28 / 242
コハク島
お守りブレスレット
しおりを挟む
コハク島の神社はなんとかヒメミコを御神体にし…。
これなんて読むんだろう?読み仮名振ってくれたら良いのに…。
と、説明が書かれた看板を途中まで読んで、置いていかれた事に気付いた。
「あっ、ちょ、待ってぇ。」
読むのを止めて慌てて追いかける。
さっきのお地蔵様の看板もちゃんと読めなかった。
「なあ、おみくじ引くよな?」
「おっ、もち!」
「お守り買うか?」
「お守りって柄じゃないでしょうがっ!」
ねえ、待ってよ、まっ…。
ふとある物が目に入って立ち止まった。
あっ、可愛い…。
「翠!」
皇子くんが呼んでいる。
「…あっ、ごめん。ちょっと待ってて。」
見つけたのはパワーストーンをヘンプで編んだブレスレット型の開運お守り付きのおみくじ。
10種類の石に4種類の糸がランダムに組み合わされる。お値段はおみくじにはお高め、お守りならお安めの500円。
封筒に入っていて中は見えないけれど、見本が飾ってある。
私が止まってしまったので、みんなが戻って来てくれる。
「…翠、どうしたの?…あっこれ、気になる?」
「うん、ね、可愛いでしょう?」
「うん、シンプルだけど、だから可愛い。」
「…買おうかな?」
「…うん。私も買おうかな。」
何何?と和津くんも寄ってきた。
「おっ、良いじゃん、これ。」
「和津くんもそう思う?」
「うん、普通にお守り買うよりは良い…気がする。和風のthe・お守り!ってより俺は好き。」
「よし!買う!」
「私も!」
横の箱にお金を入れて、目を瞑って封筒の詰まった箱に手を入れる。
最初に手に当たったのを迷わずに取り出した。
「これ!」
開けてみると黄色のビーズに紺の紐のブレスレット、小さな紙が1枚入っている。
「シトリン、だって。」
「うん、綺麗な色だね。」
早速腕につけた。
運勢は吉、石言葉は財を成すだって。他にも恋愛とか仕事とか細かく色々と書いてあった。
優ちゃんはホワイトオニキスに白い糸で、友情の石だって。
「ヤバっ、大吉だって。」
ムフフ、と嬉しそう。
「じゃ、俺も。」
「えっ?和津も?」
「えー良いじゃん、楽しそうだし。」
お金を入れて封筒を探る。
「あはは、和津は混ぜる派なんだ。」
「うん、運を引き寄せたい派。」
へえ、面白い考え方だな、うんでも和津くんっぽい気もする。
「よし!これだ!」
中身はピンクに私と同じ紺の糸。
「ローズクオーツ…。中吉かぁ。」
「ピンク…。ブハッ!」
北斗くんが大笑いしてる。
確かにピンクは和津くんっぼくはない…かも。
「イヤ、北斗。これ凄いかもよ。俺も買おうかな。」
横から和津くんの手元の紙を覗き込んでいた皇子くんが言い出した。
「ちょっと見せて。」
北斗くんも覗き込んだ。
「…ここ。」
「うわっ、恐え!」
「…なんて書いてあったの?」
気になって聞いてみたら、
「あっ、あー、学業は奮わずだって。」
「あー、これから中間なのにそれは怖いね。」
「だろ?」
「俺もやるから北斗もやろ!」
「えー、俺いいよ。」
「良いから、良いから。」
皇子くんは紫のタンザナイトに水色の糸、北斗くんは青のラピスラズリに茶色の糸だった。
「面白いくらいバラけたな。」
「北斗くんの色合いがいいね。」
「翠ちゃん、気に入ったならあげようか?」
「バカ北斗!そういうのはダメだよ、運が逃げる!」
「ねえ、これって本物の宝石?」
「んな訳あるか!風だ、風!」
「皇、石に風ってなんだよ、それ。」
ワイワイ喋りながら歩き始めた。
結局みんなお揃いで、これもまたひとつの思い出になると思うと嬉しくなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ローズクオーツの石言葉。
「想い人を振り向かせる」
北斗が怖がったのはきっとコレ。
これなんて読むんだろう?読み仮名振ってくれたら良いのに…。
と、説明が書かれた看板を途中まで読んで、置いていかれた事に気付いた。
「あっ、ちょ、待ってぇ。」
読むのを止めて慌てて追いかける。
さっきのお地蔵様の看板もちゃんと読めなかった。
「なあ、おみくじ引くよな?」
「おっ、もち!」
「お守り買うか?」
「お守りって柄じゃないでしょうがっ!」
