10 / 29
お気に入りの画家
3
しおりを挟む
***
「来週になったんだ? 手術」
見舞いに現れた俺を見るなり、手術日を伝えてきた父は、ベッドの上に広げていた新聞をたたんで、うなずいた。
「しばらく帰れそうにないが、佐那子さんとの暮らしはどうだ?」
「まあ、問題ないよ」
ベッドサイドのいすに腰かけながら、あっさりと即答する。
悔しいぐらい、進展はない。ようやくデートの約束にこぎつけたところだが、どうだろう。
展覧会デートのあとはレストランで食事して、いい雰囲気のまま帰宅すれば、男慣れしていない佐那子だろうが、開放的になるだろうと踏んでいる……のだが、意表をついてくる純朴な彼女に振り回されているのは、認めたくはないが俺の方だ。
父が退院する前に、交際宣言できる関係にはやくなってしまわないと。そのあとは計画通り、佐那子を屋敷から追い出すだけだ。
「それならいい。佐那子さんは大事なお嬢さんだから、あまり強くあたらないでやってほしい」
「大事なお嬢さん?」
「佐那子さんは昔からの知り合いのお嬢さんでね。ご両親が亡くなられたときはすでに成人していて、私が面倒を見る必要もなかったんだが、どうしてもうちに住まわせてやりたかったんだ」
「じゃあ……」
「私が無理言って、屋敷に住まわせている。遺産相続の件もそうだ。佐那子さんのためになるだろうと思って、私が決断した」
初耳だ。それじゃあ、すべては佐那子の意向じゃなかったってことか。相続対象者になろうと、うまく父に取り入ったわけではないと。
「だけどさ、相続する気満々だよな、彼女。父さんはうまく利用されてるだけなんじゃないのか?」
白い目で見られたくなければ、佐那子は父の申し出を断るだけでよかった。それなのにそうしなかったのは、遺産が欲しいからだ。
「これには、事情があるんだ」
佐那子を認めようとしない俺を、困った目で父は見てくると、仕方なさそうにそう言った。
「養護施設の話は聞いたよ」
「なんだ、知ってるのか。じゃあ、話は早い。佐那子さんは施設の維持を望んでいる。私はそれを応援してるんだよ」
「待てよ。俺はそれが引っかかってるんだ。採算の取れない施設のために、父さんが財産を分ける意味がわからない。しかも、佐那子さんはいずれ、理事長になる気だ。彼女は理想のために父さんを利用してる。いわれのない金を使うのは賛成できない」
子どもたちのためと、体裁のいいことを言いながら、その実は父の財産に頼りきりだ。なぜそこまでして、神林家が彼女を助けなければならないのか。
「いわれか……。あの施設はもともと佐那子さんの……いや、白川家が立ち上げたものなんだ。いずれは返すのが、当然のつとめだ」
父はそう告白する。
「白川家が立ち上げた? じゃあ、父さんがなんで理事長になってるんだよ。どういうことだよ」
「まあ、落ち着け、夏凪。この話は叶冬にも秋花にも話した。その上で、佐那子さんがひとり立ちできるまで、神林が施設の運営をしようという話になった。これはもう終わった話だ。夏凪がなんと言おうが変わらない。理解してくれ、としか私は言わない」
「じゃあ、理解できるように説明してくれよ。佐那子さんの両親は誰で、父さんとどんな関係があるのか」
目をじっと見つめると、父は一つうなずいた。
俺は神林家の次男だ。物分かりのいい兄と、しっかり者の姉、そして、かわいい弟。俺はいくつになっても、幼い子どものように扱われてきた。だから、父は兄や姉にそうしてるようには俺を頼らない。
今回も、何も説明せずに過ごすつもりかと思ったが、話を聞かせてくれる気はあるようだ。
「施設の名前は『しらかわの家』と言う」
父はそう切り出した。
「しらかわの家……」
まぎれもなく、白川家の設立した施設だと後世に伝えるために残したような名だ。
「設立は50年ほど前になる。佐那子さんの祖父である白川有造氏が、母親を亡くした乳児を育てたことがきっかけで始まった施設でね、今でも預かる子どもたちは多くない。こじんまりとしたアットホームな施設だよ」
「母親を亡くした乳児って? 知り合いの子どもを育てたって話か?」
いや、と父は首を振る。
「有造氏は医師だったんだよ。父親もわからない、身寄りもない母親が産んだ子どもの末路を心配したんだろう。慈悲深い人だったよ」
佐那子はその血を受け継いでいるのだろうか。私財を投げ売ってでも、子どもたちの未来を守ろうとしているのだから。
「佐那子さんのご両親は亡くなったんだよな?」
確かめるように尋ねた。
「ああ」
父は肩を落とす。
「しらかわの家の理事長は、有造氏亡き後、佐那子さんの母親がつとめていた」
「母親が?」
「父親の白川政勝氏も医師でね。施設の方は妻であり、弁護士の恵里さんに任せていたようだ。その恵里さんが亡くなったのは、14年前になるな。不慮の事故だった……。政勝氏はまだ小学生だった佐那子さんを育てながら医師の仕事も続けねばならず、困っていた。だから私が、理事長を引き受けると申し出たんだ」
14年前の事故……、その言葉に心が痛む。俺の母が亡くなったのも、14年前だ。
「母親はずいぶん前に亡くなってたんだな。父親が亡くなったのは、じゃあ、佐那子さんがうちに来た?」
「6年前だ。政勝氏は病気でね。残念だが、助からなかった」
「そうか。……話はわかったよ。でもさ、父さんがなんでそこまでするのかは、まだわからない。たまたま政勝氏と知り合いだったとしても」
「単なる知り合いじゃないんだよ、夏凪。私は小学生の頃に大けがをしてね、有造氏に命を助けられた過去がある」
「大けがって……」
父のひたいに視線を移す。父もまた、目が隠れそうなほどに伸びた前髪をかきあげた。ひたいの左側の生え際に、縫合した傷跡がある。
子どものころ、父と一緒にお風呂に入るたび、物珍しくて、その傷口に触れていた。父はいつも、父さんも子どものころは活発でね、と笑っていたんだっけ。
「そのけがと関係があるんだな」
「小学生のころ……、あれは夏休みだったな。自転車に乗っていて、車と接触事故を起こしてね。有造氏の適切な処置がなければ、この年まで生きられていなかったかもしれない。夏凪、おまえたちにも会えていなかったかもしれないんだ。白川家の人々に、私は頭があがらないんだよ」
「父さん……」
佐那子の祖父は、父の命の恩人か。だから、こんなにも彼女に尽くそうとしてる。
「佐那子さんはご両親の意思を継ぎ、施設だけは守りたいとがんばってる。さっき言ったように、うちで暮らさないかと提案したのは私の方からだ。彼女の味方になれるのは、私たち以外にいない」
「だからって、すんなり、はいそうですかとはいかない。父さんはもう十分、恩は返してる」
「おまえは昔から変わらないな。母さんに似て、頑固というか」
父は苦笑いする。
「言っておくけどな、遺産を渋ってるわけじゃないんだ。佐那子さんのやり方が納得いかないだけだ。そこまでする必要あるのかって」
「で、どうするつもりだ? 反対したところで、何も変わらないが」
「俺のやり方でやらせてもらう」
「まあ、夏凪の好きにしたらいい。叶冬も秋花も、最初は反対した。すんなり認められない夏凪の気持ちもわかるからな」
ますます父は笑う。バカにされてるみたいで、腹立たしい。
「ああ、好きにするよ。どいつもこいつも、好きにしたらいいって投げやりに言いやがって」
「なんだ、佐那子さんにも言われたのか。なるほど、相手にされなくて怒ってるのか、夏凪は。佐那子さんは素敵なお嬢さんだしな。夏凪にはもったいないと思うぞ」
