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■第4章 レンド王国の危機
第4-2話 パナケアウィングス、新曲です!(前編)
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「にはは! 動きやすくてサイコーなのだっ!」
パナケアウィングスの本拠地となった王都にある石造りの建物……その2階には、トレーニング施設を兼ねた大きな講堂があります。
その奥、ステージ上になった段の上で、壁に設置された大きな鏡に自分の姿を映しながら、新しい聖衣を着たミアちゃんがご機嫌に舞い踊ります。
「むむっ……か、かわいいっ!」
聖衣を着た状態での歌声リンクの確認のため、わたしも聖衣を身に着けていますが、先ほどからレンちゃんのかわいらしさにノックアウトされっぱなしです。
思った通り、レナードさんデザインのレンちゃん用聖衣は、ものすごく……ものすごく彼女に似合っています。
グランミスリルの糸が織り込まれた、Tシャツタイプのぴっちりとした丈の短い上着。
その上から羽織った同じく丈の短い半袖ジャケットからは、2対の羽根がすらりと伸びます。
けっこう大胆に覗くかわいいおへそ。
ボトムスは緑を基調としたこれのボディラインにフィットしたショートパンツ。
ぴょこんと覗く尻尾がもふもふです。
すらりと伸びた生足の先には、レンちゃん愛用のスニーカー。
なるほど……どちらかというとキレイ系のわたしの衣装に比べ、元気いっぱいで活発な印象を与えるレンちゃんの衣装。
プルンと震えるおっぱいの魅力と、すらりと伸びた生足の魅力は、レンちゃんの方が上かもしれません。
「あのあの、アシュリーさんはわたしたちの衣装、どう思いますか?」
レンちゃんはまだ幼年学校に通うくらいの年齢ですので、女性の魅力より可愛さが勝るのですが、数年経つとばいんばいんに……。
思わず焦りを覚えてしまったわたしは、さりげなくアシュリーさんに尋ねます。
「うん、レンの衣装は動きやすそうだから……癒しの術を展開しているミアの周りをガードしてもらう運用がいいと思う」
「ミアの癒しの術は、自分を中心に展開するからね」
「動きやすさより、空中での安定性を重視した今の聖衣がぴったりだと思う」
……はうぅ、わたしが聞きたかったのは衣装の機能性じゃなくてですね……ま、まあ、アシュリーさんらしいよね。
ほぅ、ある意味安心のため息をついた瞬間……。
「でも、ミアの聖衣姿はピンと伸びた赤毛と合わさって……本当に天使みたいだよね! 僕大好きだよ!」
「ぴうっ!?!?」
不意打ちで放たれた称賛の言葉に、わたしの顔は真っ赤に染まるのでした。
*** ***
「へうぅ……少し疲れました」
「にはは! ミアねーちゃんの動きが今日は悪かったな!」
軽くフット―した頭で、ミアちゃんとの歌声リンク試験を終え、ぺたんとステージに座り込むわたし。
カンタス、強く生きろよ……気づかわしげに投げられたレナードさんの視線に、サムズアップで答えておきます。
当のアシュリーさんは、魔法で測定した測定結果を前に、悩ましげな表情を浮かべています。
「う~ん、ミアとレンの魔力リンクが安定しない……レンにレプリカの聖衣を着てもらってだいぶんマシになったけど」
「ふむ……私の作った”アイーダ・マーチ”だと、力不足か?」
「たぶん、彼女たちの”力”は、旋律と歌詞……唇に乗せた言霊によって完全に発動するんだ」
「魔力波動を見る限り、旋律はともかく、歌詞にもう少し何か欲しいね……」
アシュリーさんは、レナードさんと一緒に何やら専門的な話に入ってしまいました。
こうなるとわたしに手伝えることはありません。
ようやく動機が収まったわたしは、んんっ!と大きく伸びをします。
「はいっ! ミアねーちゃん、ドリンクなのだ!」
横からさりげなく、はちみつ入りのスペシャルドリンクをレンちゃんが手渡してくれます。
ふぅう……トレーニング後にはこれが効くなぁ。
ちゅ~っとストローでドリンクを吸いながら、今夜のメニューを考案するわたし。
レンちゃんもいっぱい食べるから……食材の仕入れを増やそうかな。
しばらくは試行錯誤の日々が続くのかな?
