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オマケ
数少ない思い出
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婚約者選定の期間、ブリトーニャやレイチェル達候補者は全て離宮に部屋を与えられてそこで暮らしていた。
結果的に半年も掛けて行われた選定だけれど、ブリトーニャは明日にでも終わると思っていた。
要はステファンが唯一を選んだら終わり、ってことでしょう?
ステファンはフィリア伯爵令嬢しか見ていないんだから、ステファンが決断すればそこで終わるんじゃない。
しかし最初のひと月でブリトーニャはそこにいる事にある楽しみを見出してしまった。
「ここ、ある意味楽園なんじゃない?」
私を嫌う兄嫁はいない。嫌味を並べ立てるご婦人は遠ざけられている。
キャンキャン吠える他の候補者達のことさえ視界に入れなければ、選ばれることさえ諦めれたらゆっくり過ごせる。
いつまでかはわからないけれど、留学だとでも思ってつかの間の自由を楽しもう。
侍女は煩いくらいに他の候補者達や、ステファンや参加はしてはいないがエルンスト、その側にいる騎士や侍従達と交流した方がいいと言ってはいたけれど、どうせ国に帰る身だからと聞き流していた。
そんな私でも流石に少しだけ他の人達と言葉を交わす事があった。
「何を読んでいらっしゃるの?」
不意に声を掛けられて読んでいた本から顔を上げた。
げっ!!
そこにいたのはグレイシア公爵令嬢とフィリア伯爵令嬢だった。
おそらくこの2人は王妃になる。片方がキッテンの、もう片方がレスボートの。
身分を隠したラインハルトが混ざっているのを見た時は卒倒しそうになった。
未来の王妃達で精々仲良くしてればいい、私は関係ない。
無言でページの角度を変えて2人に見えるように向けた。
「これ、エール語…よね?」
「ええ。」
「読めるの?」
読めないのに本を開く人はいない。
フィリア伯爵令嬢の言葉に驚いた。
「すごいわね。」
キョトンとするしかなかった。
こう見えて私達は一応は敵だ。
敵を褒めるなんて聞いたことがない。
エール語は近隣国の共用語だ。エール語が話せない読み書き出来ない王族なんていないだろう。
私の表情を見てグレイシア公爵令嬢が助け舟を出した。
「ほら、地理的にキッテンはシュタインとレスボートが近いでしょう?北部語で事足りるからあまりエール語は使わないの。」
「ええ、そうね。」
グレイシア公爵令嬢の言う通りだ。元の言語が同じこの3カ国は言葉の壁が低い。
ただ、シュタインは他の国とも隣接している。だから私は習得しなければならない。
私が驚いたのはエール語を学んでいないからではない、ただ敵を褒める令嬢が目の前にいる事に驚いたのだ。
「何かあれば助けてね。」
フィリア伯爵令嬢はそう言って恥ずかしそうに微笑んで、邪魔して御免なさい、と去っていった。
「トーニャ、これ訳してくれる?」
「これで合ってるかしら?」
そう言ってレーチェが見せてきたのは、エール語で書かれた手紙だった。
内容は結婚のお祝いを綴った定型分。エルンストとレイチェルの結婚祝いの品に添えられた手紙とその返事らしい。
「うん、大丈夫、合ってる。」
「良かった。」
固く強張った表情から一転し晴れ晴れとした笑みを溢すレイチェル。
きっとステファンやエルンストはこの笑顔に…。
「随分と上達したんじゃない?」
「そう!?そう思う!?」
そりゃそうでしょう。
最初は本を見てもエール語?と迷うくらいだったんだから。
まるで親に褒められた子供のように嬉しそうに微笑むレーチェを見ていると、何故だか私も微笑んでしまう。
「トーニャがいてくれて良かった。」
とレーチェが言ってくれる度に、私はここに存在する価値があるのだと言ってくれているようで…。
なんだかこそばゆい。
結果的に半年も掛けて行われた選定だけれど、ブリトーニャは明日にでも終わると思っていた。
要はステファンが唯一を選んだら終わり、ってことでしょう?
ステファンはフィリア伯爵令嬢しか見ていないんだから、ステファンが決断すればそこで終わるんじゃない。
しかし最初のひと月でブリトーニャはそこにいる事にある楽しみを見出してしまった。
「ここ、ある意味楽園なんじゃない?」
私を嫌う兄嫁はいない。嫌味を並べ立てるご婦人は遠ざけられている。
キャンキャン吠える他の候補者達のことさえ視界に入れなければ、選ばれることさえ諦めれたらゆっくり過ごせる。
いつまでかはわからないけれど、留学だとでも思ってつかの間の自由を楽しもう。
侍女は煩いくらいに他の候補者達や、ステファンや参加はしてはいないがエルンスト、その側にいる騎士や侍従達と交流した方がいいと言ってはいたけれど、どうせ国に帰る身だからと聞き流していた。
そんな私でも流石に少しだけ他の人達と言葉を交わす事があった。
「何を読んでいらっしゃるの?」
不意に声を掛けられて読んでいた本から顔を上げた。
げっ!!
そこにいたのはグレイシア公爵令嬢とフィリア伯爵令嬢だった。
おそらくこの2人は王妃になる。片方がキッテンの、もう片方がレスボートの。
身分を隠したラインハルトが混ざっているのを見た時は卒倒しそうになった。
未来の王妃達で精々仲良くしてればいい、私は関係ない。
無言でページの角度を変えて2人に見えるように向けた。
「これ、エール語…よね?」
「ええ。」
「読めるの?」
読めないのに本を開く人はいない。
フィリア伯爵令嬢の言葉に驚いた。
「すごいわね。」
キョトンとするしかなかった。
こう見えて私達は一応は敵だ。
敵を褒めるなんて聞いたことがない。
エール語は近隣国の共用語だ。エール語が話せない読み書き出来ない王族なんていないだろう。
私の表情を見てグレイシア公爵令嬢が助け舟を出した。
「ほら、地理的にキッテンはシュタインとレスボートが近いでしょう?北部語で事足りるからあまりエール語は使わないの。」
「ええ、そうね。」
グレイシア公爵令嬢の言う通りだ。元の言語が同じこの3カ国は言葉の壁が低い。
ただ、シュタインは他の国とも隣接している。だから私は習得しなければならない。
私が驚いたのはエール語を学んでいないからではない、ただ敵を褒める令嬢が目の前にいる事に驚いたのだ。
「何かあれば助けてね。」
フィリア伯爵令嬢はそう言って恥ずかしそうに微笑んで、邪魔して御免なさい、と去っていった。
「トーニャ、これ訳してくれる?」
「これで合ってるかしら?」
そう言ってレーチェが見せてきたのは、エール語で書かれた手紙だった。
内容は結婚のお祝いを綴った定型分。エルンストとレイチェルの結婚祝いの品に添えられた手紙とその返事らしい。
「うん、大丈夫、合ってる。」
「良かった。」
固く強張った表情から一転し晴れ晴れとした笑みを溢すレイチェル。
きっとステファンやエルンストはこの笑顔に…。
「随分と上達したんじゃない?」
「そう!?そう思う!?」
そりゃそうでしょう。
最初は本を見てもエール語?と迷うくらいだったんだから。
まるで親に褒められた子供のように嬉しそうに微笑むレーチェを見ていると、何故だか私も微笑んでしまう。
「トーニャがいてくれて良かった。」
とレーチェが言ってくれる度に、私はここに存在する価値があるのだと言ってくれているようで…。
なんだかこそばゆい。
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