若松2D協奏曲

体育祭

告白ノススメ

前々から優ちゃんから言われていた事がある。
「和津は体育祭が終わったらモテ始めるよ。」

既に練習やリハを見ていた人達から、和津くんの評価がドンドン上がって来てる…って。

「和津の事好きなら早く告っちゃった方がいい。」
とまで言い始めた。

…私、和津くんが好き？なの？
よくわからない。

ドキンっ！とすることは度々あった…と思う。
けどそれは。和津くんがカッコいいからだ。

球技大会以来、同じ部活の中野さんから和津くんの事で話しかけられて、どこかで線を引いた。
好きになっちゃうと面倒だよ、って。

でも和津くんはいつもそばにいてくれた。
気を抜くと好きになっちゃいそうだから、いつもいつも気を張ってた。

ジャージを貸してくれた時も、お水のタンクを持ってくれた時も、潮干狩りの時も、応援団一緒にやってくれるって言ってくれた時も。

でも、応援団の時の太鼓を叩く和津くんの真剣な眼差しには勝てなかった。
あの綺麗な横顔はズルい。

吹部デモが終わった瞬間、一番褒めてもらいたかった和津くんはそこにはいなかった。

たくさんLINEに上がって来てる写真の数が、どれだけ和津くんがみんなの視線を集めたのかを教えてくる。

「ねえ、和津くんが他の女の子のところに行っちゃっていいの？」

優ちゃんの言葉が棘になって胸に刺さり続けてる。