カッとほおが上気したのを感じた。
これじゃあまるで、佐那子に相手にされなくて、駄々をこねてるだけみたいじゃないか。
「あいにく、女には困ってない」
「お付き合いしてる女性がいるのか?」
「父さんに教える義理はないよ」
「あー、好きな女性はいるようだな」
「そんなんじゃない」
女は作ろうと思えば、いつでもできる。その自負はある。ただ、今は好きになれる女がいないだけだ。
俺の心をさらりと奪ってくるような、そんな女が……。
ふと、脳裏に一枚の絵画がよぎった。なぜ、思い出したのか。ニューヨークの街で見かけた、古風な桜を。
ひとめぼれし、すぐに購入を決めた絵画だった。迷っていたら、誰かが買ってしまうかもしれない。そうなったとき、俺は絶対後悔すると思った。
まだ見ぬ画家に恋をしてるっていうのか、俺は。どんな女かもわからないっていうのに。
「施設を見てくる」
どうにも落ち着かなくて、俺はサッと立ち上がる。
「今からか? だったら、ちょうどいい。この時間ならまだ秋花がいるはずだ。手術の件、秋花に伝えておいてくれないか」
「秋花姉さん?」
「ああ、秋花には施設で働いてもらっている」
「なんだって。本当にどいつもこいつも。まさか、叶冬兄さんは施設に関わってないよな?」
いらだちながら、問う。俺は知らないことが多すぎる。
「叶冬も理事だ。万が一、私に何かあった場合は、叶冬に理事長をお願いするつもりでいる」
「どっぷりだな。まあいいさ。どんな施設か、俺が冷静な目で見てきてやるよ」
そんなことしたって何も変わらないのはわかる。佐那子はどんな逆境にも負けないと言ったのだから。
「だからって、すんなりと賛成できるか」
面白くない感情が湧き上がるのを感じながら、おかしそうに俺を見上げる父に向かって、「また来る」と乱暴に言うと、病室を飛び出した。
「来週になったんだ? 手術」
見舞いに現れた俺を見るなり、手術日を伝えてきた父は、ベッドの上に広げていた新聞をたたんで、うなずいた。
「しばらく帰れそうにないが、佐那子さんとの暮らしはどうだ?」
「まあ、問題ないよ」
ベッドサイドのいすに腰かけながら、あっさりと即答する。
悔しいぐらい、進展はない。ようやくデートの約束にこぎつけたところだが、どうだろう。
展覧会デートのあとはレストランで食事して、いい雰囲気のまま帰宅すれば、男慣れしていない佐那子だろうが、開放的になるだろうと踏んでいる……のだが、意表をついてくる純朴な彼女に振り回されているのは、認めたくはないが俺の方だ。
父が退院する前に、交際宣言できる関係にはやくなってしまわないと。そのあとは計画通り、佐那子を屋敷から追い出すだけだ。
「それならいい。佐那子さんは大事なお嬢さんだから、あまり強くあたらないでやってほしい」
「大事なお嬢さん?」
「佐那子さんは昔からの知り合いのお嬢さんでね。ご両親が亡くなられたときはすでに成人していて、私が面倒を見る必要もなかったんだが、どうしてもうちに住まわせてやりたかったんだ」
「じゃあ……」
「私が無理言って、屋敷に住まわせている。遺産相続の件もそうだ。佐那子さんのためになるだろうと思って、私が決断した」
初耳だ。それじゃあ、すべては佐那子の意向じゃなかったってことか。相続対象者になろうと、うまく父に取り入ったわけではないと。
「だけどさ、相続する気満々だよな、彼女。父さんはうまく利用されてるだけなんじゃないのか?」
白い目で見られたくなければ、佐那子は父の申し出を断るだけでよかった。それなのにそうしなかったのは、遺産が欲しいからだ。
「これには、事情があるんだ」
佐那子を認めようとしない俺を、困った目で父は見てくると、仕方なさそうにそう言った。
「養護施設の話は聞いたよ」
「なんだ、知ってるのか。じゃあ、話は早い。佐那子さんは施設の維持を望んでいる。私はそれを応援してるんだよ」
「待てよ。俺はそれが引っかかってるんだ。採算の取れない施設のために、父さんが財産を分ける意味がわからない。しかも、佐那子さんはいずれ、理事長になる気だ。彼女は理想のために父さんを利用してる。いわれのない金を使うのは賛成できない」
子どもたちのためと、体裁のいいことを言いながら、その実は父の財産に頼りきりだ。なぜそこまでして、神林家が彼女を助けなければならないのか。
「いわれか……。あの施設はもともと佐那子さんの……いや、白川家が立ち上げたものなんだ。いずれは返すのが、当然のつとめだ」
父はそう告白する。
「白川家が立ち上げた? じゃあ、父さんがなんで理事長になってるんだよ。どういうことだよ」
「まあ、落ち着け、夏凪。この話は叶冬にも秋花にも話した。その上で、佐那子さんがひとり立ちできるまで、神林が施設の運営をしようという話になった。これはもう終わった話だ。夏凪がなんと言おうが変わらない。理解してくれ、としか私は言わない」
「じゃあ、理解できるように説明してくれよ。佐那子さんの両親は誰で、父さんとどんな関係があるのか」
目をじっと見つめると、父は一つうなずいた。
俺は神林家の次男だ。物分かりのいい兄と、しっかり者の姉、そして、かわいい弟。俺はいくつになっても、幼い子どものように扱われてきた。だから、父は兄や姉にそうしてるようには俺を頼らない。
今回も、何も説明せずに過ごすつもりかと思ったが、話を聞かせてくれる気はあるようだ。
「施設の名前は『しらかわの家』と言う」
父はそう切り出した。
「しらかわの家……」
まぎれもなく、白川家の設立した施設だと後世に伝えるために残したような名だ。
「設立は50年ほど前になる。佐那子さんの祖父である白川有造氏が、母親を亡くした乳児を育てたことがきっかけで始まった施設でね、今でも預かる子どもたちは多くない。こじんまりとしたアットホームな施設だよ」
「母親を亡くした乳児って? 知り合いの子どもを育てたって話か?」
いや、と父は首を振る。
「有造氏は医師だったんだよ。父親もわからない、身寄りもない母親が産んだ子どもの末路を心配したんだろう。慈悲深い人だったよ」
佐那子はその血を受け継いでいるのだろうか。私財を投げ売ってでも、子どもたちの未来を守ろうとしているのだから。
「佐那子さんのご両親は亡くなったんだよな?」
確かめるように尋ねた。
「ああ」
父は肩を落とす。
「しらかわの家の理事長は、有造氏亡き後、佐那子さんの母親がつとめていた」
「母親が?」
「父親の白川政勝氏も医師でね。施設の方は妻であり、弁護士の恵里さんに任せていたようだ。その恵里さんが亡くなったのは、14年前になるな。不慮の事故だった……。政勝氏はまだ小学生だった佐那子さんを育てながら医師の仕事も続けねばならず、困っていた。だから私が、理事長を引き受けると申し出たんだ」
14年前の事故……、その言葉に心が痛む。俺の母が亡くなったのも、14年前だ。
「母親はずいぶん前に亡くなってたんだな。父親が亡くなったのは、じゃあ、佐那子さんがうちに来た?」
「6年前だ。政勝氏は病気でね。残念だが、助からなかった」
「そうか。……話はわかったよ。でもさ、父さんがなんでそこまでするのかは、まだわからない。たまたま政勝氏と知り合いだったとしても」
「単なる知り合いじゃないんだよ、夏凪。私は小学生の頃に大けがをしてね、有造氏に命を助けられた過去がある」
「大けがって……」
父のひたいに視線を移す。父もまた、目が隠れそうなほどに伸びた前髪をかきあげた。ひたいの左側の生え際に、縫合した傷跡がある。
