若松2D協奏曲

枝豆

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コハク島

お守りブレスレット

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コハク島の神社はなんとかヒメミコを御神体にし…。
これなんて読むんだろう?読み仮名振ってくれたら良いのに…。
と、説明が書かれた看板を途中まで読んで、置いていかれた事に気付いた。

「あっ、ちょ、待ってぇ。」
読むのを止めて慌てて追いかける。
さっきのお地蔵様の看板もちゃんと読めなかった。

「なあ、おみくじ引くよな?」
「おっ、もち!」
「お守り買うか?」
「お守りって柄じゃないでしょうがっ!」

ねえ、待ってよ、まっ…。
ふとある物が目に入って立ち止まった。
あっ、可愛い…。

「翠!」
皇子くんが呼んでいる。
「…あっ、ごめん。ちょっと待ってて。」

見つけたのはパワーストーンをヘンプで編んだブレスレット型の開運お守り付きのおみくじ。
10種類の石に4種類の糸がランダムに組み合わされる。お値段はおみくじにはお高め、お守りならお安めの500円。
封筒に入っていて中は見えないけれど、見本が飾ってある。

私が止まってしまったので、みんなが戻って来てくれる。

「…翠、どうしたの?…あっこれ、気になる?」
「うん、ね、可愛いでしょう?」
「うん、シンプルだけど、だから可愛い。」
「…買おうかな?」
「…うん。私も買おうかな。」

何何?と和津くんも寄ってきた。
「おっ、良いじゃん、これ。」
「和津くんもそう思う?」
「うん、普通にお守り買うよりは良い…気がする。和風のthe・お守り!ってより俺は好き。」

「よし!買う!」
「私も!」

横の箱にお金を入れて、目を瞑って封筒の詰まった箱に手を入れる。
最初に手に当たったのを迷わずに取り出した。

「これ!」
開けてみると黄色のビーズに紺の紐のブレスレット、小さな紙が1枚入っている。
「シトリン、だって。」
「うん、綺麗な色だね。」
早速腕につけた。
運勢は吉、石言葉は財を成すだって。他にも恋愛とか仕事とか細かく色々と書いてあった。

優ちゃんはホワイトオニキスに白い糸で、友情の石だって。
「ヤバっ、大吉だって。」
ムフフ、と嬉しそう。

「じゃ、俺も。」
「えっ?和津も?」
「えー良いじゃん、楽しそうだし。」

お金を入れて封筒を探る。
「あはは、和津は混ぜる派なんだ。」
「うん、運を引き寄せたい派。」
へえ、面白い考え方だな、うんでも和津くんっぽい気もする。

「よし!これだ!」
中身はピンクに私と同じ紺の糸。
「ローズクオーツ…。中吉かぁ。」
「ピンク…。ブハッ!」
北斗くんが大笑いしてる。
確かにピンクは和津くんっぼくはない…かも。


「イヤ、北斗。これ凄いかもよ。俺も買おうかな。」
横から和津くんの手元の紙を覗き込んでいた皇子くんが言い出した。
「ちょっと見せて。」
北斗くんも覗き込んだ。
「…ここ。」
「うわっ、恐え!」
「…なんて書いてあったの?」
気になって聞いてみたら、
「あっ、あー、学業は奮わずだって。」
「あー、これから中間なのにそれは怖いね。」
「だろ?」

「俺もやるから北斗もやろ!」
「えー、俺いいよ。」
「良いから、良いから。」

皇子くんは紫のタンザナイトに水色の糸、北斗くんは青のラピスラズリに茶色の糸だった。

「面白いくらいバラけたな。」
「北斗くんの色合いがいいね。」
「翠ちゃん、気に入ったならあげようか?」
「バカ北斗!そういうのはダメだよ、運が逃げる!」

「ねえ、これって本物の宝石?」
「んな訳あるか!風だ、風!」
「皇、石に風ってなんだよ、それ。」

ワイワイ喋りながら歩き始めた。
結局みんなお揃いで、これもまたひとつの思い出になると思うと嬉しくなる。




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ローズクオーツの石言葉。
「想い人を振り向かせる」

北斗が怖がったのはきっとコレ。
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