美少女な幼馴染がいるのになぜか攻略対象(仮)が私に寄ってくる

海瀬

文字の大きさ
29 / 36
中学生編

28.

しおりを挟む
キリが悪くていつもより少しだけ長めです。

━━━━━━━━━━━━━━━

関係ないないって……。東堂って私たちのことそう思ってたんだ。仕方ないよね。元から違う世界の人なわけだし。というか少し暑いんだけど……

「まって、暖房ついてる。はぁ……。」

あの人たちは殺人犯になるつもりなのだろうか。というか、体育倉庫に冷暖房完備しないでよ。

でも、もう死んでもいいかもしれない。若しかしたら元の世界に戻れる可能性もある。非日常の毎日は本当に楽しかった。私は幸せになっちゃいけないって神様に思われたのかな。私は静かに目を閉じた。

「ーー!」

あれ、誰かが呼んでる……?

「「かな!!!」」

「しゅん、とれ……ん?」

ここはまだ体育倉庫のようだ。でも、外は真っ暗だ。
よくみれば東堂とひなたくんもいる。ひなたくんは心配そうに覗き込んでいるが、東堂は遠くから罪悪感に苛まれている。話聞かれたって思ってるのかな。

「しゅ、ん」

「話さなくていいよ、多分脱水症状だから。あかりは自宅待機させた。かなの両親は仕事を切り上げてすぐ来るって言ってたよ。俺、Lime信じないでかなに会いに行けばこんなことなかったのに。」

それは違うよ。現に助けに来てくれたしね。感謝することはあっても責めることなんてないよ。

れんは私の隣で声を抑えながら泣いている。大丈夫だよ、私は死なないよ。ということを伝えたくて頭を撫でてあげる。

「高橋サンほんまごめん」

そういって東堂は去っていった。そんなに罪悪感に思わなくていいのに。別にそう思っていたからと言って私は東堂を責めない。確かに好きにはなれないかもしれないけれど。

「かな、本当に、よかった。あいつら社会から抹殺、、する。」

泣き止んでから話そう、れん。二度としないで欲しいから最悪退学でいいかなって、考えてた私は心広いって言うこと?  それともれんの感覚がおかしいの?  

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「かな!!  無事でよかった」

お母さんは私の姿を確認すると涙をポロポロ流した。

「母校に通わせたいって私のわがままだったの。嫌だったら転校させるわ。」

「え、まって転校はしたくない。仲良い人と離れるのは嫌だよ。それより母校って……?」

「言ってなかった? 私の旧姓は一条よ。確か弟の息子がかなと同い年だったはずだけど。」

「一条シオンですか?」

「あら、しゅんくん久しぶりね。そうよ。その子とかなが従兄弟なの。もう1人私の妹にも娘がいてその子も同い年よ。モモちゃんって子。」

モモちゃんって、多分二条さん? のことだよね。そういえば母方のおじいちゃんやおばあちゃんに会ったことないなって思ってはいたけど。

「縁は切ってるから安心して。駆け落ちよ。」

「お前なあ……。きちんとした場で話すって言ってなかったか?」

「そういう空気だったからいいのよ。旦那様?」

この2人は気持ち悪いくらい仲が良いのだがそういう事だったのか。でも、お父さんって庶民なのにいつ出会ったんだろう。

「かな、今日は安静のため入院させるから。あかりちゃんにも伝えておくわ。じゃあおやすみ」

「うん、心配かけてごめん」

「かな、お父さんたちをもっと頼れよ。」

「かな、次は絶対守るから。」

「僕がね。君には無理だよ。」

しゅんは少し思い詰めたような顔からこちらが照れるくらいの笑顔で部屋から出ていった。しゅんは本当に悪くないからね。悪いのはあの上級生たちだ。

━━━━━━━━━━━━━━━

一条くんと二条さんは違う小説の【ヒロインの性格が死ぬほど悪い乙女ゲームに転生したけど、私は何もしていないのに巻き込まれる悪役令嬢だった。】に出てくる子達です。一条くんはヒーローで、二条さんはヒロインの友達って感じですね。こちらも読んでくださると嬉しいです。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...