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shall we dance
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エルンストの宣言で秋の新成人のための夜会が始まった。
父や兄にエスコートされてまずはご令嬢が中に入ってくる。その数は10名程。こちらは例年通り。
次に母や姉を連れてご子息達が入ってくる。
こちらは23名、例年の倍だ。
(みんな緊張してるのかな。)
自分もそうだった事を棚に上げてることは頭の片隅にもない。
どうしたらみんなの緊張をほぐしてあげられるかな?としか考えてはいなかった。
だって、初夜会の記憶がブローチだけなんてつまらないじゃない。
「成人おめでとうございます。」
だなんて当たり障りのない会話だけじゃつまらないし、黙ったまま踊るだけなんてもっとつまらない。
レイチェルの最初のダンスのお相手はグレイシア公爵子息のネイサン様、アデリーナ様の弟だ。
一礼をし合い、差し伸べられた手にそっと手を乗せた。
曲が奏でられると、ネイサン様が足を一歩私の方へと近付け、腰に手を添えた。
「お姉様いよいよご結婚ね。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
レスボートには明日旅立つのだそうだ。
デビューしていないと姉の結婚式には全て参加できない。
キッテンの成人は18歳。デビューは基本は18歳になる年か18歳になった年と選べる。今年は一昨年昨年のデビューを見送った人が混じっているので、20歳の人もいる。
ネイサン様は本来は来年だったけれど、お姉様の結婚式のために特別に早められた。
「ネイサン様はダンスがお上手ね。」
「姉の相手をしておりましたから。」
その言葉を聞いて、あっ、そうだったと思い出した。
婚約者候補であったアデリーナ様は歌もダンスもとてもお上手で、それを褒めたところ兄弟を相手に沢山の研鑽をされていたからと教えてくださった。
「ネイサン様、もしかしてピアノもお弾きになられますか?」
「ええ、それなりですが。姉の歌の練習の伴奏はいつも私でした。」
「じゃあ、今度是非一度聞かせてね。そうだわ、今度連弾なんていかが?」
ネイサン様が頬が紅潮した。
「宜しいんですか?」
「もちろんよ、楽しみにしてるわね。」
なるべく当たり障りなく、だけれども親しみを感じてもらえたら。
それはきっとステファンやエルンストのためになる、とレイチェルは疑いもしていない。
曲も終わりに差し掛かった頃、ネイサンが今までになく固い表情を見せてきた。
あれ?どうしちゃったの?さっきまで普通にされていたのに?
「あの、レイチェル様。父からの伝言をお伝えしておきます。」
伝言?なんだろう?
「姉がレスボート王太子に目を止めていただけたのはレイチェル様のお力添えがあってのこと。大変に感謝しております。今後困り事がありましたら、いつでもグレイシア公爵家を頼ってください。父も兄もいつまでもあなたの事をお守り致します、と。」
「あ、ありがとう…?」
困り事…って?
エルンストの許可が貰えなくても、外に遊びに行きたいって言ったら連れて行ってくださるって事…ではないわよね。
「どうか、お心の片隅に。」
「ええ、はい。」
曲が止まったとき、ネイサン様は最初の頃の初々しいさそのままに、
「貴重なお時間を頂き、感謝申し上げます。」
と決まりきった口上を述べて、優雅な仕草で胸に手を添えた。
父や兄にエスコートされてまずはご令嬢が中に入ってくる。その数は10名程。こちらは例年通り。
次に母や姉を連れてご子息達が入ってくる。
こちらは23名、例年の倍だ。
(みんな緊張してるのかな。)
自分もそうだった事を棚に上げてることは頭の片隅にもない。
どうしたらみんなの緊張をほぐしてあげられるかな?としか考えてはいなかった。
だって、初夜会の記憶がブローチだけなんてつまらないじゃない。
「成人おめでとうございます。」
だなんて当たり障りのない会話だけじゃつまらないし、黙ったまま踊るだけなんてもっとつまらない。
レイチェルの最初のダンスのお相手はグレイシア公爵子息のネイサン様、アデリーナ様の弟だ。
一礼をし合い、差し伸べられた手にそっと手を乗せた。
曲が奏でられると、ネイサン様が足を一歩私の方へと近付け、腰に手を添えた。
「お姉様いよいよご結婚ね。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
レスボートには明日旅立つのだそうだ。
デビューしていないと姉の結婚式には全て参加できない。
キッテンの成人は18歳。デビューは基本は18歳になる年か18歳になった年と選べる。今年は一昨年昨年のデビューを見送った人が混じっているので、20歳の人もいる。
ネイサン様は本来は来年だったけれど、お姉様の結婚式のために特別に早められた。
「ネイサン様はダンスがお上手ね。」
「姉の相手をしておりましたから。」
その言葉を聞いて、あっ、そうだったと思い出した。
婚約者候補であったアデリーナ様は歌もダンスもとてもお上手で、それを褒めたところ兄弟を相手に沢山の研鑽をされていたからと教えてくださった。
「ネイサン様、もしかしてピアノもお弾きになられますか?」
「ええ、それなりですが。姉の歌の練習の伴奏はいつも私でした。」
「じゃあ、今度是非一度聞かせてね。そうだわ、今度連弾なんていかが?」
ネイサン様が頬が紅潮した。
「宜しいんですか?」
「もちろんよ、楽しみにしてるわね。」
なるべく当たり障りなく、だけれども親しみを感じてもらえたら。
それはきっとステファンやエルンストのためになる、とレイチェルは疑いもしていない。
曲も終わりに差し掛かった頃、ネイサンが今までになく固い表情を見せてきた。
あれ?どうしちゃったの?さっきまで普通にされていたのに?
「あの、レイチェル様。父からの伝言をお伝えしておきます。」
伝言?なんだろう?
「姉がレスボート王太子に目を止めていただけたのはレイチェル様のお力添えがあってのこと。大変に感謝しております。今後困り事がありましたら、いつでもグレイシア公爵家を頼ってください。父も兄もいつまでもあなたの事をお守り致します、と。」
「あ、ありがとう…?」
困り事…って?
エルンストの許可が貰えなくても、外に遊びに行きたいって言ったら連れて行ってくださるって事…ではないわよね。
「どうか、お心の片隅に。」
「ええ、はい。」
曲が止まったとき、ネイサン様は最初の頃の初々しいさそのままに、
「貴重なお時間を頂き、感謝申し上げます。」
と決まりきった口上を述べて、優雅な仕草で胸に手を添えた。
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