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chapter.3
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しおりを挟む『ごめんなさい。泣いて』
「言ったよね?ブランシュはまだ十歳なんだから大人に甘えていいんだって。私で良ければいつでも胸を貸すよ」
暫く泣いたブランシュの顔をハンカチで拭うライノ。
渡されて汗を拭いたブランシュのハンカチではなく自分のハンカチを使って、赤くならないようそうっと。
『ライノお兄さんのハンカチを使わせてごめんね』
「私は昨晩と今日の二度借りてるから。お互いさまだ」
『私のは汚れても失くなってもまた元に戻るけど、ライノお兄さんのハンカチは戻らないから』
ブランシュは何度貸そうと魔力がある限り元に戻る。
汚れても次に取り出す時は新品になっているし、破れて捨てても誰かにあげてもまた変わらず中に入っているから、大きい方は零れたものを拭く時や洗った食器類や調理器具を拭く布巾として、小さい方はハンカチとして使い分けている。
「それも祝い子の能力だと言ってたね」
『うん。例えば料理や飲み物みたいに私が入れた物はなくなるけど、強くなったことで増えた物はなくならないの。調味料とか調理道具とか食器とか、私の魔力で補充される』
知れば知るほど不思議な能力だ。
祝い子の能力は様々で幾つか文献で読んだことがあるけれど、唯一無二の攻撃魔法や防御魔法というような戦闘で役に立つ能力もあれば、壊れた物を直す修復能力や未来予知といった変り種の能力まである。
ブランシュの能力は変り種の方。
それも全て料理に関係するものというのが可愛らしい。
料理を作る時に楽しそうにしているブランシュにピッタリの能力と言える。
「じゃあ交換しないか?」
『なにを?』
「ハンカチ。ブランシュのハンカチは私が貰って、私のハンカチはブランシュにあげる」
本来は洗って返すなり新しいものを買って返すのが礼儀だけれど、失くなっても困らないものなら私の手元に残したい。
昨晩のハンカチは洗って返してしまったから。
『ハンカチがほしいの?こっちの綺麗な方あげるよ?』
「ううん。汗を拭くために渡されたこれでいいんだ」
きょとん顔のブランシュに苦笑する。
交換するもの自体は何でも良くて、たんに『ブランシュの私物を持っていたい。自分の私物を持っていてほしい』というくだらない話だから。
「駄目かな」
『いいよ?気に入ったの?』
「ああ」
『ふふ。じゃあ交換。洗って使わせて貰うね』
「私もそうさせて貰う」
ブランシュのハンカチだから。
手元に置いておきたい理由はそれだけ。
ブランシュがポシェットにライノのハンカチをしまい、ライノはブランシュのハンカチをポケットにしまった。
「ライノ、ブランシュ」
『ルイお兄さん、ヴァルお兄さん』
地面に置いていたマグカップを水魔法で洗い再び果実水を注いでいると、路地にルイとヴァルフレードが入ってくる。
「体調は大丈夫か?厚着で火の傍に居て汗をかいていたから日陰で休ませてると聞いたけど」
路地に積み重ねてある空の木箱を運んできてブランシュとライノの対面に並べて置いたヴァルフレードは、ルイと並んで座りながらライノの体調を真っ先に尋ねる。
「問題ない。少し逆上せただけで、もう汗もひいた」
「そうか。大丈夫なら良かった」
ブランシュの手伝いをしてくれるよう言ったのが自分だっただけに、あの格好で火の傍に居れば暑いという当然の事への配慮が足りなかったと、天虎から話を聞いて反省していた。
「配給は終わったのか?」
「料理の配給は。今の内に私たちも休むよう言われた」
ライノとヴァルフレードの会話を聞きながら果実水を注いでいたブランシュは先にマグカップをライノに渡し、新たにポシェットからマグカップを二つ出してそれにも注ぐ。
『ヴァルお兄さんとルイお兄さんもどうぞ』
「ありがとうございます」
「ありがとう」
『どういたしまして』
まだ未成年の4人はひとまず休憩。
冷たい果実水で喉を潤しつつ一息つく。
「思えばブランシュもライノを見ても平気そうだな」
『平気?なにが?』
ふと思って言ったルイに首を傾げるブランシュ。
「あれ?話してないのか?」
「ああ」
「ごめん。疾うに知ってるものと思ってた」
まだ話していなかったことを聞いて青ざめるルイ。
さっきも人目を気にして目立たないよう後ろに下がったライノと料理をしていたし、街に来てからもライノだけ顔を隠すような格好をしていることに何の疑問もなさそうだったから、てっきりもう体質のことを話したものと思っていた。
「天虎神はご存知だけどブランシュは知らない。天虎神に関しては私が話さずとも分かっていて、何歳頃に発現したのかと逆に質問されたというのが正しいが。ブランシュにも昨晩屋敷で起きた第二夫人の侍女とのひと騒動を見られたものの、なぜ侍女がそうなったかという原因は説明していない」
ルイにそう説明してライノは苦笑する。
侍女とのひと騒動は見られたものの、侍女がそうなるに至った原因が私の厄介な体質の所為だとは知らない。
知らないというより疑問にも思っていないのだと思う。
『原因?』
「彼女がおかしくなったのは私の所為なんだ」
『ライノお兄さんの?』
「無理に言わなくていいんじゃないか?」
「いや。天虎神と話した時にブランシュは寝ていたから聞いていなかっただけで、隠していた訳ではないんだ。私と関わる限り迷惑をかけてしまう事もあるだろうから話しておく」
止めようとしたヴァルフレードにライノは首を横に振る。
なるべく顔が見えないよう気を付けていてもひと騒動起きそうな状況になったのだから、何も知らないまま巻き込んでしまわないようブランシュにも知っておいて貰った方がいい。
「私は人を魅了してしまう体質なんだ」
『魅了?』
「顔見りはもちろん、少し挨拶をしただけの人や、全く知らない人からも好かれてしまう体質と言えば分かるかな?好かれると言うと聞こえがいいけど実際にはもっと厄介な体質で、誘拐されたり監禁されたりしたこともある」
『誘拐されたの!?』
「まだ自分で身を守れるようになる前だけどね」
驚くブランシュに苦笑するライノ。
ブランシュが驚いたその経験が一度や二度ではない。
父が屋敷の警備を強化しようと外出時の護衛を増やそうと身内(使用人)の中から裏切り者が現れるのだから、私自身が身を守る術を手に入れることが一番の解決策だった。
「そのように犯罪に手を染めても私を手に入れようとする者も居れば、ブランシュも見た昨晩の侍女のように交際している事実もないのに私と愛し合っていると信じ込む者も居る。ただ好かれるだけなら放っておけばいいけど本人は事実と違うことを信じ込んでいて、咎める者のことを愛し合う自分たちを引き裂く敵かのように敵対視するから厄介なんだ」
ただ好かれるだけならいい。
問題はその好意が度を超えているということ。
性別も既婚者も独身も関係なく好意を暴走させるとあって、周囲の人まで巻き込んだ騒動になってしまう。
『相手が勝手に思い込んじゃうってこと?』
「簡単に言うとそういうこと。相手は本気で私と愛し合っていると思って話しているから周囲の者も信じてしまう。そんなだから私の窺い知らぬところで何人の交際相手が居ることか。夜会に参加すれば誰々と交際しているそうですねと見知らぬ者の名前を聞かされたり、誤解した相手の恋人や伴侶が屋敷に怒鳴り込んで来たり、不貞の慰謝料を請求されたり」
ライノは今までのことを説明して大きな溜息をつく。
自分の体質が原因とは言えそういうことが続くのだから、人と関わることそのものが嫌になってしまう。
『私は思わないけど』
「祝い子のブランシュに私の魅了は効かないらしい」
『そうなんだ?』
「天虎神がそう仰っていた。少なくとも神の自分と祝い子のブランシュには効かないから安心していいと」
それを聞いて内心ホッとしたヴァルフレード。
自分もブランシュに好意があるだけに、魅了されたブランシュがライノを好きになってしまったらと少し不安だった。
体質は関係なくブランシュがライノの為人を知ったうえで好きになったなら仕方がないことでも、魅了の効果で好きにさせられてしまうのは納得がいかない。
『あれ?神でも祝い子でもないヴァルお兄さんやルイお兄さんも大丈夫だよね?執事さんたちやお父さんたちも』
「全員が魅了される訳ではないんだ。だからユハナ邸で私に関わる使用人は魅了体質に惑わされない者が雇われてる」
『そうなの?不思議だね』
ユハナ邸の上級使用人は魅了が効かない事が絶対条件。
メイドが掃除に入ったライノの部屋で私物を盗んだり、護衛が夜中に寝室へ忍び込んだり、料理人や従僕が作った料理や運び途中の料理に媚薬を盛ったりと様々な事が起きたから、上級使用人はそういう事が起こらないよう目を光らせている。
「ソレイユ公爵家とベランジェ公爵家は幼い頃からユハナ公爵家と交流がありますが、不思議と一度も魅了されたことはありません。ただ、新しい使用人を雇った際はやはりライノと直接関わる役目はさせないよう配慮しています。精神の強い者はかかり難いということは分かっているのですが、それも絶対にかからないと確信が持てている訳ではないので」
ライノの身を守るための配慮。
本人が何もしていなくても魅了されてしまうのだから、今のところそのくらいしか出来ることがない。
「かよわい女性や子供とか、あまり精神が強くなさそうでも魅了にかからない人も居るから条件が分からないんだ」
『うーん。たしかに何が条件なんだろうね』
ヴァルフレードやルイからも話を聞いたものの、ブランシュにも条件が分からず大きく首を傾げる。
人の心を操る魔法も使える闇の一族に対抗する力を持つ光の一族は、同じ系統の能力だろう魅了に抗えても不思議ではないけれど、神でも祝い子でも光の一族でもないベランジェのルイたちにも効かないなら他にも理由があるはずだけど、と。
自分に優しくしてくれるライノが体質で苦労していることを今更ながら知ったブランシュは、ジッとライノを見る。
「……ブランシュ?」
無言で自分を見るブランシュにドキッとするライノ。
ときめきではなく、まさか魅了にかかったのではないかと。
『魔眼』
「え?」
『多くの加護を授かった者の中で極めて稀に魔眼を持って生まれる者が居る。人々はその者を大精霊の寵児と呼ぶ』
目を合わせたまま表情もなく口を開いたブランシュ。
あの時眠っていたブランシュの口から天虎も話していた『魔眼』という言葉が出てきたことと、黄金色の美しい虹彩の中心にある瞳孔の奥でゆらりと揺らめく光が見えたライノは、自分でも分からない緊張感でゴクリと生唾を飲む。
『大精霊の寵児は魔眼によって強い力を得られるものの、その代償かのように数奇な運命を辿ることになる』
言葉を失う三人。
念話で聞こえてくる声はブランシュで間違いないけれど、いつもの愛らしいブランシュとは違う物静かな話し方や大人びた表情が十歳の子供とは思えず、まるで何者かがブランシュの肉体を借りて何かを読み聞かせているかのように見えて。
『哀れな寵児よ、それは呪いではない。ではなぜ君が孤独な最期を迎えようとしているのか。それは君自身が孤独を選んだからに他ならない。己の力に悲観して人生に呪いをかけたのは君自身。魔眼は大精霊の寵愛の印だというのに残念だ』
「ブランシュ!」
背筋がゾワッとする感覚がしてルイはブランシュの会話を遮るように名前を呼び、ライノはブランシュの両肩を掴んで止め、ヴァルフレードもブランシュの目を手で塞ぐ。
念話を聞いたただけなのに心臓が激しく鼓動する三人。
今のは誰が誰に対して喋っていたのか。
声の主はブランシュでも、話している人物はブランシュでもなければ私たちに話していたのでもない。
まるで本を読み聞かせているかのようだった。
『なに?急にどうしたの?』
聞こえてきたのはブランシュの声。
いつものブランシュの声。
その声を聞いてヴァルフレードはそっと手を離す。
「どうしたって、今ブランシュが」
『私が?』
「……もしや覚えてない?」
『なにを?』
ルイに答えるブランシュはきょとん顔。
表情や態度に嘘をついている様子は一切なく、ルイとヴァルフレードとライノは誰ともなくちらりと目を合わせる。
今自分が話したことも分かっていないのだと察して。
「ブランシュがあまりにも真剣な表情で私の顔を見ていたものだから、魅了にかかったのかと誤解してしまった。ルイとヴァルフレードも私と同じく誤解してそれ以上見ないよう止めてくれたんだろう。突然のことで驚かせてすまなかった」
『ああ、そういうこと?』
頭を撫でながらついたライノの嘘を聞きルイとヴァルフレードを確認するように見たブランシュへ、今起きたことを本人は知らない方がいいと感じた二人も嘘に便乗して頷く。
『私の方こそ誤解させてごめんなさい。私にも優しくしてくれてるライノお兄さんが大変な思いをするのは嫌だから、どうにかその体質を治せないのかなって考えてたの。天虎さんも知ってるのに治してないってことは、治療をしたり薬を飲めば治るような簡単な話じゃないんだろうけど』
申し訳なさそうな表情で手をモジモジさせるブランシュ。
慰めてくれたり抱っこしてくれたりと自分に優しくしてくれているライノが困っているなら助けたいけど、転生前の知識にもそんな体質の知識はなくて治し方も分からない。
「私を心配してくれたのか。それなのに誤解して肩を掴んですまなかった。咄嗟に掴んでしまったけど痛くないか?」
『大丈夫。吃驚はしたけど痛くない』
「そうか、良かった」
肉体を乗っ取られていたようなアレは何だったのか分からないものの、自分をジッと見ていたのは心配してのことだったと知ったライノはブランシュが愛おしくて頭に口付ける。
「心配してくれてありがとう」
ブランシュが心配してくれるなら悪くないと、初めて魅了体質に感謝をしてしまいそうだ。
人に心配をかけているのに『悪くない』と思うとは、我ながら薄情で不謹慎だとは思うけれど。
ライノとブランシュを見るヴァルフレードは複雑な心境。
婚約者や恋人でもないのに距離が近過ぎるのでは、と。
いや、ヒトへの恐怖心が残っているブランシュがライノには心を開いていてその距離感を嫌がっていないのだから、同じく婚約者でも恋人でもない私が言うことではないが。
「異性に気易く触るのは良くない」
ライノとブランシュの間を手で遮ったのはルイ。
ルイのその行動にヴァルフレードは内心で拍手喝采。
「ライノにはブランシュが幼い子供にしか見えなくて妹のような感覚で可愛がってるだけなのかもしれないけど、まだ十歳でも血の繋がりのない未婚の異性には違いない。緊急時に致し方ない場合や婚約者や恋人と仲睦まじくしているならまだしも、そうでは無い未婚の男女とあらば周囲に誤解を与える」
真剣に言い聞かせるルイにライノは吹き出すように笑う。
「まさかルイに説教される日が来るとは」
そう言って笑いながら肩を震わせる。
「私はブランシュを妹とは思っていない。まだ大人に守られていい年齢だとは思っているから境界は踏み越えないよう弁えてるつもりだが、それもあと数年だ。今は未成年の私もじきに成人を迎えるように、ブランシュも数年で成人を迎える」
ヴァルフレードと目を合わせてフッと笑ったライノ。
まだ十一歳で指南も受けておらず、その手の話どころか自分の気持ちすら気付いていないルイには早いけれど、既に指南も受け社交界にも出ている十四歳のヴァルフレードは別。
「ああでも、その前に婚約してしまおうか。成婚は成人してからでも、婚約に年齢は関係ない。ブランシュは愛らしいから大人しく眺めていては横から攫われてしまうだろうし」
少し眉を顰めたヴァルフレードにライノは微笑する。
今までの様子でそうだろうとは思っていたけれど、やはりヴァルフレードもブランシュに好意を持っているようだ。
【あまりからかってやるな】
『天虎さん』
路地に入って来た声の主を振り返り嬉しそうに駆け寄ったブランシュを抱き上げた天虎。
『配給は終わったの?』
「いや、まだだ。今は取りに来れない者の家まで手分けして運んでいる。私は全て届け終えたから戻ってきた」
『そうなんだ?お疲れさまです』
愛らしく頬にチュッと労いの口付けをしたブランシュに満足そうに微笑みつつ天虎も額に口付けて返す。
「その様子だと体調は悪くなっていないようだな」