ねえ、待ってよ、まっ…。
ふとある物が目に入って立ち止まった。
あっ、可愛い…。
「翠!」
皇子くんが呼んでいる。
「…あっ、ごめん。ちょっと待ってて。」
見つけたのはパワーストーンをヘンプで編んだブレスレット型の開運お守り付きのおみくじ。
10種類の石に4種類の糸がランダムに組み合わされる。お値段はおみくじにはお高め、お守りならお安めの500円。
封筒に入っていて中は見えないけれど、見本が飾ってある。
私が止まってしまったので、みんなが戻って来てくれる。
「…翠、どうしたの?…あっこれ、気になる?」
「うん、ね、可愛いでしょう?」
「うん、シンプルだけど、だから可愛い。」
「…買おうかな?」
「…うん。私も買おうかな。」
何何?と和津くんも寄ってきた。
「おっ、良いじゃん、これ。」
「和津くんもそう思う?」
「うん、普通にお守り買うよりは良い…気がする。和風のthe・お守り!ってより俺は好き。」
「よし!買う!」
「私も!」
横の箱にお金を入れて、目を瞑って封筒の詰まった箱に手を入れる。
最初に手に当たったのを迷わずに取り出した。
「これ!」
開けてみると黄色のビーズに紺の紐のブレスレット、小さな紙が1枚入っている。
「シトリン、だって。」
「うん、綺麗な色だね。」
早速腕につけた。
運勢は吉、石言葉は財を成すだって。他にも恋愛とか仕事とか細かく色々と書いてあった。
優ちゃんはホワイトオニキスに白い糸で、友情の石だって。
「ヤバっ、大吉だって。」
ムフフ、と嬉しそう。
「じゃ、俺も。」
「えっ?和津も?」
「えー良いじゃん、楽しそうだし。」
お金を入れて封筒を探る。
「あはは、和津は混ぜる派なんだ。」
「うん、運を引き寄せたい派。」
へえ、面白い考え方だな、うんでも和津くんっぽい気もする。
「よし!これだ!」
中身はピンクに私と同じ紺の糸。
「ローズクオーツ…。中吉かぁ。」
「ピンク…。ブハッ!」
北斗くんが大笑いしてる。
確かにピンクは和津くんっぼくはない…かも。
「イヤ、北斗。これ凄いかもよ。俺も買おうかな。」
横から和津くんの手元の紙を覗き込んでいた皇子くんが言い出した。
「ちょっと見せて。」
北斗くんも覗き込んだ。
「…ここ。」
「うわっ、恐え!」
「…なんて書いてあったの?」
気になって聞いてみたら、
「あっ、あー、学業は奮わずだって。」
「あー、これから中間なのにそれは怖いね。」
「だろ?」
「俺もやるから北斗もやろ!」
「えー、俺いいよ。」
「良いから、良いから。」
皇子くんは紫のタンザナイトに水色の糸、北斗くんは青のラピスラズリに茶色の糸だった。
「面白いくらいバラけたな。」
「北斗くんの色合いがいいね。」
「翠ちゃん、気に入ったならあげようか?」
「バカ北斗!そういうのはダメだよ、運が逃げる!」
「ねえ、これって本物の宝石?」
「んな訳あるか!風だ、風!」
「皇、石に風ってなんだよ、それ。」
ワイワイ喋りながら歩き始めた。
結局みんなお揃いで、これもまたひとつの思い出になると思うと嬉しくなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ローズクオーツの石言葉。
「想い人を振り向かせる」
北斗が怖がったのはきっとコレ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わり、転校してきたのは、初恋の相手だった——。
鬱々とした気分で二学期の初日を迎えた高須明希は、忘れかけていた記憶と向き合うことになる。
名前を変えて戻ってきたかつての幼馴染、立石麻美。そして、昔から気になっていたクラスメイト、河西栞。
親友の田中浩大が麻美に一目惚れしたことで、この再会が静かに波紋を広げていく。
性と欲の狭間で、歪み出す日常。
無邪気な笑顔の裏に隠された想いと、揺れ動く心。
そのすべてに触れたとき、明希は何を守り、何を選ぶのか。
青春の光と影を描く、"遅れてきた"ひと夏の物語。
前編 「恋愛譚」 : 序章〜第5章
後編 「青春譚」 : 第6章〜
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる