30 / 38
別離
3
しおりを挟む
*
「佑樹……」
「なに?」
「佑樹にはもう、私は必要ないよ」
どうして愛してるなんて言ったんだろう。
佑樹はもういなくなるのに。でも、愛してるって伝えたって、何にも伝わらなかった。
ちょっと驚いた佑樹がおかしかった。
私が佑樹を愛してるって知らなかった?
佑樹にとっては、私の気持ちなんて関係なかったものね?
今さら、そんな確認して、私に罪悪を感じなくてもいいのに。
私は佑樹に愛されてたこと知ってた。それは声だけだったけど。
ずっと……、ずっと。何回も何十回も、それ以上、佑樹は愛してるって言ってくれたから。
もっと聞いていたかった。あなたの側でずっとその言葉を聞いていたかった。たとえうそでも、騙されていたかった。
「佑樹、私たちはもう終わってるって……知らなかった?」
佑樹は私をあわれむように見つめる。
「気づかなかった?」
私は佑樹から一歩後ずさった。
佑樹は手を伸ばしたけど、足は動かさなかった。
「じゃあね、元気でね」
笑顔を見せたら、佑樹は伸ばした手を力なく下げた。
終わるのは、こんなに簡単なんだね、佑樹。
「佑樹……」
「なに?」
「佑樹にはもう、私は必要ないよ」
どうして愛してるなんて言ったんだろう。
佑樹はもういなくなるのに。でも、愛してるって伝えたって、何にも伝わらなかった。
ちょっと驚いた佑樹がおかしかった。
私が佑樹を愛してるって知らなかった?
佑樹にとっては、私の気持ちなんて関係なかったものね?
今さら、そんな確認して、私に罪悪を感じなくてもいいのに。
私は佑樹に愛されてたこと知ってた。それは声だけだったけど。
ずっと……、ずっと。何回も何十回も、それ以上、佑樹は愛してるって言ってくれたから。
もっと聞いていたかった。あなたの側でずっとその言葉を聞いていたかった。たとえうそでも、騙されていたかった。
「佑樹、私たちはもう終わってるって……知らなかった?」
佑樹は私をあわれむように見つめる。
「気づかなかった?」
私は佑樹から一歩後ずさった。
佑樹は手を伸ばしたけど、足は動かさなかった。
「じゃあね、元気でね」
笑顔を見せたら、佑樹は伸ばした手を力なく下げた。
終わるのは、こんなに簡単なんだね、佑樹。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く
紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる