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第5章 ダンジョンに行こう
180 私も主人と一緒に居たいのに…
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冒険者達は全員が黙ってボス部屋に入っていった。
半強制的に入っていったとも言えるけど。
パーティーでは無くても、扉を閉める前に入れば仲間と認識されるのかな?
まぁ、パーティーなんて人間が地上で勝手に決めた事だから、ダンジョンには関係無いのかもしれない。
ただ、誰もが武器の取り扱いに苦労してた。
留め金とかベルトとか、切り落とされたからなぁ……。
「さぁ進みますよ」
「あっ、はい」
「無駄な時間を過ごしたので、急ぎましょう」
クロさんの無茶振りがヒドい。
急ぐと言って、あっという間に走っていってしまったのだ。
俺は置いてけぼりを食らった。
まぁ、すぐに戻ってきてくれたが。
「急ぐと言ったでしょう? 何をのんびりしているのです?」
「え~と、自分は知ってると思うんですけど、防御に全振りしてましてですね。
進む速度は一般人並なんですよ。ついでに言うと体力も人並みなので、ずっと走るとかも無理です」
「そうでしたか。では何か動物を出して騎乗してください」
「了解です」
このネコには逆らわないのが生還する最上級の方法だろう。
素直に言う事を聞いておきます。
サイを具現化して騎乗すると、すぐにクロさんは走り出した。
サイも慌てて追いかける。
「そう言えば聞きたい事があるのでしたね。質問をどうぞ」
若干速度を落として並走してくれるクロさん。
その状態でも質問とか受けてくれるんですね。さすがです。
「俺の仲間になるってのはどういう経緯で?」
「察するにここは違う世界なのでしょう。なので最初から説明します」
「違う世界から来たんですか?!」
「黙って聞きなさい」
「はい!」
いきなり想像外の事を言われたので、思わず聞き返してしまった。
そして怒られた。
質問返しは全部聞いてからという事なのだろう。
「私はとある地域の冒険者ギルドに所属しています。地域名等は聞いても知らないでしょうから割愛します。
母が半分引退したような形なので、今は私が主に活動していますね。
母は今は主人、と言っても私の父の事ではありませんよ? 貴方達の言う飼い主の事です、の護衛をしています。
私も主人と一緒に居たいのに……母ばかりが側に…………そこに父も加わって…………」
「あ、あの~、なんか恨み言になってきてますけど……」
「おっと失礼。
それでいつものように依頼をこなす為にギルドに行った所、氏名依頼が入りまして。
これが何故か断ってはいけない感じがしたので受けたのです。
そして指定された場所へ行くと、自称神な男が居たのです。
その自称神が貴方の護衛をして最下層まで進ませろと。そしてボスを倒すまでが仕事だと」
「は、はぁ」
「了承すると、『ちなみに異世界だから。最下層のボスを倒せば戻ってこれるから』と言いながら送り出しました。
あれは断られると思ったから転送しながら最後に重要事項を喋ったのでしょうね……グヌヌ、許すまじ!」
「お、落ち着いて!」
「おっと失礼。
という事で、このダンジョンの10層に送られました。
貴方の能力等を知っているのは、送られる際に映像を見せられたからです。
ダイジェスト版になっていましたけど、つまらない映画を3時間くらい見せられた気分でしたよ。
もう少し波乱万丈な人生を送って欲しかったですね。ヒロインとか居ないなんてありえませんよ?
もっとチートでイキるとか『俺、何かやっちゃいました?』みたいな寝ぼけた発言するとか、やれる事はあったでしょう?」
「す、すみません……」
思わず謝ってしまったけど、それは俺が悪いのかな?
「貴方を待つ間、ボス部屋の仕組みを解明し、お土産収集をしてました。
私からの説明は以上です。何か質問はありますか?」
神様から送り込まれた仲間という事は判った。
帰るのには俺が最下層のボス退治をしなければいけない、という事も判った。だから裏切ったりはしないだろうという事も。
まぁ、このネコさんの実力ならどうにかして帰りそうな感じもするけど。
だって、ここまでの説明も現れるモンスターを倒しながらやってるんだもん。進行速度も変わらずに。
半強制的に入っていったとも言えるけど。
パーティーでは無くても、扉を閉める前に入れば仲間と認識されるのかな?
まぁ、パーティーなんて人間が地上で勝手に決めた事だから、ダンジョンには関係無いのかもしれない。
ただ、誰もが武器の取り扱いに苦労してた。
留め金とかベルトとか、切り落とされたからなぁ……。
「さぁ進みますよ」
「あっ、はい」
「無駄な時間を過ごしたので、急ぎましょう」
クロさんの無茶振りがヒドい。
急ぐと言って、あっという間に走っていってしまったのだ。
俺は置いてけぼりを食らった。
まぁ、すぐに戻ってきてくれたが。
「急ぐと言ったでしょう? 何をのんびりしているのです?」
「え~と、自分は知ってると思うんですけど、防御に全振りしてましてですね。
進む速度は一般人並なんですよ。ついでに言うと体力も人並みなので、ずっと走るとかも無理です」
「そうでしたか。では何か動物を出して騎乗してください」
「了解です」
このネコには逆らわないのが生還する最上級の方法だろう。
素直に言う事を聞いておきます。
サイを具現化して騎乗すると、すぐにクロさんは走り出した。
サイも慌てて追いかける。
「そう言えば聞きたい事があるのでしたね。質問をどうぞ」
若干速度を落として並走してくれるクロさん。
その状態でも質問とか受けてくれるんですね。さすがです。
「俺の仲間になるってのはどういう経緯で?」
「察するにここは違う世界なのでしょう。なので最初から説明します」
「違う世界から来たんですか?!」
「黙って聞きなさい」
「はい!」
いきなり想像外の事を言われたので、思わず聞き返してしまった。
そして怒られた。
質問返しは全部聞いてからという事なのだろう。
「私はとある地域の冒険者ギルドに所属しています。地域名等は聞いても知らないでしょうから割愛します。
母が半分引退したような形なので、今は私が主に活動していますね。
母は今は主人、と言っても私の父の事ではありませんよ? 貴方達の言う飼い主の事です、の護衛をしています。
私も主人と一緒に居たいのに……母ばかりが側に…………そこに父も加わって…………」
「あ、あの~、なんか恨み言になってきてますけど……」
「おっと失礼。
それでいつものように依頼をこなす為にギルドに行った所、氏名依頼が入りまして。
これが何故か断ってはいけない感じがしたので受けたのです。
そして指定された場所へ行くと、自称神な男が居たのです。
その自称神が貴方の護衛をして最下層まで進ませろと。そしてボスを倒すまでが仕事だと」
「は、はぁ」
「了承すると、『ちなみに異世界だから。最下層のボスを倒せば戻ってこれるから』と言いながら送り出しました。
あれは断られると思ったから転送しながら最後に重要事項を喋ったのでしょうね……グヌヌ、許すまじ!」
「お、落ち着いて!」
「おっと失礼。
という事で、このダンジョンの10層に送られました。
貴方の能力等を知っているのは、送られる際に映像を見せられたからです。
ダイジェスト版になっていましたけど、つまらない映画を3時間くらい見せられた気分でしたよ。
もう少し波乱万丈な人生を送って欲しかったですね。ヒロインとか居ないなんてありえませんよ?
もっとチートでイキるとか『俺、何かやっちゃいました?』みたいな寝ぼけた発言するとか、やれる事はあったでしょう?」
「す、すみません……」
思わず謝ってしまったけど、それは俺が悪いのかな?
「貴方を待つ間、ボス部屋の仕組みを解明し、お土産収集をしてました。
私からの説明は以上です。何か質問はありますか?」
神様から送り込まれた仲間という事は判った。
帰るのには俺が最下層のボス退治をしなければいけない、という事も判った。だから裏切ったりはしないだろうという事も。
まぁ、このネコさんの実力ならどうにかして帰りそうな感じもするけど。
だって、ここまでの説明も現れるモンスターを倒しながらやってるんだもん。進行速度も変わらずに。
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