元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい!〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々?特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜     

おいどんべい

文字の大きさ
42 / 53
第2章

こうかい

しおりを挟む
「え…?」

クルトは予想外の答えに状況が読み取れていないようだ。
ディンガー公爵はまた話を続けていく。

「サーティスは…彼女は…出ていったあの後、落石に巻き込まれたんだ…。私があの時…彼女を止めていれば…。ただでさえも短くなっていた彼女との時間が…」

ディンガー公爵は自分の腕を強く、とても強く握りしめている。
それはもう折れてしまうのではないかというほどに。

「待って下さい…父上。ただでさえも短くなっていた時間…とはどういうことですか?」
「クッ…」

クルトの問いにディンガー公爵は顔をさらに曇らせた。
ディンガー公爵は下を向くと話始めた。

「彼女は病を患っていたんだ…。彼女の余命は…後2、3ヶ月くらいだった。そこで…私は彼女に治療する様に言ったんだ。でも…その病は治すのがとても難しくて…治療をするのには莫大な医療費が必要で…だけどその病は完治する訳ではなく…周期的に治療を受けなければいけなかった。でも!私はお金よりも彼女の方が大事だった!彼女に一緒に生きてもらいたかったんだ!彼女のいない世界なんて私には考える事なんてできないんだ…。どうすれば君に会える…一体どうすれば!」

ディンガー公爵は自身の足を何回も何回も叩いた。
このまま放置していると、ディンガー公爵が壊れてしまいそうに思えた。
僕は、ディンガー公爵が不安になったので、リラックス効果のある回復魔法をかけておいた。
すると、徐々に足を叩く回数も減っていった。
ディンガー公爵は深呼吸をすると話を続けた。

「しかし、彼女は治療を受けるとは言わなかった…。それでも私は…彼女に治療を受けてもらいたかった…。それから私たちは治療を受ける、受けないの口喧嘩が多くなってしまった。彼女の考えを尊重しようとしなかった私がいたから。そのせいで彼女とクルト、リリィ。使用人のみんなには不快な思いをさせてしまった。本当に…すまない。クルト、リリィ…」

ディンガー公爵はクルトとリリィに向けて深く頭を下げた。
クルトはディンガー公爵を見て何か考え事をしている。
リリィはなにが起こったのかがよくわかっていないようだ。
僕的には…う~ん、なんか…う~んって感じなんだよなぁ。

「父上、母上が治療を拒んだ理由をお聞きしてもよろしいでしょうか」

クルトがディンガー公爵に質問をした。
ディンガー公爵はまた自身の腕を強く握り締めながら答えた。

「先程も言った通り、彼女の病を治すには多大なお金を周期的に払う必要があった。しかし、公爵家からいえば、それくらい問題はなかっただろう。だが、サーティスが拒んでいた時は、魔物の凶暴化によって農作物は荒らされ収穫は減り、領地の外に出ると、命の危険があるため商売も上手くいかず、ギリギリな状態だった。クルトやリリィのこれからもある事を考えた、彼女はそれを理由に拒んだんだろう…。私の力が及ばないせいで。私なんて…」

ディンガー公爵はまたクルトとリリィに向けて頭を下げた。
クルトもリリィも何も言わない…。
いや、僕が言う事じゃないかもしれないけど…。
僕はう~んとなる理由がわかった気がした。






しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

最強転生悪役令嬢は人生を謳歌したい!~今更SSクラスに戻れと言われても『もう遅い!』Cクラスで最強を目指します!~【改稿版】

てんてんどんどん
ファンタジー
 ベビーベッドの上からこんにちは。  私はセレスティア・ラル・シャンデール(0歳)。聖王国のお姫様。  私はなぜかRPGの裏ボス令嬢に転生したようです。  何故それを思い出したかというと、ごくごくとミルクを飲んでいるときに、兄(4歳)のアレスが、「僕も飲みたいー!」と哺乳瓶を取り上げてしまい、「何してくれるんじゃワレ!??」と怒った途端――私は闇の女神の力が覚醒しました。  闇の女神の力も、転生した記憶も。  本来なら、愛する家族が目の前で魔族に惨殺され、愛した国民たちが目の前で魔族に食われていく様に泣き崩れ見ながら、魔王に復讐を誓ったその途端目覚める力を、私はミルクを取られた途端に目覚めさせてしまったのです。  とりあえず、0歳は何も出来なくて暇なのでちょっと魔王を倒して来ようと思います。デコピンで。 --これは最強裏ボスに転生した脳筋主人公が最弱クラスで最強を目指す勘違いTueee物語-- ※最強裏ボス転生令嬢は友情を謳歌したい!の改稿版です(5万文字から10万文字にふえています) ※27話あたりからが新規です ※作中で主人公最強、たぶん神様も敵わない(でも陰キャ) ※超ご都合主義。深く考えたらきっと負け ※主人公はそこまで考えてないのに周囲が勝手に深読みして有能に祀り上げられる勘違いもの。 ※副題が完結した時点で物語は終了します。俺たちの戦いはこれからだ! ※他Webサイトにも投稿しております。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...