修道院に行きたいんです

枝豆

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オマケ

お披露目2

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「レーチエ、これを着てって。」
そういってブリトーニャが部屋に入ってきた。
手にはフワフワの真っ白な毛皮のコート。

「トーニャ、気持ちは有り難いけれど、今日は見送ろうかと。」
エルがサクッと断ろうとする!
いや、待って!
エルのジャケットの裾をギュッと握って引き止めた。

「…着るから、待って!」
「レーチエ!!」
「レイチェル様!無理ですって。」
なんとかパレードに参加しようと足掻き続けるレイチェルにエルンストとエッタ達侍女は待ったを掛ける。

「大切な身体なんだ。わかってるだろう?あまり無理はさせられないって。」
エルがトーニャに食ってかかりそうな勢いだ。でもトーニャも負けてない。

「それはわかるわ。でも気持ちの問題でもあるのよ。後悔しながら妊娠期間を過ごすなんてお腹の子にも障るわ。
大体この部屋、暑過ぎるのよ。薪をこんなに燃やしたら匂いに敏感な身体には良くないって。」
「何も知らないくせに、わかった様な事言うなよ。」

2人の言い合いはいつものことだけど、今日はなかなか収まりそうもない。

「エル…言い過ぎ。」
「だって、ブリトーニャはまだ…。」
「黙ってて!」

それ、言っちゃダメなやつだから!!
エルンストが言いたいのは未経産のブリトーニャが横から口出ししてくる事に納得出来ないという事。

妊娠がわかってから私の身体を案じて甘やかそうとするエルに対して、ブリトーニャは必要以上に過保護にするのは良くない!と言い張っている。
そんな相容れない2人は事あるごとに対立していた。

「確かにね、私はまだ子供を身籠った事は無いわ。そんな私が事あるごとにレーチェに口を出せるの、どうしてかわかる?」
「ただの頭でっかちのお節介…。」
「エル…違うから…やめて…。」

トーニャは悪くない。ただのメッセンジャーなんだから。
きっと後ろにはカトリーナ様がいる。

「外の空気を吸えばきっとスッキリするわ…って。
それにね、このコートなら身体のラインを隠してくれるから、少しくらいドレスが緩くっても気付かれないわよ、って。
男の人にはわからないことってあるのよ、って!!」

って、ほらね。
…「って」って何度も言ってるじゃない。
カトリーナ様が直接言ってくれないのは、クラリーチェ様に遠慮されてるから。
そしてクラリーチェ様は、
「夫であり父親であるエルンストがレイチェルに構うのは特権。それに何を言ったってあの子は聞きゃしないわ、エルンストに何を言ってもムダよ、ムダムダ!横から口出しするだけ野暮よ。どうせそのうち悪阻なんて治るんだから。好きにさせればいいのよ!」
と言っている。

「…エル。お願い…みんなが待っててくれてるの…。こんな寒い日なのに。
早く行ってあげたい…。ううん、私だって…行きたいの。…お願い。」
「…レーチェ、気持ちはわかるよ。でもこんな寒い日だからこそ外に出せないんだよ。そしてその姿じゃ…説得力はない。」

床に蹲って、甕を抱えて、真っ青な顔で震えながら…じゃ、ダメ?
…ダメかぁ。

押し問答をしていると廊下の外が騒がしくなった。
誰か来たらしい。

引き留める警護の声、それを押し除けようとする女性の怒鳴る声。

ったく誰だ!?とエルが廊下の様子を見に行った。
でも、エルにも止められないお人だった。

「あなた達、いい加減になさい!!いつまでそんな事してるんです!!」

綺麗なドレスを身につけ、完璧に支度を済ませていたクラリーチェ様が、入り口に仁王立ちで立っていらした。

「もう!甘えるのも甘やかすのも大概になさい。どれだけの人を待たせるのです!!
さっさと行ってサクッと終わらせるの!!
早く立ちなさい!!」

不思議。ピタリと悪阻が治った…。気がする。
病は気から、というか悪阻は病じゃない。
クラリーチェ様の手ずからドレスの紐は限界まで緩められてコートを着せられた。

「いい?行くわよ!終わったらいくらでも休んでくれて構わないンダから、少しだけ気を張りなさい!!」

はい!っと答えて歩こうとしたら、エルに抱え上げられた。

「エル、歩くから!降ろして!」
「「「ダメ!!」」」
期せずして皆の声が揃った。こんなところはみんなが私を甘やかす。

プーっと頬を膨らましかけて…みんなの表情を見て…やめた。
だって、みんな怖い顔をしてるんだもんっ。

…はい、おとなしく従います。
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