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第1章
朝起きて
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久しぶりに穏やかな気持ちで寝た僕はベッドに入るなりすぐに爆睡していた。
朝方になっても全く起きる気配はなく、誰にも邪魔されることの無い眠りはまだまだ続く…と思われた。
「ゴフッ!」
身体の上に何かが飛び乗ってくるまでは…。
「にんげん!にんげん!起きてほしいのだ!お腹がすいてきたのだ!」
「う~ん…え?なっ何者!」
目を覚まし、身体の上に乗ってきたものを見ると、それは膝下ぐらいの高さの犬?だった。
人語を話す犬…聞いた事ないぞ?
「なにものとはひどいのだ!わちは昨日にんげんがムニムニしてた毛玉なのだ!」
「昨日ムニムニしてた…あっ!あれか!ん?それにしては大きくなりすぎじゃないか?」
「ふふん!わちは魔王ちゃまのペット?ていうやつなのだ!わちはすごいのだ!」
魔王のペット⁉︎
どうしよう、飼い主僕が倒しちゃったよ…
気まずいな…
「なぁ君は魔王様の事をどう思ってる?」
「やしゃしくてかっこいいすごい王ちゃまなのだ!」
う...凄い、敬ってる...
もし、魔王を倒しちゃった事がバレちゃったらどうしよう…
「君は魔王様が今どうなってるかわかる?」
「知ってるのだ!わちをペンダントに隠してゆうしゃからわちを守ってくれたのだ!でも…魔王ちゃまはゆうしゃに倒されちゃったのだ…」
あっもう魔王がいない事知ってたのか…。
なんか辛い事話させちゃったな。
「でも!わちはゆうしゃの事をわるく思わないのだ!魔王ちゃまはゆうしゃに倒されること以外で死ぬ事はできないのだ…。でも!ゆうしゃは魔王ちゃまを死ねない呪いからたすけてくれたのだ!」
「...そうか」
なんて良い子なんだ…。
僕の涙腺は今にも崩壊してしまいそうだよ。
「魔物ちゃまとの別れはつらかったけど、わちは魔王ちゃまのペットとして、魔物ちゃまの幸せが1番なのだ!魔物ちゃまはゆうしゃが来た時とても嬉しそうな顔をしていたのだ!」
泣きそうになりながらも魔王の事を語るこの子を見ていると、とても辛くなった。
そして、気づけばその子に抱きついていた。
「ごめん、ごめんな。魔王を倒しちゃってごめんな。俺が魔王を倒した勇者だ…本当にすまない」
「ゆうしゃ…そうなのか。ゆうしゃが謝る事はないのだ、安心して欲しいのだ。わちはクンタっていうのだ。これからよろしくなのだ」
優しい、優しすぎるぞクンタ。
28歳の僕の涙腺には刺激が強すぎる。
「あぁ、僕はロン。よろしく!…て、えぇ?クンタは僕と一緒に住む気なの⁈」
「ん?ロンはわちといっしょに住みたくないのか?」
「いや、住みたいけど。クンタにとって、僕は飼い主の仇的な存在だろ?」
そんな僕と住んでくれるのか?
「ロン。さっきも言った通りわちはロンにかんしゃしてるのだ。魔物ちゃまを死ねない呪いから助けてくれたロンを。だから、仇だなんて思ってないのだ!」
「そうか、分かった!じゃあ改めて、今日からよろしく!クンタ!」
「こちらこそよろしくなのだ!ロン!」
こうして、僕とクンタは出会ったのであった。
朝方になっても全く起きる気配はなく、誰にも邪魔されることの無い眠りはまだまだ続く…と思われた。
「ゴフッ!」
身体の上に何かが飛び乗ってくるまでは…。
「にんげん!にんげん!起きてほしいのだ!お腹がすいてきたのだ!」
「う~ん…え?なっ何者!」
目を覚まし、身体の上に乗ってきたものを見ると、それは膝下ぐらいの高さの犬?だった。
人語を話す犬…聞いた事ないぞ?
「なにものとはひどいのだ!わちは昨日にんげんがムニムニしてた毛玉なのだ!」
「昨日ムニムニしてた…あっ!あれか!ん?それにしては大きくなりすぎじゃないか?」
「ふふん!わちは魔王ちゃまのペット?ていうやつなのだ!わちはすごいのだ!」
魔王のペット⁉︎
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気まずいな…
「なぁ君は魔王様の事をどう思ってる?」
「やしゃしくてかっこいいすごい王ちゃまなのだ!」
う...凄い、敬ってる...
もし、魔王を倒しちゃった事がバレちゃったらどうしよう…
「君は魔王様が今どうなってるかわかる?」
「知ってるのだ!わちをペンダントに隠してゆうしゃからわちを守ってくれたのだ!でも…魔王ちゃまはゆうしゃに倒されちゃったのだ…」
あっもう魔王がいない事知ってたのか…。
なんか辛い事話させちゃったな。
「でも!わちはゆうしゃの事をわるく思わないのだ!魔王ちゃまはゆうしゃに倒されること以外で死ぬ事はできないのだ…。でも!ゆうしゃは魔王ちゃまを死ねない呪いからたすけてくれたのだ!」
「...そうか」
なんて良い子なんだ…。
僕の涙腺は今にも崩壊してしまいそうだよ。
「魔物ちゃまとの別れはつらかったけど、わちは魔王ちゃまのペットとして、魔物ちゃまの幸せが1番なのだ!魔物ちゃまはゆうしゃが来た時とても嬉しそうな顔をしていたのだ!」
泣きそうになりながらも魔王の事を語るこの子を見ていると、とても辛くなった。
そして、気づけばその子に抱きついていた。
「ごめん、ごめんな。魔王を倒しちゃってごめんな。俺が魔王を倒した勇者だ…本当にすまない」
「ゆうしゃ…そうなのか。ゆうしゃが謝る事はないのだ、安心して欲しいのだ。わちはクンタっていうのだ。これからよろしくなのだ」
優しい、優しすぎるぞクンタ。
28歳の僕の涙腺には刺激が強すぎる。
「あぁ、僕はロン。よろしく!…て、えぇ?クンタは僕と一緒に住む気なの⁈」
「ん?ロンはわちといっしょに住みたくないのか?」
「いや、住みたいけど。クンタにとって、僕は飼い主の仇的な存在だろ?」
そんな僕と住んでくれるのか?
「ロン。さっきも言った通りわちはロンにかんしゃしてるのだ。魔物ちゃまを死ねない呪いから助けてくれたロンを。だから、仇だなんて思ってないのだ!」
「そうか、分かった!じゃあ改めて、今日からよろしく!クンタ!」
「こちらこそよろしくなのだ!ロン!」
こうして、僕とクンタは出会ったのであった。
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