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中学生編
28.
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キリが悪くていつもより少しだけ長めです。
━━━━━━━━━━━━━━━
関係ないないって……。東堂って私たちのことそう思ってたんだ。仕方ないよね。元から違う世界の人なわけだし。というか少し暑いんだけど……
「まって、暖房ついてる。はぁ……。」
あの人たちは殺人犯になるつもりなのだろうか。というか、体育倉庫に冷暖房完備しないでよ。
でも、もう死んでもいいかもしれない。若しかしたら元の世界に戻れる可能性もある。非日常の毎日は本当に楽しかった。私は幸せになっちゃいけないって神様に思われたのかな。私は静かに目を閉じた。
「ーー!」
あれ、誰かが呼んでる……?
「「かな!!!」」
「しゅん、とれ……ん?」
ここはまだ体育倉庫のようだ。でも、外は真っ暗だ。
よくみれば東堂とひなたくんもいる。ひなたくんは心配そうに覗き込んでいるが、東堂は遠くから罪悪感に苛まれている。話聞かれたって思ってるのかな。
「しゅ、ん」
「話さなくていいよ、多分脱水症状だから。あかりは自宅待機させた。かなの両親は仕事を切り上げてすぐ来るって言ってたよ。俺、Lime信じないでかなに会いに行けばこんなことなかったのに。」
それは違うよ。現に助けに来てくれたしね。感謝することはあっても責めることなんてないよ。
れんは私の隣で声を抑えながら泣いている。大丈夫だよ、私は死なないよ。ということを伝えたくて頭を撫でてあげる。
「高橋サンほんまごめん」
そういって東堂は去っていった。そんなに罪悪感に思わなくていいのに。別にそう思っていたからと言って私は東堂を責めない。確かに好きにはなれないかもしれないけれど。
「かな、本当に、よかった。あいつら社会から抹殺、、する。」
泣き止んでから話そう、れん。二度としないで欲しいから最悪退学でいいかなって、考えてた私は心広いって言うこと? それともれんの感覚がおかしいの?
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「かな!! 無事でよかった」
お母さんは私の姿を確認すると涙をポロポロ流した。
「母校に通わせたいって私のわがままだったの。嫌だったら転校させるわ。」
「え、まって転校はしたくない。仲良い人と離れるのは嫌だよ。それより母校って……?」
「言ってなかった? 私の旧姓は一条よ。確か弟の息子がかなと同い年だったはずだけど。」
「一条シオンですか?」
「あら、しゅんくん久しぶりね。そうよ。その子とかなが従兄弟なの。もう1人私の妹にも娘がいてその子も同い年よ。モモちゃんって子。」
モモちゃんって、多分二条さん? のことだよね。そういえば母方のおじいちゃんやおばあちゃんに会ったことないなって思ってはいたけど。
「縁は切ってるから安心して。駆け落ちよ。」
「お前なあ……。きちんとした場で話すって言ってなかったか?」
「そういう空気だったからいいのよ。旦那様?」
この2人は気持ち悪いくらい仲が良いのだがそういう事だったのか。でも、お父さんって庶民なのにいつ出会ったんだろう。
「かな、今日は安静のため入院させるから。あかりちゃんにも伝えておくわ。じゃあおやすみ」
「うん、心配かけてごめん」
「かな、お父さんたちをもっと頼れよ。」
「かな、次は絶対守るから。」
「僕がね。君には無理だよ。」
しゅんは少し思い詰めたような顔からこちらが照れるくらいの笑顔で部屋から出ていった。しゅんは本当に悪くないからね。悪いのはあの上級生たちだ。
━━━━━━━━━━━━━━━
一条くんと二条さんは違う小説の【ヒロインの性格が死ぬほど悪い乙女ゲームに転生したけど、私は何もしていないのに巻き込まれる悪役令嬢だった。】に出てくる子達です。一条くんはヒーローで、二条さんはヒロインの友達って感じですね。こちらも読んでくださると嬉しいです。
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関係ないないって……。東堂って私たちのことそう思ってたんだ。仕方ないよね。元から違う世界の人なわけだし。というか少し暑いんだけど……
「まって、暖房ついてる。はぁ……。」
あの人たちは殺人犯になるつもりなのだろうか。というか、体育倉庫に冷暖房完備しないでよ。
でも、もう死んでもいいかもしれない。若しかしたら元の世界に戻れる可能性もある。非日常の毎日は本当に楽しかった。私は幸せになっちゃいけないって神様に思われたのかな。私は静かに目を閉じた。
「ーー!」
あれ、誰かが呼んでる……?
