僕の義姉妹の本性日記

桜田紅葉

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第3章「仕掛けないと速攻負けちゃう」

気づかれた負け

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そうして一同は車を降りると、ショッピングモールに入っていった。







「お兄ちゃんお兄ちゃん。あれ見て。」
不思議そうな言い方や顔で訴えてきた睦月の指した指の先には、腕を組みよりそりあっているカップルの姿であった。
「あれやってみたいな。」
そう言ってきたが時也は、
「いや、別にダメじゃないけど、今はほら、父さん達もいるだろ?万が一バレたらちょっとどうかなと。」
そう言って断ろうとしたが、隣にいた可憐の目が光った。
「なら、私が気を引くわ。睦月。楽しんでね。」
「え?なにこのあたかも犠牲になる感じのシーン?」
そう言って可憐は父と母の方へと行き、服などを見始めた。



























「こんな感じでいいのか?」
「うん。ドキドキする。」
周りから客観的に見れば普通の少年少女のカップルだが、家族的に見ると禁断の恋の状態(片方だげ)である。
「いいなー。あの子可愛いー。」
「あの男の子かっこいいー。抱かれたいわー。」
そう地味に聞こえてくるのをなかったことにするのが今の時也の精一杯であった。

















「今頃睦月は、時とイチャイチャか。まぁ、イチャイチャと言っても一方的なのか。」
そう言いながら可憐は親の会計を済ませているあいだ。その近くでそう呟いていた。
「私が攻める時期は、夜しかないもんなぁ。」
可憐の大人タイムは今からは少し、程遠い存在になったような気もした。




















「お兄ちゃん。」
そう小さな声で言った睦月に、
「どうした?またなんかの要求か?」
おいおい勘弁してくれよ、と少しだけ思っている時也は、次の一言に態度を変えた。
「やっぱり、恥ずかしいよね。」
そう睦月は頬を赤らめて言うと、
「ま、まぁそうだな。」
すこし睦月の顔から逆を向いた時也も少し照れていた感じもした。

















~夏奈弥~
散歩をしていた夏奈弥はその時、ふと思ったことがあった。
「もしかして、時とずっと近くにいるのって、好きだからなのかな?」
なぜそう思ったか、それは隣で一緒に歩いている部活終わりの選手とマネージャーのかくかくした会話からそう思った。
「付き合っちゃうと、なんか変わっちゃうのかなぁ。そうだ、確かめればいいんだ。」
この時は、時也を驚かそうとか、手のひらで動かしてやろうとしか思っていなかった。
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