若松2D協奏曲

枝豆

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翠色の旋風

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そのままの流れで3人で教室に向かう事になってしまった。

…中野さん見ていないといいな。

同じ吹奏楽部の中野さんは、部活は同じだけれど、セクションが違うのでほとんど話した事がなかった。
…2月の球技大会までは。

2月の球技大会で活躍しまくった和津くんに一目惚れしたという中野さんは、私と和津くんの仲が良い事をあまりよく思っていない。

私達は特別仲が良い訳じゃない。
私がいた女子グループと和津くんや皇子くんのいた男子グループが仲が良かっただけなのに。

山本さんから、
「和津くんのこと好きなの?」
と聞かれたり、昨日、お昼休み一緒に喋っていたね、和津くんと寄カフェしたって本当?とか、散々牽制されたし、和津くんの事を教えて欲しいとしつこかった。

お昼休みの会話は春休みにグループで遊園地に行く話の打ち合わせを「みんな」でしてただけ、帰りの流れで部活がない日に「みんな」でお茶をしただけだ。
というかよく見てるな、と思う。
人のことをあまりペラペラと話題にしたくなくて、なんとなく中野さんは苦手になった。

きっと中野さんは和津くんと同じクラスになって悲鳴をあげて喜んだんじゃないかな。

…せめて出席番号ズレて良かった。

4月の最初の席は出席番号順だから男子の1番と31から始まる女子の31番は横並びになる。

私は46番、和津くんは17番。
斜めにはなるけれど、隣じゃない。
隣になれば、しばらくは日直とか様々な場面でペアになる。

それが回避されただけでも良かった…。





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