68 / 100
フィアット
しおりを挟む
5曲目のお相手は、私が小さい頃からお付き合いのあった伯爵家の嫡男で、それこそ赤ちゃんの頃から知っている、フィアットだった。
「まさかレイチェルが王族になるなんて。」
「ね、私もビックリよ。」
「レイチェルは少しそそっかしいから、心配だよ。」
「酷いわ!フィアットには言われたくなーい!」
今のところは大丈夫…特に大きな失策はやらかしてはいない…はず!
「ねえ、フィアット。あなた私が相手で良かったの?」
フィアットとも私と同じくマヌエラ様の信奉者のひとりだ。
2人で街で買った大衆紙のマヌエラ様の記事を読んだりしていた。
フィアットが乗馬の練習に勤しんだのも、春の狩りでなら、マヌエラ様のお姿を直に見る事が出来るからだと知っている。
「レイチェル…まさかこちらが選ぶ事ができるだなんて思ってないよね?」
「…思ってた…けど?」
どのように手分けするかを相談した時。
私の時はエルンストが言う言葉の通りなら、家の身分で分けられた。
しかし生まれながら準王族だったマヌエラ様、長く王弟殿下の伴侶であり、侯爵家のサーシャ様より、ポッと出の伯爵家の私の方が今の身分が高いことになり、そうするのは控えようと思ったんだけど。
「あのね、儀典部のお役人は書類を見ながら俺たちを列に振り分けたよ。
そりゃそうだろ。悪意を持つ人をレイチェルの側に行かせる訳がない。」
呆れた表情を見せるフィアットについムキになって、
「でも、私となんか踊ったって嬉しくもなんともないでしょう!」
と言い切った。
フィアットは大きくため息を吐いて、
「今、レイチェルがどれくらいみんなの注目を浴びてるかわかってないんだねぇ。」
と言う。
「エルンストってそんなに人気があったの?」
「…違っ、ああ僕からは…。そうそう、ああそうだよ、いきなりエルンスト殿下の婚約者になったかと思ったら、領地でサクッと誰も呼ばないで式だけ挙げちゃって。
…どうしたらエルンスト殿下の懐に入れるかってみんなが知恵を絞ってる。
レイチェル、気をつけなよ。
隙を見せたらパクって喰われるよ。」
「私を?私をどうこうしたってどうにもならないわ。」
私はただの公爵夫人で、ブリトーニャ様の相談役だ。
基本はブリトーニャ様が決めた事をYESかNOかを判断するだけ。
フィアットの言うような、私を喰ったってエルンスト殿下をどうこう出来るはずがない。
「本当わかってないんだね。まあその辺りはエルンスト殿下がなんとかなさるだろう。
レイチェルは…大人しくしときなよ。」
フィアットの初ダンスに関しては私が緊張を解してあげるより、私がバカにされて説教されて終わった気がする。
最後にフィアットは、
「貴重なお時間を頂き感謝申し上げます。どうか末永くこのフィアット、レイチェル様の盾となり鉾となります事を誓わせて頂きます。」
と口上を述べた。
誓うのは私じゃなくて、キッテンの国やカルロ陛下に誓うべきなのに…でも。
「嬉しいわ。ありがとうフィアット。」
私よりも歳下なのに、幼馴染が私を案じてくれていると思うと、やっぱりそれは嬉しい事だった。
「まさかレイチェルが王族になるなんて。」
「ね、私もビックリよ。」
「レイチェルは少しそそっかしいから、心配だよ。」
「酷いわ!フィアットには言われたくなーい!」
今のところは大丈夫…特に大きな失策はやらかしてはいない…はず!
「ねえ、フィアット。あなた私が相手で良かったの?」
フィアットとも私と同じくマヌエラ様の信奉者のひとりだ。
2人で街で買った大衆紙のマヌエラ様の記事を読んだりしていた。
フィアットが乗馬の練習に勤しんだのも、春の狩りでなら、マヌエラ様のお姿を直に見る事が出来るからだと知っている。
「レイチェル…まさかこちらが選ぶ事ができるだなんて思ってないよね?」
「…思ってた…けど?」
どのように手分けするかを相談した時。
私の時はエルンストが言う言葉の通りなら、家の身分で分けられた。
しかし生まれながら準王族だったマヌエラ様、長く王弟殿下の伴侶であり、侯爵家のサーシャ様より、ポッと出の伯爵家の私の方が今の身分が高いことになり、そうするのは控えようと思ったんだけど。
「あのね、儀典部のお役人は書類を見ながら俺たちを列に振り分けたよ。
そりゃそうだろ。悪意を持つ人をレイチェルの側に行かせる訳がない。」
呆れた表情を見せるフィアットについムキになって、
「でも、私となんか踊ったって嬉しくもなんともないでしょう!」
と言い切った。
フィアットは大きくため息を吐いて、
「今、レイチェルがどれくらいみんなの注目を浴びてるかわかってないんだねぇ。」
と言う。
「エルンストってそんなに人気があったの?」
「…違っ、ああ僕からは…。そうそう、ああそうだよ、いきなりエルンスト殿下の婚約者になったかと思ったら、領地でサクッと誰も呼ばないで式だけ挙げちゃって。
…どうしたらエルンスト殿下の懐に入れるかってみんなが知恵を絞ってる。
レイチェル、気をつけなよ。
隙を見せたらパクって喰われるよ。」
「私を?私をどうこうしたってどうにもならないわ。」
私はただの公爵夫人で、ブリトーニャ様の相談役だ。
基本はブリトーニャ様が決めた事をYESかNOかを判断するだけ。
フィアットの言うような、私を喰ったってエルンスト殿下をどうこう出来るはずがない。
「本当わかってないんだね。まあその辺りはエルンスト殿下がなんとかなさるだろう。
レイチェルは…大人しくしときなよ。」
フィアットの初ダンスに関しては私が緊張を解してあげるより、私がバカにされて説教されて終わった気がする。
最後にフィアットは、
「貴重なお時間を頂き感謝申し上げます。どうか末永くこのフィアット、レイチェル様の盾となり鉾となります事を誓わせて頂きます。」
と口上を述べた。
誓うのは私じゃなくて、キッテンの国やカルロ陛下に誓うべきなのに…でも。
「嬉しいわ。ありがとうフィアット。」
私よりも歳下なのに、幼馴染が私を案じてくれていると思うと、やっぱりそれは嬉しい事だった。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる