修道院に行きたいんです

枝豆

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農園の行く末

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そのままステファン殿下と一緒に農夫の話を聞いていた。
やっていることは農夫と同じなのだけれど、元々は負傷したり高齢になった兵士たちの第二の道のひとつなのだそうだ。身分は退役軍人か予備歩兵になる。

「だから俺たちは前線近くに行くことは苦ではありません。ただ…。」
口籠った男に、ただ、なあに?と視線を送った。

「今、畑には妻と子供も出ています。なので…。」
「そうか。それは…心配だな。」
男達の言葉にステファン殿下が響くように答えるのを横で聞いていた。

お城の中の畑作業だから、奥さんやお子さんも手伝える。
島が平和なら家族での移住も想定出来る。
でも…もし戦禍に陥ったら…?
帯同するか単身で赴任するか、今女性が担っている細かい作業は誰がするのか…。

「それから、この畑は放棄してしまうのでしょうか?せっかく良い感じに土壌が熟れてきたのに、もったいないなぁ、と。」

男達の話によると、一旦放棄してしまった畑は直ぐに元には戻せない。
数年毎にあえて土地を休ませる年もあるけれど、それはパッチワーク状に区切ったひと区画だけ。
畑の放棄はやはりあまりよろしくはなさそうだ。

そうなると…。
畑をやり続けてもらうなら、食材購入費の値上げはしなくて済む、
単純にこの畑で取れる食糧がお城全体の食糧の約2割を賄っているがための2割の予算拡充なのだから…。
そもそも戦時下の兵糧対策だけではなく、不作対策でもあるはずで…。
そうなると、やはり畑の放棄はしない方がよくて…。

「レイチェル?」
背中から声がした。
「エル!」
「なかなか帰ってこないと思ったら、こんなところにいた。」
背中側からギュッと抱き寄せられた。

ブワッと汗が噴出した。
「あの、エル…じゃなくて殿下!今は…。」
見てるから、みんなが見てるから。
ステファン殿下なんか呆れて何も言えないでいるから!

「どうしてステファンが?」
ってエルンスト殿下、怒ってます?
どこに怒る要素がありましたか?

「…農作業従事者の話を聞いていた。ちなみにレーチェもだ。
俺は軍事面から、レーチェは厨房の予算の面で。だからし・ご・と・だ!」
「レイチェル、だ。しかも何も一緒に聞く必要は無い。」
「たまたまですよ。」
と私は言い、ステファン殿下が、
「だったらエルも初めから来い。」
とため息を吐く。

ステファン殿下は私のことをレーチェと呼ぶ。それは前からの…そっか、嫌なんだ。
これはやめてもらった方が良いのかしら?

「エルは何をしていたの?」
エルンスト殿下の事だから遊んでいたとは思ってない。
単純に今何をされていたのか?疑問だっただけ。

「父上から、仕事をひとつ頼まれていた。島の建築整備の件で。」
「あら、じゃあエルも島の事なのね。」
「うん、そう。堤防や橋の工事が遅れているらしいんだ。」
「あら、それは大変。冬までになんとかなるの?」
「…なりそうもない。」

「あ、あの。」
側にいた男たちのひとりが口を開いた。
「春の種まきはどこになるんでしょう?」
「…種まき?」

「仕切り直そう。エルもレーチェも一緒に来てくれ。誰かここの事に詳しいヤツも1人か2人。」
どうやらみんなでしっかりと話し合う必要がある、とステファン殿下は思ったらしい。
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