「「かな!!!」」
「しゅん、とれ……ん?」
ここはまだ体育倉庫のようだ。でも、外は真っ暗だ。
よくみれば東堂とひなたくんもいる。ひなたくんは心配そうに覗き込んでいるが、東堂は遠くから罪悪感に苛まれている。話聞かれたって思ってるのかな。
「しゅ、ん」
「話さなくていいよ、多分脱水症状だから。あかりは自宅待機させた。かなの両親は仕事を切り上げてすぐ来るって言ってたよ。俺、Lime信じないでかなに会いに行けばこんなことなかったのに。」
それは違うよ。現に助けに来てくれたしね。感謝することはあっても責めることなんてないよ。
れんは私の隣で声を抑えながら泣いている。大丈夫だよ、私は死なないよ。ということを伝えたくて頭を撫でてあげる。
「高橋サンほんまごめん」
そういって東堂は去っていった。そんなに罪悪感に思わなくていいのに。別にそう思っていたからと言って私は東堂を責めない。確かに好きにはなれないかもしれないけれど。
「かな、本当に、よかった。あいつら社会から抹殺、、する。」
泣き止んでから話そう、れん。二度としないで欲しいから最悪退学でいいかなって、考えてた私は心広いって言うこと? それともれんの感覚がおかしいの?
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「かな!! 無事でよかった」
お母さんは私の姿を確認すると涙をポロポロ流した。
「母校に通わせたいって私のわがままだったの。嫌だったら転校させるわ。」
「え、まって転校はしたくない。仲良い人と離れるのは嫌だよ。それより母校って……?」
「言ってなかった? 私の旧姓は一条よ。確か弟の息子がかなと同い年だったはずだけど。」
「一条シオンですか?」
「あら、しゅんくん久しぶりね。そうよ。その子とかなが従兄弟なの。もう1人私の妹にも娘がいてその子も同い年よ。モモちゃんって子。」
モモちゃんって、多分二条さん? のことだよね。そういえば母方のおじいちゃんやおばあちゃんに会ったことないなって思ってはいたけど。
「縁は切ってるから安心して。駆け落ちよ。」
「お前なあ……。きちんとした場で話すって言ってなかったか?」
「そういう空気だったからいいのよ。旦那様?」
この2人は気持ち悪いくらい仲が良いのだがそういう事だったのか。でも、お父さんって庶民なのにいつ出会ったんだろう。
「かな、今日は安静のため入院させるから。あかりちゃんにも伝えておくわ。じゃあおやすみ」
「うん、心配かけてごめん」
「かな、お父さんたちをもっと頼れよ。」
「かな、次は絶対守るから。」
「僕がね。君には無理だよ。」
しゅんは少し思い詰めたような顔からこちらが照れるくらいの笑顔で部屋から出ていった。しゅんは本当に悪くないからね。悪いのはあの上級生たちだ。
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一条くんと二条さんは違う小説の【ヒロインの性格が死ぬほど悪い乙女ゲームに転生したけど、私は何もしていないのに巻き込まれる悪役令嬢だった。】に出てくる子達です。一条くんはヒーローで、二条さんはヒロインの友達って感じですね。こちらも読んでくださると嬉しいです。
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