わたしはそう思っていたのですが。
「行くよみんな! 伝説の曲を求めてっ!」
……目の前には巨大な洞窟が口を開け、もわわわ……と、どう見てもヤバそうなガスが入り口から吹き出しています。
次の日、なぜかわたしたちは冒険の準備を整えて巨大な迷宮の前にいました。
パナケアウィングスの本拠地となった王都にある石造りの建物……その2階には、トレーニング施設を兼ねた大きな講堂があります。
その奥、ステージ上になった段の上で、壁に設置された大きな鏡に自分の姿を映しながら、新しい聖衣を着たミアちゃんがご機嫌に舞い踊ります。
「むむっ……か、かわいいっ!」
聖衣を着た状態での歌声リンクの確認のため、わたしも聖衣を身に着けていますが、先ほどからレンちゃんのかわいらしさにノックアウトされっぱなしです。
思った通り、レナードさんデザインのレンちゃん用聖衣は、ものすごく……ものすごく彼女に似合っています。
グランミスリルの糸が織り込まれた、Tシャツタイプのぴっちりとした丈の短い上着。
その上から羽織った同じく丈の短い半袖ジャケットからは、2対の羽根がすらりと伸びます。
けっこう大胆に覗くかわいいおへそ。
ボトムスは緑を基調としたこれのボディラインにフィットしたショートパンツ。
ぴょこんと覗く尻尾がもふもふです。
すらりと伸びた生足の先には、レンちゃん愛用のスニーカー。
なるほど……どちらかというとキレイ系のわたしの衣装に比べ、元気いっぱいで活発な印象を与えるレンちゃんの衣装。
プルンと震えるおっぱいの魅力と、すらりと伸びた生足の魅力は、レンちゃんの方が上かもしれません。
「あのあの、アシュリーさんはわたしたちの衣装、どう思いますか?」
レンちゃんはまだ幼年学校に通うくらいの年齢ですので、女性の魅力より可愛さが勝るのですが、数年経つとばいんばいんに……。
思わず焦りを覚えてしまったわたしは、さりげなくアシュリーさんに尋ねます。
「うん、レンの衣装は動きやすそうだから……癒しの術を展開しているミアの周りをガードしてもらう運用がいいと思う」
「ミアの癒しの術は、自分を中心に展開するからね」
「動きやすさより、空中での安定性を重視した今の聖衣がぴったりだと思う」
……はうぅ、わたしが聞きたかったのは衣装の機能性じゃなくてですね……ま、まあ、アシュリーさんらしいよね。
ほぅ、ある意味安心のため息をついた瞬間……。
「でも、ミアの聖衣姿はピンと伸びた赤毛と合わさって……本当に天使みたいだよね! 僕大好きだよ!」
「ぴうっ!?!?」
不意打ちで放たれた称賛の言葉に、わたしの顔は真っ赤に染まるのでした。
*** ***
「へうぅ……少し疲れました」
「にはは! ミアねーちゃんの動きが今日は悪かったな!」
軽くフット―した頭で、ミアちゃんとの歌声リンク試験を終え、ぺたんとステージに座り込むわたし。
カンタス、強く生きろよ……気づかわしげに投げられたレナードさんの視線に、サムズアップで答えておきます。
当のアシュリーさんは、魔法で測定した測定結果を前に、悩ましげな表情を浮かべています。
「う~ん、ミアとレンの魔力リンクが安定しない……レンにレプリカの聖衣を着てもらってだいぶんマシになったけど」
「ふむ……私の作った”アイーダ・マーチ”だと、力不足か?」
「たぶん、彼女たちの”力”は、旋律と歌詞……唇に乗せた言霊によって完全に発動するんだ」
「魔力波動を見る限り、旋律はともかく、歌詞にもう少し何か欲しいね……」
アシュリーさんは、レナードさんと一緒に何やら専門的な話に入ってしまいました。
こうなるとわたしに手伝えることはありません。
ようやく動機が収まったわたしは、んんっ!と大きく伸びをします。
「はいっ! ミアねーちゃん、ドリンクなのだ!」
横からさりげなく、はちみつ入りのスペシャルドリンクをレンちゃんが手渡してくれます。
ふぅう……トレーニング後にはこれが効くなぁ。
ちゅ~っとストローでドリンクを吸いながら、今夜のメニューを考案するわたし。
レンちゃんもいっぱい食べるから……食材の仕入れを増やそうかな。
しばらくは試行錯誤の日々が続くのかな?
わたしはそう思っていたのですが。
「行くよみんな! 伝説の曲を求めてっ!」
……目の前には巨大な洞窟が口を開け、もわわわ……と、どう見てもヤバそうなガスが入り口から吹き出しています。
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