月影」
「ん?」
「へへ、呼んだだけ」

そんな甘い空気で触れるだけのキスをすると、スノウは枕を抱きしめる。

「……スノウ。俺達、結婚してもう一年ぐらいだよな?」
「ん?…そうだな…もうそんなに経つのか」

指に嵌められた結婚指輪を見ると思わず昔のことを思い出す。

「最初は俺が気紛れに辻ヒールしただけだったけど…月影、やけに俺にアプローチしてきたよね」
「あぁ。…あの時はセフィプロもすぐ辞めるつもりだったんだが…スノウのおかげで、こうやって続けられたんだ」

『俺がレベル100になったら結婚してください!』と、まだレベル20足らずのときに課金アイテムの結婚指輪を差し出した月影の姿はスノウのスクショに残っていた。

「でも急にどうしたんだ?そんな昔話に花咲かせて…」
「……会いたいんだ」
「え?」
「スノウに…いや、スノウに、会いたい」

ゲームの中だけでなく、現実世界でもスノウに会いたいと言い出した月影。
その言葉にスノウは嬉しさを覚えたが、それと同時に複雑でもある。

「…でも、リアルの俺は月影の好みじゃないかもしれない。この体はあくまでも可愛く作られたアバターだし、声だって…」
「それなら俺だって。見た目だけ良く作って中身は不細工かもしれないぞ?」
「それは…そうかもしれないけど…」

スノウのアバターは外見20歳程度だが、中身…黒川隼人の年齢は28になる。

(…例えバーチャルでも、月影はようやく見つけられた初めての恋人。もしリアルが原因で離婚になったら…)
「…不安か?」
「……うん」

素直に頷いたスノウに、月影はそっとキスをする。

「大丈夫。何があっても俺はスノウを嫌いにはならない。…だから、スノウも俺のリアルを見ても嫌いにはならないでくれ」
「月影……うん、分かった」

月影の優しい言葉にスノウはとうとう決心する。
もしかすると月影とリアルでも恋人になれるかも、という淡い期待がその背中を押した。

「俺、決めたよ。…リアルの月影に、会いたい」
「…よかった。なら、場所と時間はSNSの方で連絡するようにする。それでいいか?」
「ん、OK」

こうしてリアルに会うことを決めた2人。

ベッドの上でお互い見つめ合いながら微笑むと、静かにログアウトした。


 
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