「はい。ブランシュから美味しい飲みものもいただいて体力も回復しましたので。ご配慮ありがとうございます」
天虎はライノの体調を確認しながら魔法で石塊を作ってそこにブランシュを抱いたまま座る。
『天虎さんも飲みもの飲む?』
「私はいいから後で少年たちの家族や使用人に飲ませてやれ。そもそも私は食事も飲み物も必要ない身体だからな」
『分かった』
ブランシュが一緒に食べたいと望んだから今では天虎も飲み食いするようなったけれど、本来なら飲食は必要ない。
それなら必要とする者に飲ませてやった方がいい。
「婚約がどうこうと話していたが、休憩していたはずがなぜそのような話になったんだ?」
「異性に気易く触るのはよくないとルイから説教されまして。私にはブランシュが幼い子供にしか見えず妹を可愛がっている感覚なのかもしれないが、まだ十歳でも血の繋がりのない未婚の異性には違いないのだからと」
そう説明してライノはくすりと笑う。
それこそ弟のように思っているルイから男女の距離感を正される日がくるとは思わなかった。
「私に隠れてブランシュに不届きな事をしていたと?」
「少なくとも下心ではありませんでしたが、私を心配してくれたことが嬉しくて頭に口付けたことは事実です」
「心配?体調か?」
「私の体質や境遇を知り哀れんでくれたというのが正しいでしょうか。昨晩天虎神と私の体質についてお話しした時にはブランシュは眠っていて聞いていなかったので、騒動が起きて迷惑をかけてしまう前に説明しておこうかと」
ああ、そういうことか。
話を聞いたブランシュが少年を可哀想に思って心配したと。
「ユハナの少年が心配なのか」
『心配なのはもちろんだけど、どうにか治す方法はないのか考えてたの。今までに体質が原因で誘拐されたり誤解した人から怒られたりしたらしいから。私の転生前の知識にその体質の知識があればライノお兄さんに恩返し出来たかもしれないけど、初めて聞いたから治し方も分からない』
天虎から聞かれてまたしょぼんとするブランシュ。
残念ながら自分では役に立てないことに。
「なにに対しての恩返しをしようとしてるんだ?」
『ライノお兄さんにはたくさんお話しを聞いて貰ってるし、私はまだ子供なんだから甘えていいって言ってくれたり抱っこしてくれたり、いっぱい優しくして貰ってるから』
なるほど。
すっかりユハナの少年に懐いているな。
話し相手が出来たことは悪いことではないけれど。
「魔眼を鍛えればいいだけだ」
『魔眼?』
『天虎さま』
天虎とブランシュの会話に割って入ったヴァルフレード。
ブランシュには聞こえないよう、天虎とライノとルイにだけ聞こえるように語りかけて。
【どうした。ブランシュに聞かせられない話か?】
『はい。魔眼というものについてですが、祝い子さまに話すのは私たちの話を聞いてからにしていただけませんか?先ほど祝い子さまからもその言葉を聞かされたのですが、その際の様子がおかしかったために私たちで止めたばかりでして』
ブランシュが魔眼の話を?
様子がおかしかったとは一体。
『新年行事でお会いした際に城の庭園で私が祝い子さまの目を塞ぎましたが、先ほどもあの時のような状態になって』
【あの状態で今回は魔眼について話し始めたと?】
『はい』
ヴァルフレードから話を聞いた天虎はブランシュを見る。
だから珍しく私とブランシュの会話を遮ったのかと。
普段の少年ならばしないこと。
『天虎さん?』
「詳しい話は後にしよう。話が長くなる」
『そうなの?』
「手伝いに来ている時に長話をするのもな」
『そっか。後で教えてね』
「ああ」
後で聞かせて貰えるならとブランシュはあっさり引く。
少なくとも天虎は治し方を知っていることが分かったから。
【屋敷に戻ってからブランシュが何を話したのか詳しく聞かせろ。それを聞いた上でブランシュに話すかを決める】
『承知しました』
ヴァルフレードは天虎に答え、ライノとルイにも今は迂闊なことは話さないようアイコンタクトをとり頷きあった。
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