子どものころ、父と一緒にお風呂に入るたび、物珍しくて、その傷口に触れていた。父はいつも、父さんも子どものころは活発でね、と笑っていたんだっけ。
「そのけがと関係があるんだな」
「小学生のころ……、あれは夏休みだったな。自転車に乗っていて、車と接触事故を起こしてね。有造氏の適切な処置がなければ、この年まで生きられていなかったかもしれない。夏凪、おまえたちにも会えていなかったかもしれないんだ。白川家の人々に、私は頭があがらないんだよ」
「父さん……」
佐那子の祖父は、父の命の恩人か。だから、こんなにも彼女に尽くそうとしてる。
「佐那子さんはご両親の意思を継ぎ、施設だけは守りたいとがんばってる。さっき言ったように、うちで暮らさないかと提案したのは私の方からだ。彼女の味方になれるのは、私たち以外にいない」
「だからって、すんなり、はいそうですかとはいかない。父さんはもう十分、恩は返してる」
「おまえは昔から変わらないな。母さんに似て、頑固というか」
父は苦笑いする。
「言っておくけどな、遺産を渋ってるわけじゃないんだ。佐那子さんのやり方が納得いかないだけだ。そこまでする必要あるのかって」
「で、どうするつもりだ? 反対したところで、何も変わらないが」
「俺のやり方でやらせてもらう」
「まあ、夏凪の好きにしたらいい。叶冬も秋花も、最初は反対した。すんなり認められない夏凪の気持ちもわかるからな」
ますます父は笑う。バカにされてるみたいで、腹立たしい。
「ああ、好きにするよ。どいつもこいつも、好きにしたらいいって投げやりに言いやがって」
「なんだ、佐那子さんにも言われたのか。なるほど、相手にされなくて怒ってるのか、夏凪は。佐那子さんは素敵なお嬢さんだしな。夏凪にはもったいないと思うぞ」
カッとほおが上気したのを感じた。
これじゃあまるで、佐那子に相手にされなくて、駄々をこねてるだけみたいじゃないか。
「あいにく、女には困ってない」
「お付き合いしてる女性がいるのか?」
「父さんに教える義理はないよ」
「あー、好きな女性はいるようだな」
「そんなんじゃない」
女は作ろうと思えば、いつでもできる。その自負はある。ただ、今は好きになれる女がいないだけだ。
俺の心をさらりと奪ってくるような、そんな女が……。
ふと、脳裏に一枚の絵画がよぎった。なぜ、思い出したのか。ニューヨークの街で見かけた、古風な桜を。
ひとめぼれし、すぐに購入を決めた絵画だった。迷っていたら、誰かが買ってしまうかもしれない。そうなったとき、俺は絶対後悔すると思った。
まだ見ぬ画家に恋をしてるっていうのか、俺は。どんな女かもわからないっていうのに。
「施設を見てくる」
どうにも落ち着かなくて、俺はサッと立ち上がる。
「今からか? だったら、ちょうどいい。この時間ならまだ秋花がいるはずだ。手術の件、秋花に伝えておいてくれないか」
「秋花姉さん?」
「ああ、秋花には施設で働いてもらっている」
「なんだって。本当にどいつもこいつも。まさか、叶冬兄さんは施設に関わってないよな?」
いらだちながら、問う。俺は知らないことが多すぎる。
「叶冬も理事だ。万が一、私に何かあった場合は、叶冬に理事長をお願いするつもりでいる」
「どっぷりだな。まあいいさ。どんな施設か、俺が冷静な目で見てきてやるよ」
そんなことしたって何も変わらないのはわかる。佐那子はどんな逆境にも負けないと言ったのだから。
「だからって、すんなりと賛成できるか」
面白くない感情が湧き上がるのを感じながら、おかしそうに俺を見上げる父に向かって、「また来る」と乱暴に言うと、病室を飛び出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる