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第5章 ダンジョンに行こう
186 悪い蜘蛛じゃないよ
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散々議論した結果、不本意ながらクロさんの意見が採用される事になった。
そう、ここに置いていくのだ。
消えるまでに冒険者が来ない事を祈りたい。
一応、ちゃんと対策はしている。
まず、蜘蛛には「入ってきた人に攻撃しない」「攻撃されたら反撃しても良いけど殺さない」と言っておく。
次に、クロさんに言われた通りに看板を作成する。
「悪い蜘蛛じゃないよ」「攻撃したら反撃するよ」「通り抜けOK!」こんな感じで何枚も作成した。
最後に、無害アピールとしての行動をとってもらう事に。
粘つかない糸で編み物をしててもらうのだ!
編み物をしていれば、悪者には見えないんじゃないかという閃きからだ。
そして看板を設置して、それに「蜘蛛の糸で作ったレース! 今だけ大特価!!」と書いておく。
これらを見た冒険者はどう思うだろうか?
絶対に混乱するはずだ。
問答無用で襲いかかってくる事は無いと思う。
そして混乱の中、通り抜けをしようとする者も出てくるだろう。
だって、ボス蜘蛛が2体だよ?
1体と思って来てるのに、2体も居たら恐怖でしょ。逃げられるなら逃げたいはずだ。
…………まぁ、途中からもう遊び半分になってきてたけど。
ボス部屋を出て、下層を進む。
相変わらずクロさん無双で進むので、どんなモンスターが出てきているかすら判らない。
そして何事もなく、25層に到着した。
「25層にもボスが居るんですね」
「25層・30層・33層・36層・39層・42層・45層、これらにボスが居ます」
「じゃあここを合わせて、後7回ボス戦があるんですね?」
「いえいえ、50層にラスボスが居ます」
「マジか~…………あれ? ここってそんなに深いダンジョンでしたっけ?」
「30層までと思われてるんじゃないですか?
そこからは隠し扉があって、それを通らないと行けませんよ?」
どうだったかな?
30層までだったような気もするし、もう少し知られてたような気もする。
色々と驚く事が多かったので、そういう事を忘れてしまった。
「ちなみに50層のラスボスを倒しても続きがありますよ?」
「はいっ?! ラスボスってラストのボスでしょ?!」
「51層に裏ボスが居ます」
「う、裏ボス……」
「52層にはラスボス第二形態が居ます」
「第二形態?!」
「53層には真のラスボスの四天王の一人が居ます」
「そ、それで行くと、54・55・56層には……」
「想像している通り、四天王ですね」
「ズルい!!」
何そのボスラッシュは!!
ロック○ンかよ!! いや、あれはいままで出てきたボスが再登場だったわ。
「これ、絶対クリアさせる気が無いでしょ……」
「それはそうでしょう。ダンジョンの目的は、おびき寄せて養分にするみたいな事です。
最後まで進まれてダンジョンを崩壊させられたら何の意味もありません。
クリア出来るダンジョンを設置するなんて、ゲームくらいですよ」
「そ、それはそうですけど……」
「このダンジョンはまだ良い方ですよ?」
「と言うと?」
「ヒドい所ですと、まず道中に強い武器を宝箱に入れておきます」
「? ヒドいですか? 親切っぽいですけど?」
「そのまま進むと、強固な防具も入手出来ます」
「めっちゃ親切!」
「さて、それらを手にラスボスまでたどり着きました。
貴方ならこれらの武器や防具を装備してますか?」
「当たり前でしょ。だって強いんですから」
「ですよね。という事は装備を一新している事になります。前の装備を持ち運んだりしてません」
「邪魔ですからね」
「その通りです。
で、何がヒドいかという話に戻ります。
これらの装備、ラスボス相手だと何の効果もありません。
ゲームで例えるなら『ロ○の剣 攻撃力+50(ボス相手の場合は-5)』って感じです。
勿論()内は表示されていません」
「…………ヒドい」
何その最低なダンジョン。
強い武器、強固な防具を手にして調子に乗ってボス戦までたどり着いたら全滅確定って。
ゲームだったらクソゲー認定だぞ。
まぁゲームならインベントリやアイテムボックスがあるから、まだ武器防具の変更が出来るけど。
実際だと、もし持って行ってても、戦いの最中に違和感に気づき、変更するなんて無理。敵が待ってくれる訳が無い。
「わかりましたか? まだここのダンジョンは優しい方なのです」
「……はい」
そう、ここに置いていくのだ。
消えるまでに冒険者が来ない事を祈りたい。
一応、ちゃんと対策はしている。
まず、蜘蛛には「入ってきた人に攻撃しない」「攻撃されたら反撃しても良いけど殺さない」と言っておく。
次に、クロさんに言われた通りに看板を作成する。
「悪い蜘蛛じゃないよ」「攻撃したら反撃するよ」「通り抜けOK!」こんな感じで何枚も作成した。
最後に、無害アピールとしての行動をとってもらう事に。
粘つかない糸で編み物をしててもらうのだ!
編み物をしていれば、悪者には見えないんじゃないかという閃きからだ。
そして看板を設置して、それに「蜘蛛の糸で作ったレース! 今だけ大特価!!」と書いておく。
これらを見た冒険者はどう思うだろうか?
絶対に混乱するはずだ。
問答無用で襲いかかってくる事は無いと思う。
そして混乱の中、通り抜けをしようとする者も出てくるだろう。
だって、ボス蜘蛛が2体だよ?
1体と思って来てるのに、2体も居たら恐怖でしょ。逃げられるなら逃げたいはずだ。
…………まぁ、途中からもう遊び半分になってきてたけど。
ボス部屋を出て、下層を進む。
相変わらずクロさん無双で進むので、どんなモンスターが出てきているかすら判らない。
そして何事もなく、25層に到着した。
「25層にもボスが居るんですね」
「25層・30層・33層・36層・39層・42層・45層、これらにボスが居ます」
「じゃあここを合わせて、後7回ボス戦があるんですね?」
「いえいえ、50層にラスボスが居ます」
「マジか~…………あれ? ここってそんなに深いダンジョンでしたっけ?」
「30層までと思われてるんじゃないですか?
そこからは隠し扉があって、それを通らないと行けませんよ?」
どうだったかな?
30層までだったような気もするし、もう少し知られてたような気もする。
色々と驚く事が多かったので、そういう事を忘れてしまった。
「ちなみに50層のラスボスを倒しても続きがありますよ?」
「はいっ?! ラスボスってラストのボスでしょ?!」
「51層に裏ボスが居ます」
「う、裏ボス……」
「52層にはラスボス第二形態が居ます」
「第二形態?!」
「53層には真のラスボスの四天王の一人が居ます」
「そ、それで行くと、54・55・56層には……」
「想像している通り、四天王ですね」
「ズルい!!」
何そのボスラッシュは!!
ロック○ンかよ!! いや、あれはいままで出てきたボスが再登場だったわ。
「これ、絶対クリアさせる気が無いでしょ……」
「それはそうでしょう。ダンジョンの目的は、おびき寄せて養分にするみたいな事です。
最後まで進まれてダンジョンを崩壊させられたら何の意味もありません。
クリア出来るダンジョンを設置するなんて、ゲームくらいですよ」
「そ、それはそうですけど……」
「このダンジョンはまだ良い方ですよ?」
「と言うと?」
「ヒドい所ですと、まず道中に強い武器を宝箱に入れておきます」
「? ヒドいですか? 親切っぽいですけど?」
「そのまま進むと、強固な防具も入手出来ます」
「めっちゃ親切!」
「さて、それらを手にラスボスまでたどり着きました。
貴方ならこれらの武器や防具を装備してますか?」
「当たり前でしょ。だって強いんですから」
「ですよね。という事は装備を一新している事になります。前の装備を持ち運んだりしてません」
「邪魔ですからね」
「その通りです。
で、何がヒドいかという話に戻ります。
これらの装備、ラスボス相手だと何の効果もありません。
ゲームで例えるなら『ロ○の剣 攻撃力+50(ボス相手の場合は-5)』って感じです。
勿論()内は表示されていません」
「…………ヒドい」
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強い武器、強固な防具を手にして調子に乗ってボス戦までたどり着いたら全滅確定って。
ゲームだったらクソゲー認定だぞ。
まぁゲームならインベントリやアイテムボックスがあるから、まだ武器防具の変更が出来るけど。
実際だと、もし持って行ってても、戦いの最中に違和感に気づき、変更するなんて無理。敵が待ってくれる訳が無い。
「わかりましたか? まだここのダンジョンは優しい方なのです」
「……はい」
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