若松2D協奏曲

枝豆

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優しい北斗七星

掴めてきた 北斗視点

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そうして迎えた潮干狩りの日
少し優ちゃんを掴めた…気がする。

揶揄うのは好きだけど、揶揄われるのは苦手。
突っ込む時は突っ込むけど、引く時はサッと引く。

結局ねえちゃんの意見のまま望ヶ崎に上がったときも、
「うん、そうだけど。駄菓子屋と心霊スポットも私は気になる。」

優ちゃんのコレは強がりだ。
「デートスポット」を良いと言えちゃう翠ちゃんに素直に良いと言えない優ちゃん。
「うん。」までがきっと本音。
みんな優ちゃんらしいと笑ってるけど、自分には「似合わない」と思ってるから、そこをぼかす。

お守りのブレスレットもそう。
「シンプルだから、可愛い。」
シンプルだから、って付けないと可愛いって言えない。

なんでそんなに似合う似合わないに拘るんだろうか?
好きか好きじゃないかで選べば良いのに…。

駅前の土産物屋で、じっーとお菓子を見てる。視線の先には「かもめチョコケーキ」
この辺りに多くいるかもめをモチーフにした、どこにでもあるお土産スイーツ。それなりに美味しいけど、見た目の可愛さがウリ。そう、可愛さがウリだから。…だから背中を押してあげる。

「それ、意外と美味しいよ。」
と声をかける。
「見た目を裏切る美味しさ。」
「はあ?そこは裏切らない美味しさじゃないの?」
「可愛いお土産スイーツで美味しいのって少ないでしょ?」
「あー、まあ。」
「可愛くて美味しい、オススメ。騙されたと思って試してみて。」
「…じゃあ騙されてあげる。」
そう言って優ちゃんは一番小さいのを一箱カゴに入れた。

(かもめ…好きなんだ。)
ふと目に入るかもめグッズの棚。
「あ、これ…。」
翠ちゃんの鞄についてるのと似た形のキーホルダー型のコンパクトミラー。
翠ちゃんのはピンクの貝、ねえちゃんは紫。
優ちゃんはかもめでも良いのかな?
かもめだから基本は白。ピンクの花を咥えたのと、黄緑のクローバーを咥えたヤツの2バージョン。

多分優ちゃんなら…。
ピンクの方にした。
選ぶのはクローバー、だけど本当に欲しいのはこっち、そうなんじゃないかな?と思ったんだ。









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