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第1章
愚かな国
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門を無事通ったあと、僕はギルドへ一直線に向かっていった。
当初の目的通り、クエストを受けるために。
ギルドに着くと、職員の皆さんが忙しそうにしていた。
強い冒険者は職員さんに何か話しかけられている。
とりあえず、僕はクエストの紙が貼ってあるクエストコーナーに行くことにした。
クエストコーナーには沢山のクエストがあり良いクエストも沢山あった。
適当に良さそうな物を複数個とって、僕は受付に向かった。
「すいません、このクエストを受けたいのですが」
「あっ少々お待ちください」
受付の職員さんが急いでやってくる。
こんなに忙しそうだと仕事の邪魔をしているみたいで悪い気がしてくるな。
「お待たせしました。えぇっとクエストを受けたいのでしたよね」
「はい」
「では、ギルドカードのご提示お願い出来ますか?」
「え?」
おかしい。
ギルドカードの提示なんて必要なかったはずだ。
それにギルドカードには個人のスキルやステータスがかなり乗っている。
それをわざわざ提示するなんて冒険者としての人生を危機に晒すということだ。
「あの、どうしてギルドカードの提示が必要なんですか?昔は必要なかったと思うのですが」
どうしてか分からないので有れば聞けば良い。
返答次第では僕はこのギルドを抜ける。
それに狩りをして狩った物を換金屋で換金して貰えばいいんだ。
「それは…上からの命令としか…」
「あのいつからそういう風に?」
「今日からです」
やっぱりか。
恐らく上からの命令…つまり国からギルドカードを提示させるように言われていて、提示されたカードの中で戦いにおいて戦力になる人間を戦士にするようになっているんだろう。
そして、もし拒否した場合は情報を流出させると脅す気なんだろう。これはあくまでも予想であって合ってるとは限らないがもしあたってたとしたら腐っているなこの国は。
「ありがとう教えてくれて」
「いえ、これが仕事ですので」
「そうか、僕このギルドやめるよ」
「そうですかってえぇ⁈」
「どうしたの?」
大事な情報を差し出す気なんてサラサラないよ。
「待って下さい!抜けるなんて言わないで下さい!」
「どうして?僕には抜ける権利だってあるはずだよ?それとも僕に抜けられると困る事があるの?」
「それは… 」
僕が抜けるのを止めるという事は二つの可能性が浮かんでくる。
一つ目は、このギルドの冒険者が減っておりこれ以上抜けられると経営が困難になるという可能性。
二つ目は、僕が元勇者であり戦力になると知っている者がいるという可能性。
どちらにしろ、僕は意地でもこのギルドを抜けるけどね。
いくら我が家のような安心感がある場所とはいえ、僕がいなくなっていた間にギルドマスターも変わったみたいだし、小さい頃から知っているおじさんたちはディードさん以外ほぼいない。
そんな所に自分の情報をバラしてまで居たいとは思わない。
「特に引き止める理由がないのなら僕はこのギルドを抜けるよ」
「分かりました…それでは、この紙にお名前を」
「あぁ分かった」
僕は受付の人が出してくれた紙に名前を書こうとする。
その時だった。
「ちょっと待った!やあ久しぶりだねぇロン。いや、裏切られの勇者君」
声が聞こえた方を見ると君の悪い笑顔をした男の姿があった。
当初の目的通り、クエストを受けるために。
ギルドに着くと、職員の皆さんが忙しそうにしていた。
強い冒険者は職員さんに何か話しかけられている。
とりあえず、僕はクエストの紙が貼ってあるクエストコーナーに行くことにした。
クエストコーナーには沢山のクエストがあり良いクエストも沢山あった。
適当に良さそうな物を複数個とって、僕は受付に向かった。
「すいません、このクエストを受けたいのですが」
「あっ少々お待ちください」
受付の職員さんが急いでやってくる。
こんなに忙しそうだと仕事の邪魔をしているみたいで悪い気がしてくるな。
「お待たせしました。えぇっとクエストを受けたいのでしたよね」
「はい」
「では、ギルドカードのご提示お願い出来ますか?」
「え?」
おかしい。
ギルドカードの提示なんて必要なかったはずだ。
それにギルドカードには個人のスキルやステータスがかなり乗っている。
それをわざわざ提示するなんて冒険者としての人生を危機に晒すということだ。
「あの、どうしてギルドカードの提示が必要なんですか?昔は必要なかったと思うのですが」
どうしてか分からないので有れば聞けば良い。
返答次第では僕はこのギルドを抜ける。
それに狩りをして狩った物を換金屋で換金して貰えばいいんだ。
「それは…上からの命令としか…」
「あのいつからそういう風に?」
「今日からです」
やっぱりか。
恐らく上からの命令…つまり国からギルドカードを提示させるように言われていて、提示されたカードの中で戦いにおいて戦力になる人間を戦士にするようになっているんだろう。
そして、もし拒否した場合は情報を流出させると脅す気なんだろう。これはあくまでも予想であって合ってるとは限らないがもしあたってたとしたら腐っているなこの国は。
「ありがとう教えてくれて」
「いえ、これが仕事ですので」
「そうか、僕このギルドやめるよ」
「そうですかってえぇ⁈」
「どうしたの?」
大事な情報を差し出す気なんてサラサラないよ。
「待って下さい!抜けるなんて言わないで下さい!」
「どうして?僕には抜ける権利だってあるはずだよ?それとも僕に抜けられると困る事があるの?」
「それは… 」
僕が抜けるのを止めるという事は二つの可能性が浮かんでくる。
一つ目は、このギルドの冒険者が減っておりこれ以上抜けられると経営が困難になるという可能性。
二つ目は、僕が元勇者であり戦力になると知っている者がいるという可能性。
どちらにしろ、僕は意地でもこのギルドを抜けるけどね。
いくら我が家のような安心感がある場所とはいえ、僕がいなくなっていた間にギルドマスターも変わったみたいだし、小さい頃から知っているおじさんたちはディードさん以外ほぼいない。
そんな所に自分の情報をバラしてまで居たいとは思わない。
「特に引き止める理由がないのなら僕はこのギルドを抜けるよ」
「分かりました…それでは、この紙にお名前を」
「あぁ分かった」
僕は受付の人が出してくれた紙に名前を書こうとする。
その時だった。
「ちょっと待った!やあ久しぶりだねぇロン。いや、裏切られの勇者君」
声が聞こえた方を見ると君の悪い笑顔をした男の姿があった。
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